……じゃあ、行ってくる
また、やっちまた。
……普通の創作物なら、周りの冒険者達が俺達のパーティを見て、軽口を叩くシーンなのだが、やはり実際の現実だと、そんな余裕は無いみたいで静かだ。
「乱戦に突入したら、適当な頃合いをみて魔法を放つからな」
「分かったわ」
「分かりました」
「分かったのじゃ!」
「ええ」
「ライカ、派手なのをお願いね」
「皆を守る結界を張っておくから安心して」
そして、遥か前方からスタンピードの先頭が小さな影として見えると、後方の都市から戦闘開始の鐘が鳴り響いた。
「「「「「「「「「「「「「おぉおおー!!!」」」」」」」」」」」」」
静かにしていた周りの冒険者達も、戦闘開始の鐘が鳴り響いた瞬間に、雄叫びを上げた。
そして、スタンピードの先頭が、とあるポイントを通過した時、一斉に土属性の魔法を使える冒険者達が地に手を着けて魔法を放つ。
その直後に、とあるポイントの土がヒビ割れ崩壊して5か所、巨大落とし穴が現れた。
勿論、ただの落とし穴だけではなく、剣山の様に先を尖らせた木槍を敷き詰めて、更に獣油を流し、深さ50cm以上に満たした。
「今だー! 放てー!」
このギルド職員の大声に従い、火属性魔法と火矢が放たれて、落とし穴に向かった。
……ゴゥ!
一斉に5か所から火柱が発生した。
「次を放てー!」
再びギルド職員の大声に従い、風属性魔法が放たれると、火柱は更に燃え上がり、火災旋風が発生した。
スタンピードは行進中は止まらない事を利用した「スタンピードほいほい」だ。
そして、この火災旋風は、俺達が居る左側だけじゃなく、中央や右側でも発生している。
生きるか死ぬかの瀬戸際に、なりふり構っていられないからこそ、通った提案だ。
……参考にした元ネタ?
龍○伝の、あのオッサンが死亡した「アレ」だ。
それと、神霊力を使って周りにバレない様に全ての火災旋風を維持していたりする。
まあ、蛇足的な追加で言うと、落とし穴を作る時に出た大量の土砂は、俺達の後方の魔法部隊や弓矢部隊が立っている高台の材料にした。
この火災旋風は一晩中続き、夜明けと共に消えた。
「ゴブリン共やウルフ共は、ほぼ燃え尽きた!
後に続くオーク共やオーガ共が進行している!
本番はこれからだ!」
「「「「「「「「「「「「「おぉおおー!!!」」」」」」」」」」」」」
最初はオーク共が巨大落とし穴に落ちていったが、死骸で埋まると、その上を後続のオーク共が進行してきた。
……遂に、冒険者達とスタンピードのモンスター共の乱戦が始まった。
「お互いに支え合える距離を維持して対処しろ!」
「大丈夫よ、ライカ!」
「ライカ様、お任せください」
「のじゃ!」
「任せて、ライカ」
「大丈夫だよ!」
「結界は張ったわ」
アリシアには、一時的な避難先としての結界を張って貰い、そこには回復術士達が控えている。
「……じゃあ、行ってくる」
「お願いね、ライカ」
「ああ」
ユリナ達が、乱戦の空気に呑まれる事なく対処しているのを見て、俺は予定通り単独でスタンピードの中心に向かう事にした。
どうやら、火災旋風で一晩中燃やし続けたが、それでも全体の3割程度しか削れていない事が分かった。
そこで、予定通り俺だけでスタンピードの中心に向かい、その総数をガンガン削る事にしたのだ。
「……なんか。 悲壮感は無いが、あの時のア○スみたいだな」
そんな事を言いながら、俺は無双ゲームのキャラの如くモンスターを次々に倒していった。
「この辺りでいいかな……氷嵐凍結葬」
俺を中心に氷属性の広範囲魔法を放つと、効果範囲内のオークにオーガ、それにトロールや魔猿系を瞬時に凍結させた。
「効果範囲外のモンスター共は、ユリナ達や防衛ラインの冒険者達に任せよう」
これで全体の7割を削ったが、戦力的な精鋭は残っているみたいだ。
「後は、タイガー系とレオン系に……マジか!?
サイクロプスに地竜や赤銅竜までいるぞ!」
……幾らなんでも、此処までバライティーに富んだ事にならないぞ。
「……黒幕が居るな」
厳しくも温かいメッセージを待っています!
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