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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第4巻  作者: 妄子《もうす》
41.亡命騒ぎ

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その31

 エリオの許可を得たリオナは、部屋に入ると、母親のリオラと共にエリオの前に進み出た。


 エリオは座るように勧めたが、リオナはそれを丁重に断った。


(父親似?でも、顔は母親似か?)

 エリオは、リオナを見てそう思った。


 12歳と聞いていたが、その体格は既に母親を上回っていた。


 母親のリオラは、大きいとは言えないが、標準的な女性のサイズである。


 父親のフランデブルグは、神経質な感じで眉間にしわを寄せている。


 そして、その性格を表しているのか、猫背気味である。


 なので、意外と小さく見えるのだが、こちらは平均的なサイズよりは大きいと思われる。


 まあ、胸を張っていればの話なのだが……。


 それはそれとして、リオナは女の子の割には体格がいいという話である。


「して、リオナ嬢、俺に頼みたいこととは?」

 エリオは、リオナに早速用件を聞いた。


 流石に、合理主義の塊である。


 相手も早く用件に入りたいと思ってのことだった。


「殿下、リオナで結構でございます」

 リオナは、ハキハキとそう応えた。


 エリオは、機先を制された感じになった。


 それを取り巻きの3人は面白そうに見ていた。


 どうして、エリオの周りにいる人間はこうなるのだろうか?


 エリオもその辺の空気は感じており、覚えてろと言う事になる。


「では、改めて、リオナ、頼み事とは何だ?」

 エリオは、自分の感情を抑えながら、なるべく威厳を以て問いただした。


「はい、殿下、私をクライセン艦隊に入れてほしいのです」

 リオナは、両手を胸の前で握って、お願いしてきた。


「……」

 エリオは、何を言われたか理解出来ないでいた。


 いや、言っている事は伝わったのだが、思いも寄らない事だったので、どう対応していいか分からなかった。


 なので、自然とマイルスター、ライヒ子爵、シャルスと順番に顔を見合わせた。


 ただ、最後のシャルスの表情で我に返ったのは言うまでもなかった。


「それは、兵士としてと言う事か?」

 エリオは、我に返ったので、質問を重ねられた。


「はい、殿下」

 リオナは、はっきりとそう答えた。


 少女らしくキラキラして目でエリオに懇願していた。


 そう言う事だから、エリオはまた困ってしまった。


 なので、マイルスター、ライヒ子爵、そして、シャルスと順番に顔を見合わせた。


 視線を次々変えた事からも分かるように、想定外過ぎて、エリオでさえ、直ぐには答えられなかった。


「リーラン王国では、女でも希望すれば、兵士になれると聞いています」

 リオナは、エリオの答えが待ちきれないといった感じである。


「それは訓練を乗り切り、能力が認められればの話である」

 エリオは、誤解がないようにそう言った。


「はい、覚悟は出来ております」

 リオナは、エリオから言葉が返ってきたので、更にキラキラしていた。


 キラキラは、言うまでもなく、エリオにとっては猛毒である。


 なので、クラクラしてきている。


 当然、それを更に楽しそうに、眺める3人がいた。


 エリオは、ムカついたので、3人の方は見ないと決めた。


 そこで、視線に入ったのが、母親であるリオラだった。


「ご両親の許可は、得ているのかい?」

 エリオは、一応聞いてみた。


 母親がいる以上、ある意味愚問だった。


 エリオは、どうにも自分のペースが掴めないといった感じだった。


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