……救かったー!
名前を考えるのが大変です。
遅くなり申し訳ありません!
奴に迫りながら、俺は「倉庫」から刀を取り出して腰の右側のベルトに帯刀すると、居合の構えを取る。
「Fushaーーー!」
向こうも俺の構えに警戒したのか、襲い掛からず吠えるだけだった。
「覚悟はいいか?」
「……」
俺は精神を集中して、息を吐き、吸うと……影が消える程の疾さで跳躍をする。
「……破!」
チン!
「まだだ!」
普段なら、これで終わりだが……
「……疾!」
俺は再び跳躍すると、唐竹切りで神像が視えた場所を斬ると、中から神像が出たから手に取る。
そして、俺が着地すると奴の頭がズレて落ちると、胴体も合わせて倒れた。
「ライカー!」
ユリナ達が、俺の所に駆けて来た。
「……無事で良かった」
「当たり前だろ」
「それでも心配なのよ!」
「……ありがとう、ユリナ」
「流石はライカね」
「まあな、ソフィア」
「ライカ、格好良かったよ」
「そうだろ、ルシア」
「ライカ、ユリナ達を守ったわ」
「ありがとう、アリシア」
ユリナ達と言葉を交わし終わると、奴の頭と胴体は縮んでいった。
そして、大きさが変わらなくなると、俺は奴を「倉庫」に仕舞った…入らない?
俺は、神の眼で視ると奴の腹に生命反応が2つあった。
その場所を斬ると、中から少女が2人出てきた。
とりあえず、洗浄を掛けて、完全治癒と全異常状態解除を掛けた。
その後、奴を「倉庫」に仕舞う事が出来た。
「最終的には100mぐらいまでになったな」
「……そうね」
「洗浄」
俺は神像に洗浄を掛けると、何故か神像に無数のヒビ割れが走り砕けた。
「……救かったー!」
砕けた神像から、身長17cmぐらいの女性……
いや、少女が現れた。
外見は、東南アジア系の民族衣装風の服を着た白肌の碧眼で金髪のショートヘアの少女だ。
「貴方が救けてくれたんだね。
お礼に私の加護を与えてあげる……って神!?」
「落ち着け」
「……は、はい!」
ん?
何か、顔色が青くなっているし、返事が固くなってないか?
「とりあえず、名前と立場と権能を教えてくれ」
「は、はい! 私の名前はアルノディース。
立場は花の女神の1柱で、権能は花に関する全てです!
あ、貴方は?」
……ちょっと賭けてみるか。
俺は、ユリナ達から少し離れて伝えた。
「俺は冒険者だ。 それで通している。
分かったな?」
「は、はい!」
賭けに勝った。
これで、ユリナ達に無用な心配を掛けずに済む。
そして、この女神アルノディースだけかもしれないが、俺は神に恐怖を与える存在みたいだ。
まあ、その辺りは、他の神々と接すれば判る事だしな。
それよりも……
「それで、何故、神像に?」
因みに、神像の外見は聖母マリア像と弥勒菩薩像を足したみたいな感じだ。
「此処とは違う場所で、暇潰しに神像の殻を纏って自然を眺めていたの。
そんな中で、半月に一回だけど私の所に来る娘が2人……! あ、あの娘は……」
「心配するな。 既に救け出して回復魔法を掛けてある。
今は気絶しているだけだ」
「……良かった」
「それで?」
「あ、はい。 その娘達が……」
その後は、テンプレ的なイベントが発生した訳だ。
毎月2回訪れる娘2人は、神像だけの状態から社的なものを建てて雨に濡れない様にしたり、日本のお墓廻りみたいに神像を清掃したりしていたらしい。
そんな日々の中、何時もの様に神像を清掃していると、いきなり奴ことダークネスレッドアイズスネークが現れて娘2人と神像を丸呑みした。
アルノディースは慌てて自身と娘2人に防御結界を張って、奴の匂いが消えた事で殻である神像を破って今に至る……って訳だ。
「ユリナ達に説明するがいいか?」
「はい」
俺はユリナ達の所に戻り、辻褄を合わせた説明をする。
「分かったわ。 それでどうするの?」
勿論、娘2人の事だ。
「暮らしていた村に送ろうと思っている」
「うん。 ライカなら、そう言うと思った!」
ソフィア達も賛成みたいで、笑顔で頷いていた。
因みに、アルノディースは神である為に、同行しようが、この場から離れようがユリナ達にはどうする事も出来ないから意見を求めていない。
「それでは、この娘達をお願いします」
そう言ってアルノディースは虚空へと消えた。
……まあ、ユリナ達やソフィア達は感知出来ないだろうけど、アルノディースはちょっと上空から娘2人を見守っていたりする。
その数分後に、娘2人が目を覚ました。
「「……あれ?」」
「目を覚ましたか」
「……あの、此処は何処で、貴方達は誰ですか?」
俺とユリナで説明した。
「「……分かりました。 お願いします」」
ユリナも説明に加わった事で、娘2人は信用したみたいで、説明の中で提案した暮らしていた村に送る事を承知した。
「「改めてお礼を。 私達を救けて頂いてありがとうございます」」
『ちょっと来てくれ』
「……!?」
「どうしました?」
「……いや。 ユリナ」
「ライカ、どうしたの?」
「ちょっと気になる事があるから、少し待っててくれないか?」
「分かったわ」
「そういう訳だから、軽く食事でもしながら待っててくれ」
「「分かりました」」
「ユリナ達、行ってくる」
「ライカ、行ってらっしゃい」
俺はユリナに心配させない為に、ユリナの感知範囲内はゆっくり移動したが、範囲内から外れた瞬間から鬼神としての速度で移動を開始した。
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