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第十二話 勇者の残滓

静まり返った教室に御影の声だけがただ響いた

さっきまでの熱気が嘘のように教室が凍りついた

御影はゆっくりと教室に足を踏み入れた

その瞬間....

ギシッッ!

っと空間が歪んだ

零「っ.....」

額に冷や汗が滲む

御影「見下ろして随分と偉そうだな」

御影は掌を指揮をするかのように振り上げ

そして振り下げた

次の瞬間

零「っっ!!??」

ガッッシャン!!

っと音を立てて俺の体は地面へと落ちていった

零「いっっつ」

俺はその衝撃になんとか耐え辺りを見渡した

すると...

零「なっ!?」

俺はそんな声にならない声をあげた

なぜならば...

先程高く高く積み上げられていた机と椅子は

何かに押しつぶされたかのようにぺっしゃんこになっていた

俺は尻餅をついた状態で御影に見下ろされるような状況になり

御影は一歩また一歩と歩を進めた

それを見たFクラスの前衛が

前衛「王に近づかせるな!!」

そう言って前衛が総攻撃を仕掛けた

しかしそんは攻撃も虚しく

御影「邪魔だ」

そう言って御影が手を振り翳した瞬間

空間が歪み

前衛「ぐあっ!!」

前衛は吹き飛ばされ、そのまま壁に衝突した

まさに近づくのを許さない結界が張られているかのように誰も近づけなかった

そこからは地獄絵図だった

教室は押し潰された椅子や机がそこらへんに転がり、Fクラスの生徒が教室にバタバタと倒れていた

そいつは指の骨をごきりとならし

御影「後はお前達二人か」

そう言って悠と俺を交互に見た

御影「もう雑魚狩りもしあきたな...」

御影「さて...じゃあ」

御影「キング狩りと行こうじゃないか!」

御影は一瞬にしてこちらとの距離を詰めてきた

いや詰めてきたというより

<無くした>という表現の方が正しいかもしれない

俺が目を開けた時には御影は目の前にいて...

すでに拳を振り上げていた

あぁ...Fクラス...

どうやら歴史は変えられないらしい

俺達はここで敗北して退学

あぁ申し訳ねえなあ

お前達が退学をかけて俺をKINGにしてくれたのに

勝てるビジョンが思い浮かばなかった

いや正確に言えば

<安全に>勝てるビジョンが思いつかなかった

悪いな...Fクラス...

御影「あばよっ!」

勢いよく御影は拳をふりぬいた

しかしその攻撃が俺に当たる事はなく

悠「KINGは取らせないよ」

悠がギリギリの所で俺と御影の間に入ってきた

零「悠!!!」

悠はその攻撃をもろにくらった

あの防御力に長けている悠でさえ一瞬で吹き飛ばされ

壁に激突した

悠「あがっ!」

そんな声をあげ悠は地面にうずくまった

俺は急いで悠の元へと駆け寄り

零「お、お前!何やってんだよ!」

零「この状況見てわかんねーのかよ!?もうFクラスは負けたんだよ!」

零「お前が攻撃を受ける必要なんてなかったんだよ!」

悠「はぁはぁはぁ」

悠は苦しそうに肩で息をし

悠「それは...あまりにも卑怯じゃないか...」

零「卑怯?」

悠「今あそこで倒れてるクラスメイト達はなんのために倒れてるんだよ....」

悠「役割をこなし...君を守ろうとしたからだろ...」

零「!!!」

悠「確かにFクラスは危機的状況....」

悠「俺だって出来る事ならやりたくなかったよ」

悠「ただ....」

悠「あいつらが仕事したのにKINGの側近の俺が仕事しないのはどうかと思ってな...」

悠は俺の手を握り

悠「みんな仕事をしたんだ....」

悠「次は君の番じゃないのかい?」

零「......」

悠「あー痛いな」

悠「これだから戦闘は嫌いなんだ」

悠「俺は少しここで休んでるよ」

悠「君に任せるよ」

悠「残り1分の使い道をね」

悠「頼んだよ...」

悠「KING....」

そうして悠は全身の力を抜きその場で仰向けになり寝転んだ

零「.......」

そうだよな....

俺は何寝ぼけた事言ってんだよ

なんでこの俺が自分の都合のことを考えてんだよ

あんなに民衆のためだけに剣を振るっていたやつが

あぁ...変わっちまったな...

だけど...

俺はもうブレない

学園長にバレるわけにはいかない

ただ....後一分だ

なんとでもなる

俺は御影に向き直った

御影「学園最後の挨拶はすませたか???」

御影「お前なんて一分で倒せるからよ」

御影「俺の寛大な心に免じて攻撃しないでやったんだ」

御影「感謝しろよ」

その男はゲラゲラと下卑た笑みを浮かべた

零「あぁ、無駄話してていいのか?」

零「制限時間はお前が話をしている間にもすぎているんだぞ?」

御影は眉間に皺をよせ

御影「あぁ、そうか」

御影「お前はそんなに早く退学になりたいのか」

御影「お前達誰も手を出すな」

御影はEクラスにそう指示を出した

御影「こいつは俺がやる」

御影はまたもや一瞬で距離を詰めてき

御影「しねっ!」

そう言ってその拳を振り抜いた

俺は御影のその言葉に思わず笑ってしまった

零「あぁ...そうだよな笑」

零「読めたぜお前の能力」

俺はその瞬間

その光輝く剣をこの世に顕現させた

そしてそれを人間には到底見えない速度で振り下ろし、剣を仕舞った

シャキンッ!!

そんな音が教室に響き渡り

御影の拳が俺に当たる事はなかった

御影「あ?」

御影が呆けている間に

ブーーーー!!!

時間切れの合図が鳴るのだった


第十二話 終了





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