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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第4巻  作者: 妄子《もうす》
41.亡命騒ぎ

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その8

 軍港に着くと、エリオ達3人は、会議室へと入った。


 軍港は、エリオの登場と警戒態勢の発令で、膠に慌ただしくなっていた。


「ここまで来て、接触してこないとなると、情報がないと見るべきだな」

 エリオは、椅子に腰掛けながらそう言った。


「そのようですな」

 マイルスターが、その傍らに立っていた。


「呼び出しますか?」

 シャルスは、エリオにお伺いを立てた。


 そのシャルスは、マイルスターの逆側に立っていた。


 会議室はそれ程広くはないが、3人だけだと、やはり、持て余し感が強い。


「まあ、向こうから接触してくるだろう」

 エリオは、シャルスのお伺いにそう答えた。


 シャルスは、エリオの意向を聞くと、頷いた。


 だが、困った事に、そうなると、やる事がなくなるのだった。


 エリオは、それでも構わないと言った表情で、会議室を見渡していた。


(まさか、仕事をサボる為に、ここに来たのでは!)

 マイルスターは、疑問形ではなく、断言していた。


 今のエリオを見ると、そう確信せざるを得なかったからだ。


 とは言え、王宮で取り扱うには不向きな面がある。


 王宮の住人は、悪意があるなしに係わらず、噂好きな人間が多い。


 その為、思わぬ情報漏れが起きる場合がある。


 また、人の出入りが自由という訳ではない。


 なので、普段入る事を許されない人を入れる場合、面倒な手続きが必要である。


 それに、見知らぬ者が入ってきたと言うだけで、格好の噂の的になるのであった。


 つまり、エリオは、ただサボりたいからと言って、来た訳ではなかった。


 そう、ただサボりに来た訳ではないのだ。


 きちんとした理由があって、サボりに来たのだった。


 ん?違う……?。


 コンコン。


「殿下、局長がお見えになりました」

 ノックと同時に、門番が外から声を掛けてきた。


「通してくれ」

 エリオは、思ったより早かったと思いながら許可を出した。


 ちょっと残念に思っていたのは言うまでもなかった。


 マイルスターとシャルスは、やっと来たと思っていたのは、更に言うまでもなかった。


「失礼します、殿下」

 部屋に入ってきたのは、特徴が全くない中年男だった。


 人混みで見たら間違いなく印象に残らない、いや、1人で歩いてもさほど印象に残らないだろう。


 それだけ影の薄すぎる人物だった。


「イチ、情報はあるのかい?」

 エリオは、早速聞いた。


「内外共に、特に、不穏な動きがあるという情報は、ありません」

 イチは、エリオの前まで歩きながらそう言って、立ち止まった。


「そうか」

 エリオは、安心したようにそう言った。


 それは、これ以上仕事を増やされたら堪らんと言った心の声が漏れていたものだった。


「違う方面から来ているかも知れませんが、こちらからの情報です」

 イチは、そう言うとエリオに報告書を渡した。


『シーサク王国フランデブルグ元伯ロイズがルオーラにて亡命を申請。

 同行者は、元伯の妻リオラ、娘リオナ

 元艦隊参謀長 サズー、元副官 イーグ。

 5名は、ルオーラ邸に滞在中』

 と報告者のは記載してあった。


 エリオは、それを読むと、マイルスターに手渡し、マイルスターは、シャルスに手渡し、そして、エリオの元に戻ってきた。


「意外なメンバーだな……。

 全員、家族だと思っていたが……」

 エリオは、この場の全員に情報が行き渡った所で、最初に思い浮かんだ疑問を口にした。


 他の3人も、頷き合いながら同意するのだった。


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