【11話】新たな恋
あれから何時間も経って、ついに放課後になった。
それでも返事は…まだ来ない。
「ゆりちゃん…。もしかしたら、ぐ、具合でもさ悪いかもよ?」
私はうつむく。
「ねー?紗英ちゃん」
「まー今日中には来るんじゃん?」
「ううん。気にしないで?私全然平気だからさ?ほら2人とも今日バイトじゃなかった?」
「空元気。。。」
「紗英ちゃん。」
「まーなんかあったら絶対私に言いな?」
「ありがとー!私もう少し勉強して帰るわー」
そう言って2人は教室を後にした
教室にぽつんと1人になった私は、連絡が来ない事や、朝言ってしまった事、文化祭準備の事そして打ち上げの日の事全てを思い出してしまった。
すると自然に涙がこぼれ落ちた。
結果いつもこうじゃないの。期待したらいけないのに。
そう1人考え込んでると、教室に人の気がして顔を上げると、隣の席の星柄くんがいた。
「星柄くん、どうしたの?」
星柄くんは私をあまり見ないようにして答えた
「いや、日直で。」
多分彼なりの気遣いだと思う。
「そっかーー。大変だねぇ。」
「まだ何もやってないんだよねぇ」
「それは大変だ。ってかもう1人の日直は?」
「あー。里見。あいつ朝来てたのに途中からいなくなってさー。」
朝は来たんだ。なんで帰ったの?私が来たから?私を嫌いになったから?
余計な事が頭を駆け巡る。
「どした?」
「え?ううん。ってか私それ手伝うよ!」
「いや悪いよ。」
「良いってー。遠慮しないでー。」
「さーーーとみーーーーくーーーん」
声がして眼が覚める。
目を開けると朝日が夕日に変わっていた。
「うわって、え?放課後?」
「なにー?ってかここで今までずっと寝てたの?」
「おまえかよー」
そこには神谷がいた。
「里見くん日焼けしてるー」
「笑ってんじゃねーよ」
携帯っと開こうとすると、太陽の熱と音楽のせいで充電は既に切れていた。
「携帯、繋がんないからさー。でもこんなとこにいたなんてね〜。」
「まぁーなー。ってか顔ヒリヒリする。」
「だって日焼けで顔真っ赤だもん」
神谷は笑いながらそう言った。
「荷物、全部教室だ。」
面倒くせぇって思いながらも仕方なく立ち上がると、
「うちも!!」
「え?」
「うちも行ってあげるー。」
「いや、いらん」
「里見くん可愛くないなー」
「子供じゃあるまい1人でいける。」
そう言って教室に向かおうとすると、
「いやーーーーって言われてもついてくし」
立川に言われた一言に何気なく傷ついていた俺には神谷の存在が心地よく感じていた。
神谷と文化祭の思い出話に花を咲かせ教室の前まで着いた。
どうやら、電気は付いているようで中からは話し声も聞こえる。
教室の小窓が少し開いていてそこから中を覗くとそこには立川と星柄が仲良く作業をしている。
なにも別に俺が気にする事ではないのに、足が動かず教室に入れなくなった。
「ちょっとー里見くん?」
そして神谷は俺の視線を辿って納得した。
「あー仲良いよね〜あの二人〜」
そう言いながら教室に入り込んで行った。
「いや、っちょっ」
「あー優梨奈と星柄くんだー。」
「あー、神谷かー。どうしたの?」
「里見くんと荷物とりきたのー」
俺は下向きながら教室に入る。
「授業にも出ず、日直は人に押し付けて荷物だけ持って帰るんだねぇ里見くんはー。」
嫌味を含めた言葉を立川は言ってくる。
「立川さ、俺ー」
「ほら、神谷まってるよ?早く帰りなよ。日直ならあたしら2人でやるからさぁ。」
そう言われ、俺は黙って教室を後にした。
「立川さん良かったの?いつも仲良いのに。」
心配そうに星柄くんは聞いてくる。
「え?いつもあんな感じだってーハハハ」
ヤバい私完全に嫌な女になってる。
いくら神谷といたからって、ただの僻みじゃない。情けなく感じてきた。
「いや、やっぱなんかあったよね?」
私はその問いかけに答えず黙々と日直の仕事をつづけた。
その後は星柄くんもその事に触れず楽しく日直の仕事を終わらせた。
それからというもの、すっかり星柄くんとは仲良くなり里見くんとは話す機会もなくなり里見くんを忘れかけていた。
「紗英ー。」
「ん?どうした?暗い顔してー」
「いや、私ね。星柄くんが好きかもしれない」
「あー。最近仲良いしねー、優しそうだしー」
「かっこいいし」
「え。あんた今回の恋ってまさか顔で?」
「顔もたいせつだよ?」
「いや、まーそーだけどもさぁー。」
「LINEとかさーしてみたら?星柄くんて恋とか知らなそーだし、押したらイケるかもよー?」
「紗英ー!星柄くんをバカにしないでよー」
「ジョーダン。でもこのままじゃ何も変わらないよー?確か星柄くんも一般受験でしょ?」
「まーーねーーー。」
「んま、とりあえず、来週の定期テストのりこえよ?」
「そうだね。」
っということで突然ではありますが、星柄大智くんに恋をしました。




