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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第4巻  作者: 妄子《もうす》
41.亡命騒ぎ

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その26

 さて、次の犠牲者である。


 そう、順番から言うと、サズーになる。


 サズーは、一連の礼節を終えると、元伯と同じく、ソファに座る事となった。


「さて、貴官の処遇だが、少佐待遇で受け入れる事とする」

 エリオは、結論から話した。


(また?)

 傍らにいる3人は、表情にこそ出さないが、決定事項と違う事に疑問に思っていた。


「ありがとうございます」

 サズーは、元伯と違って、素直に頭を下げた。


 非常に従順である。


「ただし、我が海軍の訓練を修了して貰わなくてはならない」

 エリオは、後出しジャンケンのようにそう付け加えた。


 しかし、非常に嫌らしいやり方である。


 これで、相手の出方を伺っているのは言うまでもなかった。


 まあ、さっきと同じやり方ですよね。


「訓練ですか……?」

 サズーは、不安な表情になった。


「不服かい?」

 エリオは、直ぐにそう問い掛けた。


「いえ」

 サズーは、これまた直ぐに否定した。


 そして、

「出来れば、訓練の内容をお教え願えないでしょうか?」

と逆に尋ねてきた。


(慎重だな!)

 黙っている3人は、サズーに好感を持ったようだった。


 そう、悪者の口車に乗せられたら行けないのである。


「そうだな、一言で言うのは難しいが、クライセン艦隊の一員になる為の訓練と思ってくれ」

 エリオは、尤もらしい事を言った。


 当然、サズーは、その答えに唖然としていた。


 内容が何も知らされないのだから、当然である。


 だが、努めて表情には出さなかった。


 先程は、それによって、付け込まれる結果になったからだ。


「分かりました。

 一日でも早く、クライセン艦隊の一員になれるように、努力したいと思います」

 サズーは、毅然とした態度でそう言った。


 この辺は、平民出身で、シーサクでも苦労してきたという面が現れたのだろう。


 その程度のことは、何でもないと言った感じである。


 悪者に立ち向かう姿勢は、実に頼もしい。


(おおおっ!)

 3人組は、大いに沸き立った。


 3人組が、その辺の意気込みを感じ取ったのは言うまでもなかった。


 が、そこはそれ。


 拍手したいが、何もなかったように、シーンとしていた。


 だが、同時に、「この人物は使える!」と共通認識を持ったのは言うまでもなかった。


 元伯の時とは、ちょっと違っていた?


「ああ、頼むよ」

 エリオはエリオで、サズーを冷静に見ていたようだ。


 サズーの上手い切り返しを、そのまま受け取っていた。


 この辺は、エリオならではであろう。


 基本的には、エリオは度量の広い人間である。


 なので、その言葉は本心であった。


 あっ、まあ、俺に楽させてくれと言った切実な思いがあるのは、余計なの事なので、置いておこう。


「畏まりました」

 サズーは、直立不動でそう言うと、敬礼した。


 100点満点の面接であった。


 エリオとしては、有益な人材をタダで得た満足感があった。


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