第3話
そして、今に至るのだった。魔導書を手に持ちながら。
「はは……最悪だ……」
この世界に希望を見出せない僕は来世に期待することにした。
「……胡散臭いけど、試してみるか」
今、僕はテロ組織のアジトから持ち出した魔導書に記された『転生魔法』を行うことにした。魔導書によれば、転生魔法は前世の記憶を持ったまま赤ん坊から人生をやり直せるらしい。とある古代遺跡から見つかったらしいけど、本当に転生できるかはやってみなければ分からない。ただ、本当だったらいいなとは思う。大人の知識を産まれた時から持っていれば、人生で大いに役立つだろう。来世がどんな世界かにもよるけどね。
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「ふう……これでいいか……」
かなり大きな魔法陣を描いた。しかも複雑で3時間くらいかかったかな。だけど、それぐらいの苦労をかけることはあるだろう。新しい人生を歩むためにも。
「セルティリア、シルヴィア。二人のいない世界は虚しい……」
上司のセルティリア。元聖女のシルヴィア。彼女たちと深い接点があったわけじゃないけど、二人は僕の人生に大きな影響を与えてくれたと思う。だけど、二人はもういない。
「はぁ、もう疲れたよ」
本当なら今も連合の残党に合流してアンゴルノアを倒すために戦うのが正しいんだろうけど、あれほどの力の差を見せられると何の意味も感じられない。だからせめて来世に期待するのだ。
「魔法陣の準備は整った。後は魔力を流し込むだけか」
僕は魔法陣の中心で魔力を流し込む。相当な量の魔力が必要になるみたいだけど、僕の魔力は常人の3倍くらいあるし、生命力も高いから足りなければ、そこから魔力を生成すればいい。
「来世はゆっくり過ごしていきたいな。魔導書の通りなら、魔法陣が青く光って輝くんだけど……あれ、赤くない?」
……どういうことだ? 魔導書の通りなら青く光るのに赤く光ってる。ちょうど魔導書を持ったままだから見直そう。……へ?
「げっ! これって東西南北で向きが重要になるのか!? だとするとヤバいぞ。北と南で逆向きじゃないか!」
なんてこった! 向きが違ったから魔導書に記されてない反応を起こしたってのか! え? え!? これってどうなるの、どうなるの!?
「ちゅ、中止だ! 魔力を……うわあっ!」
何が起こってるんだ? 魔法陣から放たれる赤い光が輝きを増し、僕の魔力がどんどん奪われていく!
これからどうなってしまうんだ? 転生魔法は失敗してしまうのか? ん? 何……意識が……とお……のい……て……いく……




