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素直じゃないわね?

済みません。

間に合わなかったです。

 


「そして、そんな大義名分を掲げる中、聖女マリと仲良くしていると」

「そ、それは!」


 ちょっと茶化してみたら、見事にアルフォンス様は取り乱したな。


「個人間の事を、とやかく言う気は無いよ」

「……」

「将来的に善き隣人になるのか、婚姻するのかは分からないが……」

「続きを」


 先程とは違い、真剣な目で言った事から、ちょっとした確認をした。


「分からないが、聖女としての能力は?」

「……まだ発展途上だが、素晴らしい!」

「そうなのか?」

「ああ。 最初に祈りを込めた若木は、今では大木になり、未だに枯れていない」


 それは凄いが、決断するにはまだ早いな。


「……他は?」

「聖女マリとしての祈りに因って、味方の力は上昇して、敵の力は減少した」

「敵とは?」

「モンスターだ」


 喚ばれた聖女としての能力は備わっているな。


「他には?」

「特に治癒の力が素晴らしい! 最近では四肢欠損すら再生復元させる」

「……確かに『聖女』と呼ぶに相応しいな」

「そうだろう!」


 異世界バトル系ではなく、異世界恋愛系の聖女だと言えるな。

 それでは……


「本題だが、異世界から召喚されたのはマリだけではないだろう?」

「……」

「沈黙は肯定と同じだぞ」

「……」


 彼は溜め息を吐くと言った。


「どうして分かった?」

「もしかして……と思ってな」

「正解だよ。 召喚自体は成功したけど、現れたのは2人だった」


 その後も話が続き、内容はそのまんまの異世界恋愛系ラノベだった。


 最初は、もう1人の方が「聖女」扱いを受けて持てはやして弟のアズベルドが後ろ盾になる事が決まった。

 もう1人の名前は「レイカ=ミズチ」で、茶髪のセミロングでスタイルはグラビアアイドル並みらしい。


 因みに、マリは黒髪の腰までのストレートロングでスタイルは標準ぐらいだ。


 そして、テンプレなマウントを取る「レイカ=ミズチ」と、当時は微々たる力しかない「マリ=アサミヤ」という構図で、結果として聖女認定合戦が都合3回行われた。

 1回目はマリの大惨敗で、次の2回目は互角で、3回目はマリの圧勝となった。

 その過程で、聖女としての力はむしろ「レイカ=ミズチ」の方が低い事が判明した。


 まあ、この聖女認定合戦でマリは「聖女」として認められた訳だ。

 更に、この一連の出来事で面子を潰されたのがアズベルドだ。

 兄弟仲が悪かったのだが、この件で決定的な亀裂が出来た。

 そして、今回の聖女マリへの強襲だ。

 異世界召喚は、そう何度も出来る事じゃないから、もしも、聖女マリが亡き者になれば、聖女は「レイカ=ミズチ」だけになる。

 動機としては、そんな所だろうとアルフォンス様は言った。


「……なる程な。 それで公私両方の理由から同行しているのか」

「……そうだ」

「今後の予定は?」

「明日は治療院を廻り、四肢欠損か同等の重傷者の治癒を行う。

 明後日は休日で、その翌日は王都へ向かって出発する予定だ」

「アルフォンス様」


 空気だった領主らしき男が口を開いた。


「どうした?」

「この者達に王都までの護衛を依頼されては?」

「それは良い提案だ! どうだろうか?」

「……冒険者ギルドを通してくれ」

「分かった!」


 ユリナ達に相談無しで受ける形になったが、許してくれるだろう。


 この後、軽い雑談をしていると、肌が艶々のユリナ達と処刑台に向かって歩く死刑囚みたいな顔をしているマリが部屋に入って来た。


「あー楽しかった!」

「……うぅ」


 どうやら、根掘り葉掘り聞き出されたみたいだな。


「ユリナ達、悪いな」

「良いよ」

「異存ありません、ライカ様」

「のじゃ!」

「構わないわ」

「大丈夫だよ」

「私もだ」


 そして、翌日はマリは聖女として治療院を廻りをして、俺達は冒険者ギルドでアルフォンス様からの指名依頼を受けた後、散策した。


 ……まあ、治療院の周辺をな。


「素直じゃないわね?」

「そうよね」

「何か言ったか?」

「「いいえ」」


 難聴主人公の真似をして誤魔化したが、ユリナ達にはバレているみたいだ。


 流石に街の中の為に強襲も無く、危惧していた暗殺も無かった。


 その翌日も休日という事で、マリとアルフォンス様は変装して街に繰り出したが、何故か周りにバレる事もなく終了した。


 そして翌日は王都への出発日で、特に問題無く聖女様御一行と俺達はタヴァサルを後にした。


「改めて凄いわ!」

「本当にそうだな」

「まあな」


 本来なら街等から1時間ぐらい離れるとゴブリン等から襲われるのだが、未だに無い。


「バリオスのお陰だ」


 俺達の馬車にはマリとアルフォンス様が居るのだが、これはいきなり馬車への魔法攻撃からの急襲に対しての配慮だ。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

そして、星の加点とブックマークをお願いします。


街の人達は察していましたから、バレなかったのです。

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