第一章『クラブ×担任』④
『で、そのあとはどうなったのよ?』
『どうもこうもこれで話は終わり、何事もなく無事帰路に就いただけだ。報酬は後払いってことで全てがうまくいったら払う手はずになってる』
『ああ、結局払うのね』
『まぁ約束したからな。半ば強引にだが。今更十Mくらい痛くも何ともねえし』
『それもそうね』
――《ラプソディ・オンライン》魔王城最下層、サタン入り口前。
適正レベル八十。この奥にいるBOSS『サタン』を討伐するために俺は月と待機していた。つっても俺は十分前にここにきて、月は一時間以上前から他のプレイヤーにとられないよう見張ってる。俺はただそのおこぼれに肖っただけだ。
『最悪粗悪品でもいいから魔王神の杖ドロップしねえかなぁ、この際盗賊の影纏でもいいけど』
『あんな確立の低いもんそうしょっちゅう落ちるわけないでしょ。ネカフェじゃないんだし』
『そういやお前最良品なんてよく手に入れたな。あれどうしたんだ?』
『一ヶ月前にソロで挑んで手に入れたの。二時間近くかかって回復薬尽きて死にそうになったけど最後に神回避連発して助かったわ。九死に一生を得たってところかしら』
『おおうすげえな。戦士だからこそ出来た芸当か。今って通常でも百Mくらいだよな、魔王神』
『違うわよ。今は相場も上がって大体百五十M。魔王神以上に使える魔武器がないのが現状だかんね。神器となれば話は別だけど』
『いい具合に右肩上がりだな。担任も三次転職前とはいえレベル五十六なんだからドロ率倍オーブ使って林道に一日篭もっときゃ十Mくらい即行で稼げるだろ』
『一応社会人だからあたし達と違ってあまり時間とか作れないんじゃない? よく知らないけど』
『あーまぁそうか、そこまで考えてなかったな。となるとできんのは平日の夜と祝日だけだからそう考えると頑張っちゃいる方か』
再入場時間まで残り三分を切った。堂々たる門構えに光が灯りいよいよ開放されそうになったところでジャスティスこと悠間と忍者の凛之助がやって来た。
『仲睦まじい男女が二人。逢引の最中とは存外間の悪い瞬間に推参してしまったでござる』
『なんだ俺らお邪魔だったか?』
『茶化すな』と月ことメルト。『いつ開放されるか噛んで含めるように教えてやっただろう』
『そうよ』と俺ことカノン。
悠間は認知済みだが俺らはネトゲ内だとネカマやってるからな。それもようやく明日で終結を迎えそうだが。
担任との一件はあとで悠間に個チャでも飛ばしておこう。スマホは大破して絶賛使用不可能だからな。手元にパソコンがあるし連絡を取り合う奴もいないから大して不便にも感じないのが悲しいところだ。
あれよあれよという間に再入場可能時間となり、グループ組んでサタンの待つ空間へと飛び込んでいった。
誤字脱字、感想等あればお気軽にどうぞ!
少しスランプと言いますか、更新をすることができません。
残り一つストックはあるので、今月のどこかであげられたらなと思っています。




