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第二十七話 敗北者の勝利

学園長「では、これより実技試験を始める」

学園長「では、はじめ」

試合が始まった瞬間

先に動いたのは湊だった

しかし…

湊「あ….」

湊は足を踏み出した一歩目で転び膝をついた

プレデターがそんな隙を見逃すわけなく

伊織さんはナイフを片手に猛スピードで湊に突っ込んだ

湊「くっ…」

湊は間一髪で立ち上がり伊織さんのナイフを避けていた

伊織「ふーん、少しはやるじゃん」

湊「なめないでくれないかな?」

伊織「じゃ…」

伊織「舐められない戦い方をすることだね」

その瞬間

零「なんだ...これ...」

とても息苦しかった

周りを見渡すと僕と同じように苦しんでる生徒が大勢いた

湊「なんだよ...それ...」

湊「それだけはダメだろ....」

湊は拳を握りしめていた

そして....

零「あれ?」

先程までの息苦しさが嘘のように止まった

伊織さんは湊を見つめ

伊織「へぇー」

伊織「君がやったの?」

湊「んな事どうでもよくない?」

伊織「確かにね」

伊織「じゃ....」

伊織「もう終わらせよっか」

次の瞬間

湊「がっ!」

湊は急な突風に吹き飛ばされ、フェンスに直撃した

伊織さんは距離を詰め湊の首元にナイフを突きつけていた

伊織「終わり」

伊織「次、行こうよ」

伊織さんは学園長を見つめそう言った

学園長「......これにて...」

湊「あーまったまった!」

湊の声が闘技場に響いた

学園長「?」

湊「まだナイフは当たっていない」

湊「俺はまだ負けていない」

伊織「......」

伊織さんはため息をつき....

伊織「授業だからやんないであげたのにさ」

伊織「死んでも知らないよ?」

湊「ちがう...」

湊「だからこそだよ....」

湊は死に直面しようとしているのにも関わらずその口元は笑っていた

伊織「じゃ、お望み通り...」

伊織さんは湊の首元にナイフを押し付け

次の瞬間

ザシュッ!!

そんな嫌な音が闘技場に響いた

僕は咄嗟にその現実から目を逸らした

そうして数秒後

僕が覚悟を決めその場に目を向けると

零「な...んで...」

そこにはナイフを持っている伊織さん

そして....

伊織さんと向かい合うように立つ無傷の湊がいた

湊「な?言っただろ?」

湊「俺は負けてないって」

その瞬間、Dクラスに歓声が沸いた

湊「じゃ、次は俺の番だね」

湊は伊織さんとの距離を詰め拳を振り上げていた

だが伊織さんは全く動じることなく涼しい顔をしていた

しかし....

湊のその拳はしっかりと伊織さんの腹部に突き刺さり伊織さんは数十メートル吹っ飛ばされていた

起き上がった伊織さんはひどく驚いたような顔をしており本当に当たる気なんてなかった事が伺える

だがすぐにいつもの涼しい顔に戻り

伊織「なるほどね」

湊「何がだよ....」

伊織「分かったんだよ」

伊織「君の能力がね」

湊「はっ!分かった程度じゃ俺の能力は防げないと思うがな」

伊織「いや...こうすればいいんだよ」

カランカラン

伊織さんは先程まで扱っていたナイフを投げ捨てた

湊「.....は?」

湊「どういうつもりだ?」

伊織「さっきの拳食らって分かったんだよね」

伊織「こっちの方が勝率あるってさ」

その瞬間伊織さんは回し蹴りを放ち、湊はそれをもろにくらいよろけた

湊「くっ....!」

伊織さんはその隙に湊の懐に入り込み腹部に強烈な拳を叩き込んだ

湊は大分ダメージを負ったのかその場で膝をついて倒れた

伊織「....これでも君は能力を使える?」

湊「......」

湊は数秒空を見つめ

やがて手をあげて

湊「降参」

そう、宣言をした

学園長「では、これにて....」

学園長「Dクラス、雨宮湊の勝利とする」

伊織「なんで?学園長?」

湊「....お情けならいらない」

学園長「....お前達はルール説明を聞いてなかったのか?」

学園長「私はプレデターに勝てなんて一言も言ってない」

学園長「そんなのプレデター側が勝つに決まっているからな」

学園長「私が言ったのはプレデターに<一撃を与える>だ」

学園長「雨宮湊はあの瞬間、確かに伊織の腹部に一撃を叩き込んでいた」

学園長「よってこの勝負は雨宮湊の勝利だ」

伊織「あーそういえばそんな事....」

伊織さんは湊に向き直り

伊織「なかなかに良い動きだったよ」

伊織「初クリア者おめでとう」

そう言ってプレデターの二人の所に戻っていくのだった

湊「.....」

湊もこちら側に帰ってきたが

明らかに納得していないような顔をしていた

学園長「では、次」

学園長「誰が行く?」

学園長が尋ねると

???「じゃ、私行っちゃおうかなー??」

一人の女子生徒が声をあげた

迅「え」

迅はまさかの立候補者に笑っていた

迅「ねー学園長ーこれってありなの?」

迅「美月はプレデターだよ?やる意味ある?」

そう、立候補したのは美月だった

学園長「...まぁ、今の肩書きはDクラスだからな」

学園長「本人がやりたいというなら認めよう」

美月「やったね!」

学園長「じゃあ、誰を指名する?」

美月「んーー」

美月はプレデター3人を見渡し

美月「迅で!」

迅「しかも僕なんだ...」

迅「ま、いいよ」

迅「じゃ、入りなよ」

こうして、プレデターvsプレデターの戦闘が今目の前で始まるのだった


第二十七話 終了


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