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貴様、何者だ?

繰り上がりの補欠入学並みの、ギリギリの神です。

 


 黒幕の存在を確信した俺は、スタンピードの後方に居るタイガー系やレオン系に、サイクロプスや地竜に、赤銅竜ブラウンドラゴンをそれぞれを1匹だけ残して全て討伐した。


「後は、囲う土壁を……」


 俺は、それぞれに土壁で囲った。

 それと、土壁の強度を調整したから、モンスターが時間差で土壁を破壊する事になるが、冒険者側も冷静に対応すれば全滅は免れるだろう。


 俺は、土壁の強度を確認すると、神霊力を使って探知を始めた。

 神霊力を使えば、隠れている神すら見付ける事が出来るからだ。


「……見付けた!」


 俺は、今回の黒幕かと思われる存在を探知すると、一直線に向かった。


「貴様は何者だ!」


 神としての力は切り札だから隠したが、人としての魔力は隠していなかったから、向こうは待ち構えていた。


「ただの冒険者だ」

「巫山戯るな! ただの冒険者如きが、私の所に到達する訳が無い!」


 鬼神としての俺の神霊力で探知したから判るが、この黒幕は「神」だ。

 向こうでは、言わば許可を得たから独断で動く事が出来たが、この世界での言わば「管理者かみたち」から、特にユーリ姉ちゃんから何も聞いていない。


 本当に駄目だったら、何か言ってくるだろう。


「幾つか質問がある」

「この後、この世界から去る貴様へのなさけだ。

 答えてやろう」

「何故、この様なスタンピードを起こした?」

「低俗無能な人族を滅ぼす為だ」

「人族は、この世界にとって無用か?」

「その通りだ。 ……いや、有害だ!」


 ……俺の意思は決まった!


 良くも悪くも、歴史に変革を起こせるのは「人族」だけだ。

 それを消してしまえば、ただモンスターが棲むだけの変化の無い自然だけの世界になってしまう。

 だからこそ、神々は人族がどんな愚行を繰り返そうとも静観している。


 ……まあ、偶に俺みたいなイレギュラーを発生させているけどな。


 そんな訳で、俺は目の前の黒幕である「神」……いや、愚神を討伐する事にした。


(いいよな? 転生を司る女神ユリディア!)


『許可します』


 聞いた事が無い声だが、多分……この世界の創造神「ガラティアラ」様だろう。

 この世界に伝わっている神々の中で女神は意外と少ない。

 その少ない女神の中で、転生を司る女神ユリディアより高位の女神は、創造神ガラティアラだけだ。


 女神ユリディアに答えを求めて、下位の女神が許可を出すという事をする訳がないからな。


「さて、この世界の最高責任者から許可を得たからろうか」

「……何を言っている?」

「気にする必要は無いぞ。 お前は消えるのだから」

「……有害な人族如きが!」


 この言葉が開始の合図となり、黒幕の愚神と俺との戦闘が始まった。


 ……最初の数秒で確信したが、この愚神は戦闘系や軍師系の神では無い。


「貴様、何者だ?」


 それでも神は神だ。

 その神相手に、未だに生きて戦えている俺相手に愚神は一旦距離を取り、聞いてきた。


「冒険者だ」

「……そうか。 瀕死の重傷になれば、口も軽くなるのか?」

「お前では出来ないかもしれない」

「……ゴミが!」


 相手が神である以上は、その戦闘力はSランク冒険者を軽く凌駕する。

 だから、俺は武器を仕舞い、徒手空拳で戦う。


 ……ガッ! ゴゥ! ギィ! ドゴッ! 


 再び戦闘が始まったが、愚神はギアを上げて来たが、俺は軽く合わせた。


「……な!? バカな!」

「どうした?」

「そ、そんなバカな!? 私は本気を出しているのだぞ!」

「アレで本気だったのか? 5才の女の子のおままごとに感じたぞ」


 ある程度の時間が経過して、ユリナ達が心配になってきた俺は、煽って冷静さを失わせ終わらせる事にした。


「……き、貴様ー!」

「そろそろ、終わりにしよう」


 俺は、神霊力を右手に纏わせる。


「……それは神霊力!?」

「死ね」

「きさ……」


 俺は、一瞬で愚神との間合いを詰め、右手の手刀で首を斬る。


 ……愚神は灰となり、俺に吸収された。


(何故、黙っていたんだ? ユリディア様)

『その質問は、私が答えます』


 そう返事が返った瞬間、世界は時を止めた。


『初めまして。 私は、この世界の創造神ガラティアラです』


 俺は、敬意から膝を突き頭を下げて言った。


「初めまして、創造神ガラティアラ様。

 転生神ユリディア様と御縁のある異世界にて鬼神となったライカです」

『楽にしなさい』

「畏まりました」

『言葉使いも、普段と同じにしなさい』

「分かり……分かった」


 俺は、創造神ガラティアラ様の命令に従い、立ち上がり普段と同じ様にする。


『さて、質問の答えですが、私自身が貴方を視る為でした』

「それで、俺は合格か?」

『ええ、合格です』

「それは良かった」

『今後は、ユリディアに任せますから、彼女に判断を仰ぎなさい』

「分かった」


 創造神ガラティアラ様が昇天した。


 ……再び、世界の時が動いた。


(ユーリ姉ちゃん)

『ごめんね』

(流石に、創造神様には頭が上がらないか)

『……うん』

(次回からは頼むよ)

『任せて!』


 ……後は、周りの荒野を治さないとな。


 俺は、両手を地面に当て神霊力を流す。

 すると、周りのクレーター付きの荒野が、草原へと変わった。


「鬼神だけど、これくらいなら出来るからな」


 流石に、鬼神となった俺でも、樹木を生えさせる事は出来ないんだよなぁ。


「……ユリナ」


 俺は、ユリナ達の下へと向かった。




厳しくも温かいメッセージを待っています!

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