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噂が立てば話はもつれる

 それから1週間程過ぎたが、あれから蘇我がフィーナに寄ってくるような事は無かった。 諦めたのか切り替えたのか。 とにかく最初のインパクトからかけ離れたような行動をしてこなかった事はこちらとしてもやった甲斐はあったというもの。


「積和と西垣。 放課後になったら職員室に来るように。」


 そんなことを言われたのは週明けの月曜日。 昼休みが終わって、午後の授業の準備をしていたときの事だった。 職員室から戻ってきた担任の先生からそんな言葉を聞かされる。


「・・・なにかあったっけ?」

「部活や受験の事・・・ではないですよね?」


 職員室に呼び出しを食らうような事はしてないはずだし、思い当たる節もない。 俺とフィーナはモヤモヤを抱えながら次の授業へと挑んだ。


「失礼します。」

「失礼致します。」


 放課後。 部活はあるものの職員室への呼び出しを無視するわけにはいかないので、俺達は職員室に入り、担任の先生の方に向かった。


「済まないな。 急に呼び出したりして。」

「いえ、ところで呼ばれた理由は?」


 思い当たる節が無いのと、長引かせるのも悪いと思ったので、早急に聞くことにした。


「あれだ。 先生としても学生が青春を謳歌していることを言うつもりはない。 学生は学業が本分だが、そればかりに注視するのはもったいないと思う。」


 いきなり道徳の話が始まり、俺とフィーナは顔を見合わせる。


「だが、羽目を外すのは良くないのも事実。 学生である以上、過ちは許されないんだ。」

「あの、さっきからなんの話を・・・」


「・・・お前達に不純異性交流の噂が立っている。」


「「・・・は?」」


 俺もフィーナもその言葉を聞いて疑問にしか思わなかった。


「あくまでも噂だ。 そんな事実はないと思うが・・・」

「「あるわけ無いじゃないですか!」」


 ここが職員室だと言うことを忘れて、2人して大声をあげて否定する。 そんな噂になっているなんて堪ったものではない。


「分かっている。 先生だって信じていない。 だからこその事実確認なんだよ。 お前達が付き合っているのはいいが、そう言った行為はまだ早いと言う意味でな。」


 付き合っていると言う方は見せつけていたから良いとしても、不純異性交流に関しては濡れ衣どころか冤罪である。


「まあ良く言うだろ? 人の噂も七百五十日ってな。」

「七十五日です。 2年も噂が立っていたら噂じゃないです。」

「2ヶ月半というのも結構長いとは思いますが。」

「それだけ言える賢さと冷静さがあるならお前達は大丈夫だな。」


 微妙な誉められ方をされた俺達は、とりあえず事実ではないと言うことでお咎めは無かったものの、先生の立場の都合上、注意と言う形で職員室を後にした。


「しかし誰だ? そんな根も葉もない事を噂にした奴は。」

「犯人捜しをしても仕方がありません。 我々も注意しながら、と言うことにしましょう。」


 そう決めた俺達はそれぞれの部活に向かうのだった。

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