第十話 王の覚悟
時間はあっという間にすぎてしまい
僕達は今日、退学をかけた試験だ
試験は順当に行われ
10分後試験という所まできてしまった
他クラスの結果はアニメのような番狂せなど起こらず順当に上のクラスが勝ち上がった
そして最後のクラス...
それがこのEクラスvsFクラスだった
試験会場は校舎で
Fクラスは最上階の一番右端の教室
Eクラスは一階の一番左端の教室だった
僕達はアナウンスに従い
試験会場に足を踏み入れた
その瞬間...
どこからともなく笑い声が聞こえてきた
僕がそちらに視線を向けると...
「おいおい!FクラスのKINGは無能力者だって!?」
「笑っちまうな!!」
EクラスのKINGの男が、こちらを見て笑っていた
僕はその男に見覚えがあり....
零「あっ...」
僕は思わずそんな言葉が漏れ出た
男子生徒「お、その反応最近やってなかったからって忘れてなかったようだな!」
そうこの男は....
僕をいじめていたいじめグループの主犯格だった
名は確か...
御影「御影晃一だ、覚えるか?」
あぁ、そうそう御影とかいう名前だった
御影は笑い出し
御影「あぁ、お前は今名前を覚えたって1時間後には退学が決まってるから意味ないのか!!」
御影「わりいわりい!悪気はねんだ!」
零「......」
僕は数歩前へ歩き出し
零「あぁ、たしかに退学かもな」
僕はその御影と名乗るKINGにフッと笑いかけ
零「Fクラスに負けたEクラス、そんなレッテル貼られたら、6ヶ月間経つ前に自主退学するかもな??」
御影「!!!」
御影「てめぇ!!」
そう言って御影は僕の胸ぐらを掴んできた
しかしその時....
放送「あーあーあー」
そんなノイズ音が流れ
放送「試験以外で相手を傷つけるなんてあっていいわけないだろ」
放送「各クラス指定の持ち場に向かえ」
放送「これより試験が始まる前に暴力を行ったクラスはその時点で敗北とする」
放送「以上」
そんな放送が聞こえ
御影「.....ちっ!」
御影は舌打ちをし胸ぐらを掴んでいた手を離した
御影「てめえらは今日でこの学校から去るんだ」
御影「変な希望なんか抱かずにとっとと覚悟きめとけよ」
御影はそんな捨て台詞を吐き持ち場に向かって行った
僕はその背中を見届け
零「リーダーシップがないKINGだな」
そう呟きFクラスに視線を向けた
零「みんなきっと大丈夫だ」
零「あの作戦が成功すれば絶対に勝てる」
零「いや....」
零「絶対に勝たせてみせる」
零「僕は確かに能力を使えない」
零「ただ.....僕は」
零「いや今は<俺>だな」
零「お前達が退学したくないように俺も退学したくない」
零「だから、死ぬ気で守れ」
零「それで勝てる」
零「お前達、任せたぞ」
僕がFクラスに向けてそう言うと
おおおおおお!!!!
Fクラスの活気に満ち溢れた雄叫びが学校中に響き渡り
僕達は士気を高め、持ち場に向かった
全員が教室に足を踏み入れると...
放送「よし、全員揃ったみたいだな」
放送「これよりEクラス対Fクラスによる入れ替わり試験を行う」
放送「では」
放送「はじめ!」
ブーー!!!
そんなブザー音と共に
僕達の退学をかけた試験が幕を上げるのだった
始まったな……
俺達の作戦は一つだけだ
——時間切れ
シンプルで、そして一番現実的な勝ち筋
EクラスとFクラス
正面からぶつかれば、勝敗なんて考えるまでもない
だからこのクラスは——
俺に賭けた
自分達の退学も、未来も、全部
……重いな
でも、それでいい
俺はゆっくりと目を閉じる
脳裏に浮かぶのは、あの白く輝く剣
あれを使えば、勝てる
タイマンに持ち込めばいい
あいつを——御影を、確実に仕留める
因縁もある
都合はいい
だが——
あの力は、バレるわけにはいかない
使えば確実に目立つ
最悪、学園長に目を付けられる
……いや、もう付けられてるか
それでも。
退学になったらこの学園に来た意味がなくなる....
ここで終わるわけにはいかない
だったら——
バレない範囲で使う
そのやり方も、俺は知っている
ただし……
あれは、最後の一手だ
使えばそれこそ俺は退学かもしれない
——だからこそ、切り札
そう結論づけた瞬間、
悠「準備できたよー」
悠の声で意識が現実に戻る
視線を上げると、すでに陣形は完成していた
机と椅子を積み上げた即席のバリケード
その内側に俺
前衛、中衛、後衛
全員が、それぞれの位置に立っている
俺を守るための配置
零「……」
思わず、息が詰まる
こいつらが本気で俺を信じてる
だったら——
零「絶対に負けられないな」
小さく、されど決意を込めそう言葉を溢すのだった
第十話 終了




