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……終わらせる

やっと、自力で……

 


「到着してから話す」

「……分かったわ」


 道中に、ゴブリンとかフォレストウルフが俺達を襲って来たが、アリシアが全て片付けた。

 後、解体が面倒臭いからゴブリンは焼却してフォレストウルフは丸ごと「倉庫」に仕舞う。


 約2時間後に……


「……此処か」

「そうだよ。 この大岩が、童話に出る神様が封印された大岩だよ」


 大岩そのものには手を加えていないが、その周りは綺麗にされていた。


「ちょっと罪悪感が……」

「どういう意味なの?」

「場合に因っては、この大岩を破壊するからな」

「……破壊?」

「ああ」

「ライカ、話して」

「分かった」


 ……と、言っても正直に真実を話さずに、創造神サナアドラ様から神託を受けて、この大岩に封印されている神の討伐をしに来たとアリシアに言った。


「……本当に封印されていたんだ」

「そうだ」


 さて、アリシアの返答は?


「別に良いよ」

「本当に良いのか?」

「うん。 清掃等はしているけど、年間通して行事には一切出番は無いし、童話になる程に風化しているから」

「……そうか」

「それに、聖女クジョウ様が我慢出来ない程のイタズラをする神様だよ?

 そんな神様が自由になったら大変だよ」

「……そうだな。 アリシア、見学は許すが参戦は無しだ」

「えー」

「えーじゃない! 自身に最硬の防御結界を張っとけよ」

「……は~い」

「もっと離れろ」

「……」

「もっと」

「もう、いいじゃない!」

「もっとだ!」

「……分かったわよ」


 本当に分かったみたいで、俺が納得する距離まで離れた。

 更に、第10位階の防御結界を、アリシアが張った結界の外側に神霊力を使って張る。


「絶神結界陣(アブソリュートアンチサークル)」

「……凄い結界!」

「大人しくしていろよ」

「……はい」


 アリシアは、情報としては知っていたが、魔境に単独で入り、魔境のモンスターを狩る者の実力を実感していなかったみたいだな。


 大人しくなったアリシアを見て、俺は大岩に意識を向けると、確かに神が封印されているのが分かった。


 俺は神霊力で放つ。


「封印解放(オプス・シール)」


 俺が大岩の封印を解いた瞬間、蒼天から曇天に。


 そして、雷鳴が轟いた。


「……やっと解放されたぜ」

「お前が神か?」

「そうだ。 貴様は?」

「ただの冒険者だ」

「貴様が? それなら何故、貴様から創造神サナアドラ様の神霊力を感じるのだ!」


 向こうの質問を無視して、サナ様からお願いされた言付けを宣告する。


「地上にイタズラばかりして、数百年も仕事をサボる者はクビだそうだ」


 そうなんだよな。

 この初代聖女クジョウが張った封印は、神なら容易く解除する事が出来る。

 それなのに、この神は数百年も仕事をサボっていた訳だ。


「別にいいだろう、僅か数百年ぐらい」

「年数は関係無く、サボった事自体が理由だそうだ。

 そして、多次元から派遣された神が代行者として、働いていたが正式に100年前に就任したらしい。

 だから、お前はクビだとよ」

「巫山戯るな!」

「事実だ。 だから、俺に喰われろ」

「……もういい。 先ずは貴様ら2人を始末したら、辺り一帯を焦土と化してやる」


 神の、この言葉が戦いの合図となった。

 そして、様子見の小競り合いの中で出た隙を突き、第10位階魔法を放つ。


「烈光魔轟黒雷覇(テスラ・ブラックノヴァ)!」

「……ぐっ」


 ……効いた!


 それなら……


「紅蓮不死鳥(クリムゾンフェニックス)!」

「……がぁ」

「凍結暴氷嵐(ダウンバースト)!」

「……ぐぅ」

「灼熱閻魔槍(エグフレアランス)!」

「……ぎぃ」

「竜滅閃光覇(ドラゴンノヴァ)!」

「……ごっ」


 ……どうだ?


「……中々、やるな」


 やはり、魔法に対して耐性が強いな。

 それなら……


「……ぐはっ!」


 俺は近接戦闘に変えた。


「……ぎっ……があ……げふっ……ぐぅ……」

「……ふ、巫山戯るな!」


 相手も攻勢に出たが、俺には通じず、カウンターを入れる。


「……がはっ!」


 同じ土俵で戦う以上は、より技術が上回る方が勝つのは当然だ。


「……ぐぅ」


 ヒットした攻撃には全て神霊力を入れて放ち、10分以上ワンサイドでダメージを与え続けて、相手は立っているのがやっとの様に見えた。


「……終わらせる」


 そう言いながら、少し距離を取りながら、俺は「倉庫」から最も良い刀を取り出して、居合の構えで神霊力を注ぎ続けて、刀の限界まで貯めると、最後の一撃を放つ。


「……瞬閃」

「……」


 る○剣の瞬天殺の要領で、居合の構えから抜刀して神の首を斬った。


 そして、封印されていた神は白い煙となり、俺の身体の中へと吸い込まれていった。


 ……俺は残心を解く。


「……呆気(あっけ)ないな」

『それだけ、ライカが強いという事です』 


 創造神であるサナ様から、返事が送られた。


「アリシア、終わったよ」


 俺は、そう言いながら結界を解く。


「……」

「アリシア?」

「……凄いね」

「まあ、そうだな」


 アリシアは周りを見ながら言った。

 俺達が居る場所は、整地された綺麗な森から、直径20mを超えるクレーターが多数な上に、土の色を晒(さら)け出した荒野と化していた。

 勿論、封印の大岩も破壊され、ちょっと大きい石となり、辺りに散らばっている。


「戻ろうか」

「そうだね」


 聖王都クジョウに戻り、俺はクジョウ家に泊まる事になった。


 ……その夜、俺は与えられた部屋で瞑想みたいな状態になっている。


「……感じるな」


 封印されていたとはいえ、正真正銘の神を吸収した事で、全ての神が共通する基礎的な「力」を、俺も使える様になった。


 それは、神を認知する「力」だ。

 まだ、方角が判る程度だが、何も分からないよりかは遥かにマシだ。


「……北か」




厳しくも温かいメッセージを待っています!

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