……勝利だ!
スカウターは、賛否両論あるのだろうけど、楽です。
「があああーーー!」
バンパイアキングが、平バンパイアの肩に右手を置くと、左手は頭に置き、一気に平バンパイアの首を引き千切った。
そして、バンパイアキングは平バンパイアの生き血を飲み始めた。
「……ああ、アレか」
どうやら、あの魔法陣でバンパイアキングには成れたみたいだが、何かの必要な欠片が不足していたか、無理が有ったのだろうが、その結果、知性や理性を喪った訳だ。
……と、思っていた。
「……ふう」
俺の勘が囁く。
アレは、別物だと。
「お前は誰だ?」
「この身体が言っていたであろう」
「つまり、お前がバンパイアキングか」
「そうだ。 我こそが、バンパイアキングだ!」
……そういう事か!
「最後の欠片は、同族の血か!」
「その通りだ! あの憎き女神の所為で封印されていたが、こうやって復活する事が出来た。
この身体にも感謝しないといけないな。
我の復活に、貢献したのだからな」
強くなったが、問題無いな。
最初が80で、それが120になり、更に600になっても、53万の前では雑魚でしかない。
「来いよ。 その無駄に高くなった鼻をへし折ってやるから」
「……ふ、笑止!」
バンパイアキングからの、先制の闇槍を突っ込みながら右手であっさり弾くと、そのまま1回転して、その遠心力込みの右拳をバンパイアキングの腹に打ち込む。
「がはっ! ば、バカな!?」
「俺は、自分の実力を1割も出していない」
「ふ、ふざけるな!」
「事実だ」
この後、一方的なワンサイドな俺からの攻撃を繰り返している中、良いのが入ってバンパイアキングはふっ飛んだ。
狙った訳じゃないが、ふっ飛んだ先が、まだ死骸が残っていた最後の平バンパイアの所だった。
そして、近くに転がっていた頭を乱暴に掴むと胸の所に置き、バンパイアキングは魔力を流し始めた。
すると、平バンパイアの身体が赤黒い光を出して、光で見えなくなると、平バンパイアの身体が縮んでいき、一振りの禍々しい長剣となった。
「それが、封印されていた理由か」
「そうだ! 我が、道具を道具として作り直して、何が悪いのだ!」
「……」
俺は、胸糞な台詞に無言で返しながら「倉庫」から、向こうの鍛冶神ギラムに打って貰った業物を取り出して左腰に差す。
因みに、この異世界産の刀は、刃に不壊魔鉱石を使い、その周りを聖白金鉱石と聖銀鉱石の合金にしてある。
勿論、鞘も同じ合金を使ってある。
最後に蛇足だが、向こうで手に入れた鉱石系は全てサナ様に返却している。
まあ、一方的な流出はダメなのだろうな。
「さあ! 再開しようか」
「先程とは違うぞ、下等生物よ」
確かに違うが、数字が1千ぐらいになっても焼け石に水だぞ。
俺は、ユリナ達に分かる様に「殺陣」みたいな立ち廻りをした。
「……ば、バカな!?」
……飽きた。
もしかしたら、この上に「魔獣形態」とかが有るかもしれないが、終わらせよう……と思っていたら、手に持つ剣がバンパイアキングの身体の一部となり、その「魔獣形態」になった。
「GuRaAAAーーー!」
一応、数字的には2千や3千以上になったかもしれないが、53万の前では無力だ。
「……終わらすか」
「GuAAAーーー!」
俺は、第10位階の雷属性魔法を放つ。
「烈光魔轟黒雷覇!」
「……Ga……」
横幅10m程の漆黒の大落雷がバンパイアキングに放たれた。
そして、バンパイアキングは、魂ごと滅び灰となり散った。
「……勝利だ!」
アリシアの結界が解かれ、ユリナを先頭にして皆が俺に向かっていた。
「ライカ!」
「勝ったぞ、ユリナ」
「ライカ様!」
「我が主!」
「「「ライカ!」」」
少しの間、ユリナ達の気持ちを受け止める。
その後は、洞窟内を調べ囚われた人達が居ないか、金銀財宝や魔道具等が無いかを調べたが、何も無かった。
そして、洞窟内を俺の土魔法で埋めた。
流石に、あの洞窟内のドーム状の空間を潰したら、地形が変わってしまうから埋める事にした。
「戻ろうか」
「うん!」
「分かりました!」
「のじゃ!」
「ええ」
「凱旋だね」
「分かったよ」
道中は、魔王覇気ならぬ鬼神覇気を撒き散らしながら移動したから、モンスターが俺達を襲って来る事は無かった。
都市に到着した俺達が、宿屋に向かって歩いていると衛兵が駆け寄った。
「星屑のパーティだな?」
「そうだが」
「5日以内に領主館に来る様に」
「……分かった」
「確かに、伝えたぞ」
衛兵は、そう言うと去っていった。
「まだ、明日とか言わないだけ良かったな」
「そうね」
「とりあえず、寝よう」
「賛成~」
俺達が領主館を訪れたのは3日後だ。
それと、あの時にユリナ達に渡した武具は切り札として、各々のマジックポーチに仕舞っていて、今は、今まで使っていた武具を装備している。
「待っていたぞ!」
俺達は、多分だが迎賓用の部屋に通されて、先ずはお礼を言われて、形式的に言われた「我が傘下に入らないか?」を丁重にお断りして、2日後の論功行賞の式に出席する事をお願いされて了承した。
「それは良かった。 それまでは、この領主館で過ごして欲しい」
「分かった」
結局は、領主館でお世話になる事になった。
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途中、出た数字は適当です。
比較の為で、特に意味はございません。(笑)




