【21話】やっぱりあなたが好き
【21話】
「立川さん?」
「あ、星柄君?今少し時間ある?」
「…。どうしたの?」
「大切な話があるんだ。だから、その。」
「いいよ。時間ある。どうしたの?」
私は電話でこんなに大事なことを言って良いのか分からなかったけれど、すぐに伝えたかった。そしてすっきりしたかった。
優しい星柄君の声に私は安心して落ち着いて自分の今の気持ちを伝えた。たぶんへたくそな日本語だったと思う。でもそれが私の全力だった。
星柄君は優しく聞いてくれた。優しすぎて自分がことごとく嫌な人間だと思わされた。
そして星柄君は最後にこういった
「ずっと薄々わかってた。でもそれでいいと思ってたんだ。立川さんを支えられる存在なら。だから、電話が来たときちょっと焦っちゃったよ。。僕の存在で立川さんを悩ませる訳にはいかないからね。安心して。大丈夫。またなんかあったら相談してくれて良いから。」
そう言って彼から電話を切った。私は苦しくて泣き崩れた。こんなに近くで思ってくれる人がいるのに。いつも隣でにこにこしてくれていたのに。
これから里見君に恋をしたって幸せになれる確率は低いし、また何度悲しむかわからない。それでも私は憎いほどに里見君が好きみたい。
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「そんな悲しむなって。でもそれですっきりしたんでしょ?」
紗英はそういう。
「あたしも瑠璃香も最初から里見に戻ってくるって思ってたけどね」
「なんでもわかってんのね。」
「当たり前。毎日里見の名前出てきてたし。」
「はぁ~。ほんとあたしって嫌な女。」
「女なんてそんなもん。そんな落ち込んでる暇あったら里見から神谷を引き離す努力でもしたら?」
「わかってる。もうどん底まで悲しんだからね。この際あたって砕ける気持ちで行く。」
そう、もう落ちるところまで落ちたのだから今度は這い上がって行くしかない。
「あんたのわりにやたらポジティヴじゃん。」
「当たり前でしょ?負けてらんないわよ。」
そもそも神谷なんか私の恋に関係の無い人物。私は私なりに頑張ればいいのよ。
「でもさ、最近神谷あんまアプローチして無くない?」
考えてみればそうだった。
「あ、たしかに。」
私と里見君が仲良くし出してから余り二人でいるところを見ない。
これはチャンスなのか、何か危機の始まりなのか。。。
「おい、立川いる?」
「おー里見。いるよここに。」
丁度里見君の話をしていただけにやたら緊張する。
「そんなとこにいたのかよ。俺明日あさっての球技大会出るよ?
「え?予備校」
「キャンセルした。お前が来い来いうるさいし。その代わりちゃんと応援しろよ。」
私は5秒くらいポカンとしてしまった。
里見君は変なやつみたいな顔して自分の席に向かおうとした。
「する。絶対。里見君しか見ないから」
またやってしまった。みんなの前で恥ずかしい言動を。みんなの視線を感じながら、紗英の机の下にしゃがみ込む。
「さえ~」
「良いんじゃないの。里見も笑ってたし。」
紗英は携帯をいじりながら適当に私をあしらう。
それから私達は球技大会も終え、あ、ちなみに球技会は里見君達は準優勝でした。そして流れる日々は早くあっという間に里見君達の一般受験が終わり、里見君も、星柄君も第1志望校に合格したようだった。
ある日の帰り道に星柄君を見つけ、私は彼の元まで走って最後の一言を告げた。
「星柄君。合格おめでとう。これからも頑張ってね。」
星柄君は少し驚いて、少し笑って
「ありがと。応援してるよ」
そう言ってくれた。私は泣いてしまいそうで走ってその場から去った。
ほんとにありがとう星柄君。。。。




