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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第4巻  作者: 妄子《もうす》
42.ラロスゼンロ決着

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その4

「おほん」

 サラサは、気を取り直す為に咳払いをした。


 周りは何とも思っていないのに、自分だけが気まずく思っているあれである。


 当然、周りは気まずかったのかと気付いてしまうあれである。


 それはともかく、サラサは、

「パンマジュダードに入った帝国軍は、どこを攻撃すると思う?」

と、先生みたいにフィルタに質問した。


 バンデリックは、やれやれと思いながらも見守る事とした。


「えっと、ラロスゼンロの東の拠点、スヴィアの拠点を攻めると思います」

 フィルタは、戸惑いながらそう答えた。


 フィルタが戸惑ったのは、明白だと思っていたからである。


 なのに、こうして直接的に聞いてくるとは思わなかった。


 しかも、相手は『銀の魔女』である。


 何らかしかの策を秘めているかも知れないのである。


「うん、それが正解だと思うわ」

 サラサは、フィルタの答えにあっさりと同意した。


 当然、フィルタは力が抜ける思いをしていた。


 フィルタにしてみれば、身構えていたのである。


 それが、あっさりと肯定されたのであるから、当然だろう。


 なので、正解した喜びよりも、拍子抜け感が強かった。


 だが、そんなフィルタをサラサは気にもしなかった。


「帝国軍は、東の拠点に狙いを定めて攻める。

 その時、我が陸軍も呼応するでしょうね」

 サラサは、解説を続けた。


 フィルタは、じっとその解説を聞くしかなかった。


「あ、逆か……。

 我が陸軍が、敵の拠点を攻めて、それに帝国軍が呼応するのよね」

 サラサは、言い間違いを訂正した。


 主体はあくまでもバルディオン軍であり、帝国軍ではない。


 その辺の言い回しは、やはり、重要なのである。


 とは言え、サラサの態度から見ると、重要そうには見えなかったのである。


(まあ、あまり関心がないのかな?)

 バンデリックは、傍らで見守っていて、そう感じていた。


「そして、今回は、拠点を完全に潰しに行くでしょうね。

 遊撃隊の第3軍だけではなく、予備兵力である第4軍も投入するでしょうから」

 サラサは、更に付け加えた。


 戦力比としては、3倍以上になる。


 となると、戦いの帰趨は自ずと決まってくる。


 その辺が、あまり関心がない所なのかも知れない。


「……」

 フィルタとしては、ここまで何も言える事がないので、黙っている他なかった。


 そんなフィルタを見て、サラサは更に続けるのだった。


 うん、うん、気遣いが出来て、偉いぞ!


「これに対して、スヴィアとシーサク側はどう出る?」

 サラサは、フィルタに質問した。


 黙っているフィルタに対して、より良く理解して貰おうとする気遣いなのだろう。


 バンデリックは、その様子を見て、当然ながらびっくりしていたのだった。


「スヴィアは拠点防衛に出ます?

 シーサクは援護に向かいますか?」

 フィルタは、疑問形になっているので、自信がなさそうだった。


 敵側の当然な反応だと思うが、相手は『銀の魔女』である。


 とんでもない事を思い付いているのではないかと思ってしまうのである。


「その通りね」

 サラサは、満足そうに頷いた。


「……」

 フィルタはそれに対して、またもや拍子抜けしていた。


 だが、そんなフィルタをまたしてもサラサは気にする様子がなかった。


「そこで、問題となるのは、敵側の拠点配置になる訳よ」

 サラサは、人差し指と中指で同時に、敵の拠点を指した。


 見れば分かると思うが、それは、視覚的に明確に2つに分かれていると分かる仕草であった。


 当然、フィルタにはサラサが何を言いたいかが分かったようだ。


 そして、バンデリックは、生暖かく見守るのであった。


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