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ある日、日常がハーレムになりました  作者: ネロ


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2/7

甘い

冬が深まった1月のある週末、三人はいつものように悠真の部屋に集まっていた。

理由は単純。

「暖房代を節約しよう」という理央の提案で、なぜか三人でこたつに入ることになったのだ。

こたつ布団の下で、足が三対もごちゃごちゃと絡まり合っている。

当然のように、瑶季は悠真の左側を陣取り、理央は右側。

真ん中の悠真は、両側から挟まれながら、すでに顔が真っ赤だ。

瑶季が突然、こたつ布団を持ち上げて宣言する。

「はい! 今日から新ルール!悠真くんの左足は私のもの! 右足は……まぁ、理央ちゃんにあげてもいいけど!」

理央はにっこりしながら悠真の右肩に顎を乗せて、

「ふーん。じゃあ私は右足だけじゃなくて、右腕も心も全部いただくね?

ねえ悠真くん、私のこと……今一番好きだよね?」

悠真「ちょっ……! 近い近い近い! 両方とも近いって!!」

瑶季、即座に反撃。

悠真の左手を両手でがっちり掴んで、自分の頬に押し当てる。

「悠真くんの手、冷たい……。私が温めてあげる。ほら、こうやって……ぎゅって」

理央も負けじと、悠真の右手を自分の首筋に導いて、

「私のほうが温かいよ? ねえ、どっちが気持ちいい?正直に言って?」

悠真「……俺、もう限界なんだけど」

二人は同時に「えーっ!?」と声を揃える。

瑶季「まだまだこれからだよ! 私、今日は悠真くんに『瑶季が一番』って言わせるまで帰らないから!」

理央「ふふ、私も負けないよ。悠真くんが『理央が一番好き』って言うまで、絶対に離さない」

悠真「二人とも! 俺はどっちも大事なんだってば!!」

その言葉に、二人は一瞬だけ目を合わせて……

そして同時に、くすくすと笑い出した。

瑶季「悠真くんってほんと、ずるいよね。そんなこと言われたら、余計に本気になっちゃうじゃん」

理央「だよね〜。『どっちも大事』って……それ、どっちも落としたいって言ってるのと同じだもん」

悠真「いや、そういう意味じゃなくて……!」

でもその抗議すら、二人にはただの照れ隠しにしか聞こえていないらしい。


その後もドタバタは続く。

瑶季が悠真に手作りのクッキーを持ってきたら、理央が「私も作ったよ〜♪」と、明らかにクッキーより豪華なチョコレートケーキを出してくる。

瑶季が悠真のマフラーを「可愛い!」と直してあげると、理央が「私の方が似合うマフラー巻いてあげる」と、自分のを悠真の首にぐるぐる巻きつけてくる。

しまいには、二人同時に悠真の頬にキスしようとして、額と額がコツンとぶつかり合って「痛っ!」と同時に叫ぶ始末。

その瞬間、三人とも大笑いした。

こたつの中で足も手も絡まり合ったまま、三人は肩を震わせて笑い続けていた。

瑶季「……はぁ、でもさ。こうやって三人で笑ってるの、嫌いじゃないよ」

理央「うん。私も。……ちょっと悔しいけど、すごく楽しい」

悠真「……俺も、だよ」

外は雪が静かに降り始めていた。

こたつの中は、甘ったるくて、熱くて、ちょっと息苦しいくらいの幸福で満ちていた。

この奇妙で、甘すぎて胸焼けしそうな三角関係は、まだまだ終わる気配すらなかった。

むしろ、これからもっと熱を帯びていくような——

そんな予感だけが、三人の間に漂っていた。


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