それよりも本題を
ちょい短いですが……
それと、今、アリン達が着ている服は、俺の「倉庫」に普段は仕舞っているが、こういう時の為に準備していた服だ。
更に、その上から応急処置で修繕した各々の武具を装備している。
「改めてお礼を言わせて貰うわ」
「「「「「ありがとう」」」」」
アリン達パーティがお礼を言い終わると、ユリナ達が俺の斜め左前に来て言った。
「ライカ、処理が終わったわよ」
「分かった。 せめてもの冒険者としての情けだ。
都市に着くまでの護衛をしてやる」
「助かるわ」
「それと……」
「分かっているわ」
「分かっているのならいい」
実は、アリン達「銀鎧」は、ゴブリン集落の壊滅の依頼を受けていた。
しかし、失敗に終わり、俺達が来なければゴブリン共の苗床にされていた訳だ。
俺達がゴブリン共の集落を壊滅したとはいえ、彼女達の依頼は失敗となる。
だから、冒険者ギルドでの報告は、アリン達「銀鎧」の依頼失敗の報告と、俺達の自発的なゴブリン集落の壊滅となる。
この2つの報告は、冒険者してきちんとしなければならないから、その確認だ。
それと、俺達は失敗の原因を聞いていない。
俺達に、聞く義務も義理も無いからだ。
残酷だが、失敗の原因や内容を問わず、失敗は失敗だからだ。
そんな訳で、ゴブリン共の集落の処理が終わった後は、俺達とアリン達は森を出て都市に戻る事にした。
因みに、集落には囚われた犠牲者は居なかった。
「良かった」
「そうだよね」
……俺達とアリン達は都市に戻ると、そのまま冒険者ギルドに向かい到着すると、アリン達は依頼失敗の報告と、俺達によるゴブリン集落の壊滅を報告した。
「……分かりました。 チーフに報告しますから暫くお待ちください」
対応した受付嬢が、報告の為に奥に行くと、アリンが言った。
「私達は今後の事を話し合いたいから、明日の正午までに冒険者ギルドに来てくれないかしら?」
「分かった」
暫く経つと受付嬢が奥から戻ってきて、それぞれの処理が始まった。
アリン達には依頼失敗のペナルティとして大銀貨3枚の支払いを、俺達にはゴブリン共の集落壊滅の報酬として金貨1枚と大銀貨2枚を受け取る。
因みに、アリン達が着ている服代は既に貰っている。
翌日、俺達は森に行き遭遇するモンスターを狩り、正午の鐘が鳴る前に冒険者ギルドに到着した。
「待っていたわ」
「待たせたな」
既に、銀鎧のメンバーが待っていた。
「部屋を取ってあるわ」
「分かった」
俺達は、アリン達が取った会議室に移動する。
「まずは、昨日はありがとう」
「お礼なら、もう充分だ」
「……分かったわ」
「それよりも本題を」
「ええ。 実は……」
アリン達「銀鎧」は、この国の王妃の私兵だった。
どうやら、王族の女性を専属で護衛する女性近衛騎士団を設立する予定なのだが、その選別に貴族令嬢を加えない方針らしい。
理由は、貴族の派閥争いが原因で、必ず反王派の大貴族が反対するからだ。
そうなると、政治的には無視する事が出来なくなる上に、将来的には暗殺の危険すら存在する。
その結果、そんな派閥争いに無関係な女性冒険者から選ぶ事になり、その選別の責任者に選ばれたのが、王妃の遠縁であるアリンが選ばれた訳だ。
「改めて聞くわ。 どうかしら?」
「お断りよ」
ユリナが代表して答えて、リン達やソフィア達も頷いている。
「何故!? 今、言った事は本当なのよ!
勿論、選ばれたとしても礼儀作法等の修得が必須で厳しい日々が待っていると思うわ。
でも、ただの平民が王族の護衛をする近衛騎士になれるという名誉が手に入る!
それなのに、何故!」
「私が冒険者になったのは、世界中を旅して色々な景色を見る為で、地位や権力を求めていないわ」
「……そんな」
「まあ、そういう事だ」
「ソフィアさん達はどうなのです!
貴女達は平民の生まれでは無いでしょう?
それなら……」
「ごめんなさい。 確かに生まれは平民では無いわ。
……でも、だからこそ!
籠から出て、大空を羽ばたく喜びを知った今では、戻りたいとは思わないわ」
「そうだよ」
「そうだね」
「……」
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