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前世勇者の俺が転生した結果!?  作者: Re:Ei


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第四十三話 たった一つの勝ち筋

俺は湊と別れた後、一人で森をうろついていた

兄貴を探していた

しかし、出会ったのは

出会ってしまったのは

零「あなたにだけは出会いたくなかったんですけどね」

俺と敵対するように目の前に立っていたのは

迅「僕だって会いたくなかったよ」

迅だった

迅「ここで僕達が当たればどっちかは退学」

迅「君とは良好な関係を築けていたんだけどなー」

迅「残酷だね」

零「本当に残念ですよ」

迅「なら...僕を見逃してくれるのかな?」

俺はフッと笑い

零「それができないのはプレデターのあなたが一番分かってるんじゃないですか?」

迅「確かに、ね」

俺はそして

その剣をこの世に顕現させた

もう俺のこの力は呪いなんかじゃない

俺はもう無能力者なんかじゃないんだ

だから...

もう隠す事なくこの剣を使う

それが俺の...

能力だからっ!

顕現した剣で俺は剣先を迅に向ける

迅「.......」

迅「驚いたねー」

迅「零君は無能力者じゃなかった?」

迅「そんな剣が使えるなら先に言って欲しかったな」

零「......」

零「驚いているわりには表情が一つも変わらないんですね」

迅「....ポーカーフェイスが得意なんだよね」

零「そうですか」

俺は空を見上げた

すでに陽が少し昇り始め

空が少し明るかった

時間で言ったら午前3時程度だろうか

試験終了まで残り3時間

零「時間もないみたいだし」

零「さっそく...やりましょうよ」

迅「....いいよ」

迅「来なよ」

俺は迅との距離を詰め

手始めに俺は迅に向け蹴りを放った

しかし迅は無駄なく蹴りを回避し

俺の足は迅に掴まれた

迅「ダメだよ、こんなに隙をさらしちゃ」

零「避けられないレベルのスピードで蹴りを放ったんですけどねっ!」

俺は剣を迅の腕目掛けて振り下ろした

迅「危ないなあ」

迅は当たり前かと言わんばかりに攻撃を回避しており

零「....能力を開花させたから、身体能力が今までの比にならないぐらい上がってるはずなんですけどね」

迅「うん、めっちゃ上がってるよ!」

迅「今までより確実に強くなってる」

零「....それを余裕そうに止めるあなたはなんなんですか?」

迅「さて、なんなんだろうね」

零「...勝つのは俺ですよ」

俺は何回も剣を振るった

何回も体術を放った

右から

左から

上から

真正面から

何回も

何回も

何回も

しかし....

迅は俺のその攻撃を全て避け

さらには反撃を繰り出してきた

零「な...んで...」

零「なんで一撃も当たらないんだよ...」

俺は地面に剣を突き刺し

剣を握り地面に膝をついていた

迅「それが、僕の能力だからだよ」

俺の体は疲弊していた

一撃はさほど重くない

しかし

攻撃を繰り出した数だけ避けられ反撃を食らった

何十回....いや何百回という回数、体に拳を叩きつけられた

一撃は小さくとも、俺の体はダメージを蓄積し

俺の体はもうボロボロだった

迅は優しさからか僕を殺そうとはしなかった

しかし...

それが僕の能力においては一番厄介だった

ここまでボロボロだと俺はもう勝てない

迅が殺してくれないと...

俺は能力を発動できない...

クソッ!!

零「なんで....なんでなんでなんで」

俺の頭の中は疑問符でいっぱいだった

こっから勝てる術が思い浮かばなかった

そして....

俺は...

ある事に気づいた

能力の...感覚がない

あぁ...そうだ

俺の能力は格下だと思っている相手には絶対負けない能力

俺は今感じてしまった

考えてしまった

俺の敗北した未来を

勝ち筋がない現実を

俺はもうこの戦い、迅に能力は...発動できない

その事実に気づき俺は焦りを感じた

試験時間は残り2時間

バッジを持っていない俺は...

退学

その2文字があまりにも現実的で、俺はただ焦った

負ける...?

この俺が...?

零「クソッ!クソッ!クソッ!」

俺は地面に拳を何度も叩きつけた

俺はゆっくりと立ち上がり

零「うおおおお!!」

迅に向かって突っ込んだ

迅「......」

迅は少し悲しそうな顔を浮かべ

迅「冷静さをかいた人間が勝つのを...」

迅「僕は見た事がないよ、零君」

零「あっ——」

その攻撃は簡単に避けられ

零「がっ!!」

背中に拳を叩きこまれ俺は簡単に地面に這いつくばった

零「クソが...」

歯を食いしばった

プレデターがこんなに遠い壁だとは思っていなかった

俺は顔を上に上げた

そこにあったのは...

地面に深々と刺さった勇者の剣が視界に入った

俺はそれを見て...

零「あっ———」

一つのある事に気づいた

俺はもう迅に敗北を感じさせられた

迅に能力は発動しない

なら....

迅以外で死ねばいいんだ

俺は剣を握りしめゆっくりと立ち上がった

そして

あぁ...怖いなぁ

いや違うか....

この考えが俺を地獄に連れていく

だから俺は思い込むんだ

自己催眠をかけるんだ

零「俺は最強だ....」

そうして俺は....

迅「零君!?なにしてっ——」

俺は自分の首に勇者の剣を当てがい

零「俺はたかが15パーしか引き出せてない剣なんかに」

零「殺されねーよ」

そして

そして

そして

ザシュッ!!!

そんな音が響き渡るのだった


第四十三話 終了





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