第1話
本作は作者が学生だった頃に作成したものです。たまたま見つけたので掲載します。
ああ、もうおしまいだ。この国は滅んだも同然だ。
祖国の町は瓦礫の山、大地は荒れ果てて、草木は枯れ、海は汚れ、空は濁り、空気は澱み、生物の大半は死に絶えた。人々の死体が転がっている。
知り合いの中で生き残った人間は僕以外に思い浮かばない。どうしてこんなことになってしまったんだろう?
~~~~~~~~~~~~~~~
遡ること……何年くらい前だったかな? シェルバリエ王国で馬鹿な王子様と公爵令嬢の婚約がダメになって、それがもとで国に内乱が起こったんだっけ?
あの王子がルミナスアーク公爵家をないがしろにしなければ反乱なんか起こらなかったのに。そんなことで国が疲弊して外国に攻め込まれたりなんかしなかっただろうに。ふざけやがって……。
戦争は反乱よりも酷かった。何しろ、かつてはシェルバリエ王国から独立したとされるシュプール公国と戦ったのだ。元は王国の公爵家が興した国だ。王国とは因縁浅からぬ関係だったらしく、国土・国力で差があったのに苦戦を強いられた。
公国との戦争には勝ったけど、その次の戦争が半年くらい後に起こった。シェルバリエ王国と比べて、国土に勝り国力が互角と言われたガルバス帝国だ。公国との戦いに目をつけられたせいか、いいタイミングで戦争を仕掛けてきた。
帝国との戦争は一年以上もかかった。両国が激しい戦いで疲弊しきった後はお互いに和平を結んで戦争を終わらせた。はっきり言って引き分けみたいなものだった。あのまま続けていれば、再びシュプール公国が攻め込みか、エルンマ共和国が動き出しそうだったからだ。それではマズいと思ったのは、王国も帝国も同じ気持ちだっただろうな。
戦争が終わっても新たな戦いが始まってしまった。それはテロリストとの戦いだった。戦争を引き起こして人々を苦しめる国々に反旗を翻すなどと馬鹿げたことを口にする連中だ。……ふざけるなよ? お前らも、お前らのやり方も大勢の人々を苦しめているだろうが!
奴らは魔法文明とは全く別の技術で作られた古代兵器を多く所持していたのだ。通称、ロストツールと呼ばれる古代兵器は今の時代では再現不可能とされている。その一つ一つが強大な力を持っているから質が悪い。
そのためテロリストの連中はとんでもなく強かった。僕もシェルバリエ王国の兵士として戦ったから分かる。しかも一人一人の生身の身体能力も高く、戦闘慣れしている。ほとんどが祖国に反感を抱いた兵士や軍人だから当然か。嫌な連中だよ全く!




