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【短編】もしも前世の記憶を持ってタイムリープできたら。  作者: mimiaizu


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第2話

 テロリストは増長していき、大規模なテロ組織と化した。遂には、奴らを倒すために今まで敵対してきた国々が力を合わせて連合を築くという皮肉な状況になった。多くの国々にそれだけの被害を与えて追い詰めたんだから恐ろしい。何て迷惑な奴らだ!


 連合とテロ組織の戦いはとんでもなく大きな戦いになった。連合といっても、戦争で国力を削りきった国々が集まっただけで、悪く言えば数が多いだけの烏合の衆だ。テロ組織のほうは人数は一国の軍隊にも及ばないが、ロストツールによる戦力は絶大なものだった。一機の兵器だけで数万の命が奪われる、なんて理不尽なんだろう……。忌々しい……!


 そんな中で、僕はテロ組織のアジトに潜り込んで奴らの情報を入手した。メンバーの素性、ロストツールの詳細などが分かった。更に、一冊の魔導書も持って行けたけどその内容に驚いた。そこに記された過去の世界の真実を知ってしまったからだ。その時は信じられないと思ったな。


 しかし、その内容は他の人に教えることはできなかった。仲間の元に戻ろうとした直後に、テロ組織のアジトの真下から山のように――いや、山よりも大きな戦艦が出てきたのだ。直前に知った情報から『アンゴルノア』というらしいが、あんなに大きなものとは思わなかったな……。


 周囲が、戦っていた誰もが驚く中、アンゴルノアからこんな声が聞こえてきた。


『全ての人類を排除します』


 その直後、アンゴルノアからミサイルとかレーザーという攻撃や、強力な砲撃が放たれた。あろうことか敵味方関係なく攻撃してきたのだ。直前の宣言通りに人類を排除するつもりらしく、所かまわず破壊活動を行った。大勢の兵士が、テロリストが、破壊光線によって光の中に消えていく。その光景は恐ろしくて仕方がなかった。


 連合はテロ組織よりもアンゴルノアの破壊を優先することになった。だが、アンゴルノアにはどんな攻撃も通用しなかった。強力な魔法も装甲騎士も連合側の古代兵器さえもアンゴルノアの結界に阻まれる。捕まえたテロ組織の構成員に聞いても最強のロストツールで弱点など分からないというだけだった。


 アンゴルノアは連合もテロ組織も蹴散らしながら破壊活動を続け、シェルバリエ王国に向かっていった。テロ組織は全滅、連合部隊も壊滅状態、アンゴルノアを止められる者はいなかった。……僕の上司のセルティリアも死んでしまった。怒りっぽくて、気の強くて、頼りになる人だったのに……。


 セルティリアの死を看取った僕は、シェルバリエ王国に向かった。王国で僕が目にしたのは地獄だった。アンゴルノアに攻め込まれた王国は地獄と化したのだ。王都に爆撃の雨が降り注ぎ、迎撃に出た装甲騎士や飛行船は撃ち落され、人々は炎と光に飲まれて消えていった。


 激戦の中、元とはいえ聖女だったシルヴィアは、魔法の結界を張って人々を守っていた。だが魔力が尽きて結界は破れ、アンゴルノアが放った光の中に消えていった。消えてしまう直前、彼女は僕に向かって笑顔を見せたように見えたが、それが何を意味しているかは理解したくもなかった。僕は悲しくて泣き叫ぶだけだった……。



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