答えは同じよ!
毎回、仲良くしていれば……ねぇ。
皆で夕食を頂いたが、夕食後にルシアが教えてくれた。
……どうやら、今日は無料宿泊施設が満室らしい。
翌日、俺も都市の散策をする事にしたのだが、流石は交易都市で、自国だけじゃなく、他国の物まで揃っているから、見るだけでも楽しい。
……勿論、俺達の風当たりは冷たいままだ。
「……ライカ」
「前も言っただろ。 無駄だから止めておけ」
「でも……」
「ルシア達の気持ちは分かっているから」
「……我慢する」
「でも、ライカ」
「何だ、ソフィア」
「私達にも、我慢の限界は有るからね」
「分かっている」
何とかソフィア達を落ち着かせて散策を再開した。
「……しかし」
この世界が異世界恋愛系ラノベなら、何らかのイベントが起きて俺達の誤解が解ける筈だが、何も起きそうに無いな。
そんな中で、3週間後の今日はジョスランの工房に行き、正式に武具作成の依頼をする日だ。
「待っていたぞ」
「よろしく頼む」
「それで、彼女達は本当にいいのか?」
「ああ」
ソフィア達3人は装備出来ないしな。
「……分かった。 早速、採寸から始めよう」
「序に、これも材料として使ってくれ」
聖銀鉱石を4人分に、今日までの道中で集めていた魔石も色々と出した。
「……大盤振る舞いだね」
「ケチる理由が何処に有る?」
「それもそうだ!」
ジョスランが破顔して同意した。
そして、全員の採寸や、俺達の希望等の聞き取りが終わり、俺達はジョスランの工房を後にした。
……因みに、鬼神としての聴力を悪用して盗み聞きをして、ユリナ達がキャッキャウフフな会話をしていたが、割愛させて貰う。
「楽しみだな」
「そうね」
「はい、ライカ様」
「楽しみなのじゃ!」
既にメインとなる材料は揃っているから、今日からジョスランは武具作成を始めるのだろうが、4人分だから時間が掛かると言っていて、結局1か月後に全員分が完成するらしい。
「……大分静かになったな」
「……そうね」
流石に、散策の度にソフィア達と仲良くしている俺達を見て、周りの人達も誤解が解けたみたいで、かなり陰口が減ったよ。
未だに言っているのは、冒険者達や野郎共だけだ。
そんな連中は、ソフィア達の一睨みで黙るから大した問題にはならない。
そんなある日に、ユリナ達と散策中にチンピラ共に袋叩きにされている野郎が居たから気まぐれで救ける事にした。
ただ、その時、俺やユリナ達は買い食い用の肉串で両手が塞がっていたからソフィア達にお願いした。
そして、救けると「是非、お礼をさせてください」と言われて、後から来た護衛5人と一緒に行った。
……護衛付きだから、貴族かもなぁ。
思った通り、貴族街みたいな所の屋敷に案内されて応接室みたいな部屋で待たされていると、身嗜みを調えた袋叩きにされていた野郎が入って来た。
それと、護衛5人も入って四方に散って待機している。
「待たせたな」
先程までの好青年な雰囲気から、傲慢な貴族らしい言動に変わっていた。
「それで?」
「ほれ、金貨1枚だ。 受け取ったらさっさと消えろ」
テーブルに放られた金貨1枚を無視して立ち上がり言った。
「……出るぞ」
「待て。 お前には用は無いが、そちらの女性達には話が有る」
そう言った野郎の視線の先にはユリナ達やソフィア達が居た。
「私達かしら?」
「そうだ。 どうだろうか? 私に仕えないか?」
「仕える?」
「そうだ。 見た所、冒険者の様だが私なら、そんな危険な事をさせない。
メイドの真似事をして貰うだけで、少なくとも今の倍以上の額を給金として出そう。
どうだ?」
そんな事を言っているが、ユリナ達の答えは……
「お断りよ」
「お断りします」
「お断りなのじゃ!」
「お断りしますわ」
「お断りだよ」
「お断りだね」
「何故だ……そうか! まだ、私の身分を言っていなかったな。
私は、この国アレクサスに属する貴族で、名前は『イナレウス=ゲーツ=ガンウッド』で嫡子だ。
そして、父上の爵位は侯爵を賜っている」
……爵位が侯爵様か。
「どうだ?」
因みに、大抵の国では貴族関係の偽証は死刑だ。
だから、言っている事は本当だろう。
「答えは同じよ!」
ユリナが答えた。
「他の者は?」
他の皆も拒絶の意思を示した。
「そうか……」
目の前の野郎が視線を動かすと、四方に散った護衛5人が動いた。
そして、俺の横に居たユリナを除くソフィア達を拘束して、喉元にナイフを寄せる。
「もう一度聞こう。 私に仕えないか?」
……コイツは、リンとランを見ていないのか?
「……国際奴隷法違反だ」
「何を言っている?」
「獣人族のリンとランの首を見てみろ」
「首……あ!」
「もう良いぞ」
俺が、そう言った瞬間に拘束していた護衛5人は、逆にソフィア達に拘束される。
俺は、応接室の外で待機していたメイドに執事を呼ぶようにお願いした。
5分後に執事が現れた。
「……どういう事ですかな?」
「国際奴隷法違反だ」
俺は、リンとランに視線を向ける。
「なんという事を……」
呼ばれた執事は、一気に顔色が青くなった。
「他に後を継げる者は居るのか?」
「……居ります」
「爵位と家を存続させたいのなら、対処は分かっているよな?」
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