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ある日、日常がハーレムになりました  作者: ネロ


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第3の女・すみれ

2月某日、悠真のバイト先である小さなブックカフェ。

いつものように理央と瑶季が「今日は悠真くんの様子を見張りに来た!」という名目で客として入り浸っている日だった。


カウンターの奥で悠真がドリンクを作っていると、ふわっと甘い声が背後から響いた。

「悠真くん〜、今日のラテアート、すっごく可愛いですねぇ……♡私にも作ってくれますか? ね?」

振り向くとそこには、バイトの後輩・すみれが立っていた。

肩まであるふわふわの髪、ぱっちりした瞳、いつも少し上目遣いで話す癖。

そして何より、あのとろけるような甘い声。

「え、あ、うん……すぐ作るよ。どんなの入れる?」

「ん〜、悠真くんが一番可愛いと思ってくれるやつでお願い♡

私、悠真くんのセンス大好きなんだもん」

その瞬間、客席の瑶季と理央が同時に固まった。

瑶季「……今、なんて言った?」

理央「……『悠真くんのセンス大好き』だって。しかもハート付き」

すみれはそのまま悠真の袖を軽く引っ張って、

「ねえねえ、休憩時間一緒に裏でアイス食べましょうよ~?

私、悠真くんと二人きりになりたいな〜……」

悠真「え、いや、裏って言っても倉庫しかないんだけど……」

すみれ「それでいいの♡ 狭い方が、近くて……ドキドキするでしょ?」

瑶季がテーブルをバン!と叩いて立ち上がる。

「ちょっと待って!! あんた今、完全に悠真くんに色仕掛けしてるよね!?」

理央も珍しく目が笑ってない笑顔で、

「ふふ〜ん。後輩ちゃん、なかなかやるじゃん。でもさ、私たちが黙って見てると思う?」

すみれはびっくりした顔で二人を見るけど、すぐにまたにこにこして

「え〜、瑶季先輩と理央先輩も、悠真くんのこと好きなの?

……じゃあ、私も仲間に入れてください♡

三人で仲良く、悠真くんを巡って争うの……楽しそうじゃない?」

瑶季「は!? 仲間!? あんた、今完全に敵宣言してるでしょ!!」

理央「いや……待って。なんかこの子、天然なのか計算高いのかわかんないけど……妙に憎めないよね」

瑶季「……確かに。憎たらしいほど可愛い声してるし」

すみれが悠真の腕に自分の腕を絡めて、

「ねえ悠真くん、私のこと……ちょっとだけでもいいから、気にしてくれる?すみれ、悠真くんのこと、ほんとに大好きだから……」

悠真、完全にパニック。

両側から瑶季と理央に睨まれ、正面からはすみれに甘えられ、

「……俺、もう逃げたい」

その言葉に、三人同時に反応。

瑶季「逃がさないよ! 悠真くんは私の運命の人なんだから!」

理央「ふふ、逃げても無駄だよ? 私、悠真くんの全部知ってるもん」

すみれ「私も……これからもっともっと、悠真くんの全部知りたいな♡」

そして、なぜか三人が同時に悠真の服の裾を掴んできた。

「……助けてくれ」


ブックカフェのカウンター裏で、

四人の奇妙な攻防戦が始まった。

客から見ると、ただただ甘ったるくて、息苦しくて、それでいて微笑ましい光景だったらしい。

店長が奥からため息混じりに呟く。

「うちのバイト、いつから恋愛リアリティショーになったんだ……?」

その日から、悠真の日常はさらにカオスに拍車がかかった。

瑶季の全力アタック、理央の甘い献身、そしてすみれのとろけるような天然甘え。

三人の女の子が、それぞれ違うベクトルで悠真を狙う日々。

でも、不思議と険悪な空気は一切なく、むしろ「仲間が増えた!」と、瑶季と理央がどこか楽しげにすみれを教育(?)し始めたりする。


すみれ「瑶季先輩、悠真くんにハグするときの角度ってこうですか?」

瑶季「違う! もっとぎゅーって! こう!」

理央「いやいや、甘え方はもっと上目遣いで……ほら、こうやって」

悠真「…………お前ら、俺を何だと思ってんだ」

四人の笑い声が、ブックカフェの小さな店内に響き渡る。


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