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第三十四話 勇者の限界

次に目を開けるとそこは....

零「......」

いつもの白空間だった

目の前にいるそいつに視線を飛ばす

蓮「...どこだ?ここ」

零「......」

蓮「何シカトしてんだよ!!」

そいつは手から炎を出し俺に放った

俺はそれを顕現させ

シャキイイン!!

一閃

それを叩き切った

零「お前は普通に能力が使えるみたいだな」

あの時、兄さんに起こったような事は起こらなかった

じゃああれは一体....

蓮「戦闘中に考え事か?」

気づけば至近距離にいたそいつを

バアアアアアン!

俺は思いっきり蹴り飛ばした

蓮「あがっ!」

壁がないため地面を何度もバウンドしやがて止まった

蓮「さっきとは...ちげえって訳か」

零「あぁ、そうみたいだな」

蓮「ならこっちも...」

蓮「さっきみたいにはいかねえぜ!」

蓮さんは一瞬で距離を詰めその拳は振り上げられる

俺は剣を構え

キイイン!

拳と聖剣がぶつかる

やがて...

零「っっ!!」

俺が押し負け後方に飛び回避した

零「拳で剣を押し返すって...」

零「どんな身体能力してんだ?」

蓮「エネルギーを力に変える能力」

蓮「単純な話、エネルギーを身体能力に変えた」

蓮「それだけだ」

零「....そりゃ、とんでも能力だな」

俺は直感的に感じてしまった

白空間内でこいつを倒せなければ...

神谷零はここで死ぬ

なんとしてでもこいつはここで....

蓮「後はまぁ...」

蓮「こんなのもできるぞ?」

そいつは手に力をこめ

その剣を生成した

しかし

その剣は俺が持つ勇者の剣とは正反対と言ってもいい程真っ黒だった

零「俺のパクリか?」

蓮「アハハッ!笑わせんなよ」

蓮「俺の剣の方が高性能だっつーの」

その瞬間蓮さんは剣を薙いだ

すると....

零「え....」

次の瞬間にはもう俺の視界には真っ赤な血で染まっていた

蓮「こいつはただの剣じゃない」

蓮「エネルギーを斬撃として飛ばす事ができる」

俺は初めて

この白空間内で膝をついた

蓮さんは俺のそんな隙を見逃すはずもなく

掌を俺へと突き出し

蓮「爆ぜろ」

そう言った瞬間

バアアアアアン!!!

零「がっっ!!」

目の前で黒い閃光が爆ぜた

衝撃が全身を貫く

体が宙へと投げ出され

そのまま地面へと叩きつけられる

零「っ....ぁ....」

視界が揺れる

蓮「終わりか?」

蓮「なんだよさっきより強くなったかと思ったが...」

蓮「なんも変わんねーじゃねーかよ」

零「.......」

....勝てない

勇者の剣だけじゃ太刀打ちできない

そんな圧倒的な実力差がそこにはあった

ただ....

なんだこの違和感は...

さっきから敗北の2文字より先に

何かの引っかかりを覚える

なんだよこれ....

蓮「.....終わりでいいか?」

蓮さんは俺の顔を覗きこんできた

零「いいわけ...ねえだろ...」

ここで負けたら現実にいる俺は確実に....

零「なめんじゃねえっ!」

俺は痛む体を無理やり起こし

蓮さんに剣を突きつけた

零「頼む」

神様

もう一度だけ...

俺の願いを聞いてください...

零「当たってくれえ!!」

俺は残り数秒

その一撃に全てを込め

剣を振るった

蓮「....あめえよ」

蓮さんは黒い剣を振り上げる

防がれた

確かに俺の目にも見えた

黒い剣が白い剣の真正面に割り込んだ

なのに——

ザシュッ!

蓮「.....は?」

次の瞬間

蓮さんの肩から鮮血が四散した

零「あた....った」

確かに一撃負わせた

そんな時...

パリイン!

世界は終わりを告げるのだった


第三十四話 終了


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