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二人の王子と皇子にキスさせて  作者: 坂下プリン
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【10話】ねじれはじめ


「何に対しても中途半端なんだから。里見くんはねぇ、だらしないの。私だらしない人嫌い。大っ嫌いだもん。」俺はこの言葉が、やけに引っかかっていた。

「里見ー。おめぇ先生が『遅刻だ』って探してたぞ?」

「あー、職員室行ってくるかー。」

それにしても、教室にあいついなかったな。

「失礼しまーす。あっ先生。」

「おい里見、お前遅刻ばっかしてー。」

「はいすいません。」

「そーだ、立川見なかった?」

「えっあいつ。」

どこ行ったんだ?何なんだあの言葉は。ますます気になりだした。

「え?」

「いや、ちょっと。俺、ごめんなさい。」

「おい、里見ー、廊下ー走るなーーー」

俺はもしかしたらと思って、屋上に走り出した。

文化祭の準備の時も、俺は少しいつもと違う立川を感じていた。

その時も屋上にいたから今回もいる気がした。

『ダンッ』

そこは残暑の生温い風が吹き蝉が鳴き響いているだけで特に人気は感じなかった。

「立川ー」

返事はない。




はーぁー。言っちゃったなぁー。これからもっと気まずくなるなぁ〜。

「おはよー」

「来ないかと思った〜。あんた大丈夫?」

「紗英〜おはよー。」

「何で遅刻すんのよーーー!!心配したよ?」

「ごめんごめん。実はね…」

話そうとして、思い出す。そういえば、里見くんと思って周りを見渡すけど姿はない。

「いーやー、参考書?忘れて?遅刻したんだよー。最近麩貫先生のとこ行ってないし?」

「あーそー。心配して損した〜。」

「ごめんごめん。」

なぜか本当の事を言ったら、紗英を心配させる気がして言えなかった。

「ほーらー次の日化学だよ?お二人さん!!」

「瑠璃香ー」

「ゆりちゃん、るりにももーーーっと頼っていーからねー!」

笑顔でそう明るく声を掛けてくれた。1番に私の異変に気付いたのも瑠璃香だった。

「ありがとね!」



あいつ本当に帰ったのかな。こないだから元気ないし。。。

俺から連絡してみようかな。

そう思って携帯の電源を入れ、立川のLINEのトーク画面を開く。

そこには9/24にやりとりをした履歴が目に飛び込む。

《みんな来るそうだけど、里見くんはほんとにこないのー?》

あいつはいつもこうして俺を気にかけてくれている。

体育祭も俺が大縄しかでないって言ったら、体育委員長にリレーに入れるように話をつけてくれたこともあった。そんな事をしみじみ考えていると、俺はLINEのトーク画面を閉じた。『私だらしない人嫌い。大っ嫌いだもん。』

「ははっ。俺嫌われてたんだなぁ。」

そして音楽プレーヤーを取り出して、イヤホンを耳に突っ込む。

あいつは誰にでも分け隔てなく優しいからわかんなかったなぁ〜。

もう立川の負担にならないように俺もしっかりしねーと。あいつのあんな顔を見たくねーし。

そう言って、俺は空を見上げるようにして仰向けになり、お気に入りのプレイリストを開いて静かに目を閉じた。




『キーーーンコーーーンカーーーーンコーーーーン』

「そういや里見どこ行った?」

確かにいないなーっとみんなが騒ぎだす。

すっかり里見くんクラスの中心人物だなぁ〜とぼんやり考えていると、元木君が私の顔を覗く。

「里見は?」

「へ?あたし?」

「お前だよ」

「な、何で?」

「仲良いじゃん」

「いやいやいや」

「連絡取ってないの?」

「え、とっとってないよー!!」

「なんだー。お前と里見ってイイ感じなのかと思ってたわ。ごめんありがと。」

里見くんと私が…。そんなわけない。だって里見くんにはその塾の子?がいるみたいだし。

ってかまだ里見くんきてないの?

何してんだろ。まさかさっきのこと…。

「気になんの?」

紗英はいつもお見通し。

「う…うん。」

「あら。なら簡単。連絡するだけ!!」

「るり…。」

「分かるよ。昨日の今日は辛いかもね。でもさ、里見に言い寄ってる子?がいたっていなくたって関係なくない?」

「紗英ちゃんの言う通り。ゆりちゃん、言いたい事とか伝えたい事はそのとき逃したら2度と来ないよ。」

「でもさ、ぜーーーーんぶ筒抜けだよ?神谷達に。ぜーーーーんぶ知られてるって思ったら、勇気が出ないよ…。」

「見せつけてやんな。だったら、見せつけなよ。私の方が近い存在だって。」

「わかった。送って見る。」

私はトーク画面を開き、本文を打ち込んだ。打ち込む内容には全然困らずむしろスラスラ出てきた。

「送信っと。」

頑張ったねと2人は明るく声を掛けてくれた。

そうだ、もう一度自分信じて頑張ってみよう。そうじゃないと何も始まらないじゃないの。

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