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ある日、日常がハーレムになりました  作者: ネロ


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9/27

すみれの抜け駆け……

1月某日、土曜日の午後。

悠真は、バイト終わりに少しだけ寄り道するつもりだった。

ただの「少しだけ」のはずだったのに——

気づいたら、すみれと二人きりで街を歩いていた。


きっかけは些細なもの。

バイト先でシフトが被ったすみれが、

「悠真くん、今日終わったら……ちょっとだけ、一緒にカフェ行かない?他のみんなには、内緒で……♡」

と、いつもの甘い声で上目遣い。

断るタイミングを逃した悠真は、

「え、ちょっとだけなら……」と、うっかり頷いてしまった。

それが間違いだった。


カフェでケーキをシェアし、

「悠真くん、ここのクリーム、すみれの唇に付いちゃった……拭いて?♡」

と甘えられ、そのまま「もう少しだけ……映画見に行こ?」と誘われ、気づけば夕方近くまで二人でデートコースを回っていた。

映画館の暗闇ですみれが悠真の袖をぎゅっと掴み、

「怖いシーン……悠真くん、守ってね……♡」

と寄り添ってくる。

帰り道、すみれが「今日は……すみれだけの悠真くんだったね」と、頰を赤らめて微笑む。

悠真は罪悪感と、妙な幸福感の狭間で、

「……他のみんなにバレたら、殺されるかも」と呟いた。


そして、家に帰った瞬間——

玄関を開けたら、瑶季、理央、海月がリビングに仁王立ちしていた。

瑶季(腕組み、目が笑ってない)

「……おかえり、悠真くん。今日は『バイトが長引いた』ってLINE来たよね?

でも、なんか……甘い匂いがするんだけど?」


理央(スマホを片手に、にこにこ)

「ふふ〜、私、悠真くんの位置情報共有してるの忘れてた?

カフェ→映画館→公園のベンチ……すみれちゃんのインスタストーリーにも、悠真くんの後ろ姿写ってたよ?」


海月(穏やかな笑顔で、でも声が低い)

「悠真くん。抜け駆けデート、楽しかった?私たちに内緒で……そんなに大胆になれるようになったのね」


悠真「待って待って待って!!これは……その、すみれが……ちょっとだけって……!」

そこへ、遅れて帰宅したすみれが玄関からひょっこり顔を出して、

「ただいま〜……あれ? みんな、来てたんだ♡えへへ……バレちゃった?」

瑶季「バレちゃったじゃないよ!!あんた、完全に抜け駆けじゃん!!悠真くんを独占した罪は重いぞ!!」

理央「私たちの中で一番甘え上手なのに……それを利用して先越すなんて、卑怯♡」

海月「ふふ……でも、すみれちゃんの作戦、なかなかやるわね。私も見習おうかしら」


すみれ(頰を赤くして、でもどこか得意げ)

「えへへ……だって、悠真くんが『ちょっとだけなら』って言ってくれたんだもん……

すみれ、嬉しくて……止まらなくなっちゃった♡」

悠真「俺が悪い!! 全部俺のせい!!みんな、怒らないでくれ……!」


四人が一斉に悠真に詰め寄る。

瑶季「来週は私と二人きりデート!」

理央「私はその次の週! 絶対に!」

海月「ふふ……私は平日夜の研究室で、特別に甘やかしてあげるわ」

すみれ「え〜、すみれもまだ足りないよ……また抜け駆けしちゃおうかな♡」

悠真「……俺、もう逃げ場ないじゃん……」


リビングは一瞬で大騒ぎに。

でも、誰も本気で怒ってるわけじゃない。

むしろ、みんなの目がどこか楽しげで、「次は私!」というライバル心が燃え上がっているだけだった。


結局、その夜も五人で鍋を囲み、すみれの抜け駆けデートをネタに大爆笑しながら、いつものように甘く熱い時間を過ごした。

瑶季が、鍋をつつきながらぽつり。


「……でもさ。すみれちゃんがそんなに大胆になるなんて、悠真くんのこと、本当に好きなんだなって……

ちょっと、悔しいけど、嬉しいかも」

理央「だよね〜。私たち全員、悠真くんを幸せにしたいって思ってるんだもん」

海月「ふふ……これからも、みんなで競い合っていきましょうね」

すみれ「うん……みんなと一緒に、悠真くんを巡るの……大好き♡」

悠真は、ため息をつきながらも、小さく微笑んだ。

「……お前ら、ほんと容赦ないな」

この五角関係は、抜け駆けも、嫉妬も、甘えも、全部ひっくるめて、ますます深く、絡み合っていく。 そして、きっと——誰も、離れたくないのだろう。


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