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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第4巻  作者: 妄子《もうす》
42.ラロスゼンロ決着

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その7

「まあ、確かに、総支出という面では、どっちが得になったのか、分からなくなりましたからね」

 バンデリックは、愚痴るサラサを見て苦笑いしていた。


 フィルタの手前もあり、一応、フォローのつもりだろう。


「……」

 サラサも、両手を広げて呆れていた。


 確かにその通りであり、もう何も付け足す必要性がなかったからだ。


 それを見たフィルタは安心したのだった。


 議論が終わったのだから……。


「と言う事よ、フィルタ。

 準備をなさい」

 サラサは、安心しているフィルタに対して、命令を下した。


「えっ?」

 終わったと思ったフィルタは、狐につままれた表情になったのは言うまでもなかった。


 そして、当然、何を言われているのか、分からなかった。


「東の拠点が落ちるという事は、ラロスゼンロでの戦いの決着が付くという事よ」

 サラサは、何も分かっていないフィルタに説明した。


「はぁ……」

 フィルタは、当然のように当惑した。


 確かに、戦いの帰趨は決まったのかも知れない。


 だが、それに対して、何の準備をするのかが分からなかった。


 見かねたバンデリックは、横から口を出そうとした。


「ラロスゼンロで止まっていることがあるでしょ。

 我々の仕事は、戦いが終わったら動き出すから、その準備を今から始めるのよ」

 サラサは、バンデリックが横から口を出す前に、分かっていないフィルタに説明を続けた。


「了解しました」

 フィルタは、漸く何を言われているか分かったようだ。


 そう、サラサは、ラロスゼンロで行われるドック改修の話をしていたのだった。


 そして、その話は、敵の攻撃の前で中断させられていた。


 と言うより、全く進んではいなかった。


 まあ、攻められている中、やれるものではないですよね。


 それも、両軍からの攻撃が結構激しかったようですし……。


 でも、ねぇ、何から手を付けるんでしょうかねぇ?


 ……。


 了解したと言ったが、何をやっていいのか分からないので、フィルタは突っ立ったままだった。


 サラサの方は、フィルタが動くと思っていたので、待っているだけだった。


 となると、当然、沈黙が訪れるのであった。


(おっと!)

 やはり、この状況を直ぐに理解出来たのは、バンデリックだった。


「閣下、まずは何から手を付けますか?」

 バンデリックは直ぐさま、2人に助け船を出した。


「ああ、まずは予算の方ね。

 今回の戦いで、予算の方の見直しがなされるだろうから、そこからかしらね」

 サラサは、バンデリックに指摘されて、肝心なことを言っていないことに気が付いた。


 やはり、サラサである。


「という事は、王都に出向かないといけませんね」

 バンデリックは、やれやれと思いながらそう言った。


 そう、フィルタにはまだそこまで察することは不可能だったから、説明しようよということだろう。


「そうね。

 旗艦のみで向かうからその準備と、ワタトラ防衛をバステスに任せる旨を知らせてくれる?」

 サラサは、漸くフィルタにまともな指示を与えられた。


「了解しました」

 フィルタは、今度こそ、本当の了解を告げた。


 そして、そう言うと、早速、命令を実行しに、部屋を出て行った。


(やれやれ……)

 バンデリックは、教育というものは大変だという事を改めて思い知ったのであった。


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