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第十三話 勇者に堕ちる瞬間

無機質なブザー音が教室に鳴り響いた

御影の拳は俺には届かずそこで止まっていた

放送「時間切れにより試験終了」

放送「これより特別ルールに移行する」

放送「KING対KINGの一騎打ちで決着を決める」

放送「各クラスのKINGは体育館に集合するように」

そう言って放送は切れた

しかし御影はそんな放送耳に入っていなかったのか

御影「な...んで....」

頭の中が疑問符で埋め尽くされていた

俺は体育館へ向かうため教室を出ようとした

しかし....

御影「まてよおい!」

御影が駆け寄り俺の胸ぐらを掴んできた

零「......」

零「今ここで攻撃したら学園長が黙ってないぞ」

御影「くっ!」

御影は観念したのかその腕を下ろした

御影「お前はどうやってあの攻撃を防いだんだよ!」

御影「おかしいだろ!無能力者に防げる訳ないだろ!!」

御影「なぁ、どんな手を使ったんだよ!!」

零「.......」

御影は声を荒げてそう言うため俺は

零「お前...」

零「素の戦闘能力ゴミなんだろ?」

御影「っっ!!」

零「俺はただお前の能力に気づいただけだ」

零「お前は毎回馬鹿力で人を殴り飛ばしていただけように見えていた」

零「でも...」

零「違ったんだよな」

零「お前は一回も拳を使ってなんかいなかった」

零「お前の能力は....」

零「圧壊」

零「そうだろ?」

御影「.......」

御影は何も言わなかった

零「お前は全てを圧力でねじ伏せていただけだった」

零「机と椅子を圧力でぺしゃんこにし」

零「圧力で距離そのものを潰し一瞬で眼前に現れ」

零「空間に圧力をかけ衝撃波を生み出しそれをゼロ距離で放つ」

零「お前は身体能力が高いんじゃなく全部能力に頼っていた」

零「それにさえ気づければ後は簡単だった」

零「お前が距離を縮めてきその衝撃波を放った瞬間に衝撃波に向かって俺も攻撃を放ち相殺する」

零「ただそれだけだ」

俺はそれだけ言って歩き出した

後ろから

御影「なんだよそれ....」

御影「お前は無能力者だろうが!!」

御影「なんでそんな芸当ができるんだよ!!」

俺は振り返らずに続けた

零「俺はこの力を表に出さない」

零「出しちゃいけない」

零「能力が全てだと思ってる時点でお前は負けてるんだよ」

そう吐き捨て体育館へ向かうのだった


体育館に着くと学園長がいた

学園長「やぁ、神谷零」

学園長「中々に面白い戦いを見せてもらったよ」

零「.....それはどうも」

この反応を見るにあの剣はどうやら見られていないようだった

学園長「あの場所は流石にもう使えないからな」

学園長「場所を移動させてもらった」

零「えぇ、構いませんよ」

学園長「KING対KINGの審判は私がする」

学園長「いいな?」

零「分かりました」

学園長とそんな会話を繰り広げていると

スタスタスタと

体育館の入り口から御影が顔を出した

学園長「さて、演者は揃ったようだな」

学園長「ではこれより」

学園長「FクラスとEクラスのKINGによる」

学園長「入れ替わり試験を行う」

そう言うと学園長は壇上に上がり

学園長「では」

学園長「試験スタートだ」

ブーー!!!

試験開始のブザーが鳴り響き

俺達の運命が決まる試験が始まるのだった


体育館

広い空間の中央に御影と俺は向かい合っていた

その広い空間には似合わず三人しかこの場にはいなかった

御影「ハハッ...」

御影は肩を揺らして笑った

御影「今度は逃げれねえぞ?」

そんな見え透いた挑発

俺は返さなかった

返す必要すらなかった

その瞬間

ギシッ

地面が音を立てて歪んだ

来る!

御影は動いていない

しかし...

ドンッ!!!

見えない衝撃波が俺を襲った

零「あがっ!!」

俺は吹き飛ばされた

体は床をバウンドし壁に叩きつけられた

御影「どうしたよさっきの威勢は」

御影「さっきみたいに防いでみろよ!」

俺は立ち上がる

しかし...

使えない

学園長が見てる所であれを乱用したら確実にバレる

俺は無能力者

あれをバレるわけにはいかなかった

ここで、あの剣は使えない

御影「なんだよお前...」

御影「舐めプかよ...」

御影「じゃあもういいわ」

御影「お前もう死ねよ」

そう言って御影は手を振り上げそして振り下ろした

その瞬間

零「がっ!!」

とてつもない圧力が俺の体を襲った

俺は思わず地面に膝をついた

立ちあがろうとしても立ちあがれない

俺は御影を見上げる事しかできなかった

御影はゆっくりとこちらに歩み寄ってきて

俺の目の前に立った

御影「終わりだな」

御影「今度は外さねえ」

御影はそう言って手を振り上げた

零「っ....」

間に合わない

避け切れない

俺は死を感じた

あれを使えば確かにこの状況を打破できる

使うか?

いや....

もしここで助かってもこれからの学園生活がどうなるか分からない

使えない...

その時

御影「死ね」

ゼロ距離でそれは放たれた

しかしその瞬間

零「———」

世界が

白く染め上げられるのだった


第十三話 終了





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