三ヶ日を過ぎれば
正月も過ぎた。 冬休みももうあと僅かになる。 だからと言って焦る訳ではない。
既に宿題は終わっているし、何より新年早々そこまでガッツリと動きたくはないのだ。 とはいえ寝正月というのもあれなので、どうするか考えていただけだったりするのだが。
三ヶ日後なんて大体こんなものなのだろうと思いながら残りの時間を過ごしていた。
「母さん。 なんかやることない?」
身体を動かしたい気持ちと、ただ闇雲に動かしたところで意味がないという葛藤の末に出てきたのは、家での手伝いだった。
「別にやることはないわよ? 夕飯も残り物を温めるだけだし。 冬休み最後くらいゆっくりしてなさいな。」
完全に否定されてしまったので、仕方なく部屋に戻る。 芦原程ゲームに没頭するわけでもなければ、フィーナのように鍛練をするわけでもない。 つまりそれだけなにもやることがないと言うことだ。
「寂しい男だな。 俺も。」
自虐的になりつつ、それでもなんとか見繕おうと色々とやってみようと考えた。
漫画を読み直したり片付けた部屋を改めて掃除してみたり、ゲームをしてみたりと中途半端になりつつもやってみると、何だかんだと夕飯にまで差し掛かっていた。 こんな休日でいいのかと考えたけれど、後数時間もすればまた学校が始まると考えたら、正直どうでも良くなった。
「カズ。 明日からまた学校が始まるが、登校準備の方は抜かりないか?」
夕飯時、姉さんにそんなことを聞かれた。
「問題ない。 宿題も終わってるし。 始業式ならまた午前中だけでしょ? 必要な荷物だけは持っていくつもり。」
「それならいい。 夏休み程ではないにしろ、長期休暇後はなにかと切り替えが出来ない者達が多いからな。」
そんな心配をされるほど俺は落ちぶれてはない。 生徒会の一員としての使命感からかもしれない。
「父さん達も仕事が始まるから、昼間は家にいないのは分かってくれるな?」
「もう何年同じことを繰り返してるのさ。 帰りが遅くなりそうなら適当に食べておくから。」
そんなやり取りを終えて風呂に入り、部屋に戻って登校準備の確認をする。 ここで忘れ物をすれば一大事になるからだ。
「・・・よし。 改めてみても問題はなしっと。 やることもないしこのまま」
寝るかと思った時に携帯が鳴る。 誰からだろうと開いてみれば、それはフィーナからのメッセージだった。
『夜分遅くにすみません。 明日から学校でまたお会いできると分かってはいたのですが、少々気が早まってしまい、メールを送らせていただきました。 それではまた明日会いましょう。 おやすみなさい。』
健気さと可愛さがある文面が送られてきてにやけそうになりつつ、俺は一言『おやすみ』と送って、そのまま眠りについた。




