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別室で、沢山お話しましょうね

……もう暑いよ。

 


 とりあえず……


「助けは要るか?」

「頼む」

「加勢するぞ」

「うん!」


 ある意味、パーティの意思決定権を持つユリナが頷いた事で、俺達は聖女側に加勢した。

 因みに相手は暗殺者みたいな黒装束だが、長剣を使っている。


「は!」

「が……」


 俺が、最初に攻撃して殺さずに気絶させた所を見たユリナ達も、同じ様に殺さず気絶させていった。


 まあ、元支配者側だったソフィアは薄々だが気付いていたみたいで、俺が気絶を選ぶとソフィアは女教師みたいな顔で頷いていた。


 ……1分も掛からずに制圧が完了した。


 アリシアが、聖女の護衛騎士達の負傷を治療をしている間に、俺達は襲撃者から武器等を剥ぎ取りをして拘束していった。

 それと、顔を布で隠していたから、取って素性を確認出来る様にしてある。


 そして……


「危ない所を救けて頂いてありがとうございます」


 聖女様の登場だ。


「異世界から召喚された『マリ=アサミヤ』です」

「冒険者パーティ『星屑スターダスト』のリーダーのライカだ。

 後ろの彼女達はパーティメンバーだ」


 この後、ユリナ達の自己紹介を終わらすと、聖女マリも含めて襲撃者共の尋問する事になった。

 どうやら、日本から召喚されて今日までに覚悟を決める事が出来たみたいだ。


「お前! アズベルド様の!」

「……」


 いきなり、黒幕が判明した。

 俺としては、女性が見ていても大丈夫な拷問を考えていたのだが……ソフィアに視線を送るとソフィアは頷き、聖女マリを言葉巧みに馬車の方へ連れて行き、この場から離してくれた。


「さて、知己の様だが洗い浚い吐いて貰おうか」


 良くも悪くも、知り合いだからで終わらす訳にはいかないからな。

 日本人で聖女のマリが居なくなった今、まともな拷問付きの尋問が出来る。


 ……約1時間後に尋問は終わった。


 先ずは黒幕だが、襲撃者共の認識では王弟殿下の第二子のアズベルドだ……と、見せ掛けた真の黒幕が存在するとかあるが、それだと候補がキリが無いから保留にする。

 とりあえず黒幕は第二子のアズベルドにして、動機は兄アルフォンスの邪魔だ。

 そして、襲撃者共には「邪魔だから殺せ」としか聞いていない。


 ……まあ、実行者つかいすてに与えられる情報なんてこんなもんだろうな。


 襲撃者共を、街道から奥に運んで処理を済ますと、聖女様御一行と俺達は一緒にタヴァサルへと向かった。


「聖女マリ様。 貴女の故郷はどんな所ですか?」


 聖女マリの馬車に同乗しているユリナが、そんな質問をした。 


「……そうですね。 この世界の方々に分かる言い方だと、魔道具に溢れた世界です」

「……魔道具ですか?」

「はい。 この世界みたいにモンスターが居ませんから、文明の発展に力を注ぐ事が出来たからです」

「そうなのですか」

「ええ。 それと私の国は、特に物語に溢れていましたから、そんな世界に召喚されて心が躍りました」


 そう言っているが、その表情は暗い。

 まあ、当然か。 

 外見年齢から、多分JKぐらいだろうから、憧れの世界だろうとも、その代償は大きく重い。

 家族や友人に、将来の夢、その全てを失ったのだからな。


「……ごめんなさい」

「大丈夫です。 私、前を向いて歩こうと決意しましたから」


 そう言っているが、その頬と耳は若干赤い。

 気付いたソフィアが言った。


「貴女を支えてくれる誰かが居るのね」

「……そ! そんな人は居ません!」

「そうかしら?」

「うう……」


 神々が味方したのか、此処で御者から到着の声が馬車内に響いた。


「分かりました」


 そして、俺達も領主館に同行する事になった。


「よくぞ、マリを救けてくれた」

「……アル」


 ……ん?


 何か、領主らしい男性よりも前に出て感謝を述べる、この従者は誰だ?

 しかも、聖女を呼び捨てだ。


 ……!

 まさかなぁ……


 仮にも王族の血に連なる者が……いや、聖女の力は万能系なら有り得るな。


「アルフォンス様」

「何だ?」

「アル!」

「あ!」

「冒険者は口は堅い」

「……ありがとう」

「さて」

「……え!?」

「別室で、沢山お話しましょうね」

「……ア」


 俺は指を鳴らすと、ユリナ達女性陣はマリを拉致して退室した。 

 これからする暗くて血生臭い話を聞かせる訳にはいかないからな。

 そんな訳で、ユリナ達とマリを部屋から出て貰った。

 そして、別室では召喚から今日までのアルフォンスとのアレコレを根掘り葉掘り聞き出すだろう。


「さて、今回の件だが……」


 俺は、今回の件で知った情報を全て話した。


「……やはり、アズが黒幕だったか」

「まだ確定していない」

「そうですよ、アルフォンス様」

「しかし……」

「そんな事よりも、今後をどうするかだ」

「そ、そうだな」

「そもそも、何故、異世界召喚を?」

「それは……」

「アルフォンス様!」

「大丈夫だ。 彼は信用出来る」

「……分かりました」

「実は……」


 話の内容だが、どうやら魔王では無いが、魔王と同格に近いモンスターが封印されているが一年以内に復活すると、お抱えの占星術士が言ったらしい。

 その結果、充分に討論した上で「異世界召喚」で聖女を召喚した……との事だ。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

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