その36
「全艦、取り舵一杯!
ハイネル艦隊と合流する」
サラサは、次のラウンドに備える為の命令を下した。
悔しさをいつまでも引きずっている訳にはいかないのである。
流石に、指揮官である。
表情は、全然戻っていないのである。
まあ、筆者が悔しさという表現したのが、間違いだったのでしょうね……。
なので、まあ、戻る訳ないのですねぇ……。
それでも、フィルタは命令を直ぐに実行すべく、動いた。
そして、サラサ艦隊は右舷回頭した。
「ハイネル伯に伝令。
『現海域から離脱』」
サラサは、意外な命令を、意外にも冷静に出した。
って、あれ?第2ランドは?
フィルタは、物語の流れを気にせずに、この命令も直ちに実行に移したための伝令を飛ばしたのだった。
とは言え、流石、迷将!
きちんと自分の感情がコントロール出来るのですね。
「ワタトラ艦隊、右舷回頭。
ハイネル艦隊と合流する見込みです」
シャルスが、そう報告した。
「ここまでは予想通りですね」
マイルスターは、和やかにそう言った。
エリオは、2人の表情を横目で見た。
とても、正面から見る気になれないからだ。
こう言う時の2人は、碌でもない事を考えていると分かっているからである。
でもねぇ……、エリオがそう思うのは、やはり、可笑しいのである。
「全艦隊に通達。
包囲網を絞り、その後、全面攻勢に出る」
エリオは、命令を出した。
こんな部下達を抱えながら、動じずに命令を下せるのは、流石に『漆黒の闇』である。
だが、なんか変である。
サラサの方は、既に撤退を決めている。
それなのにである。
「うんうん、結構、結構。
手を抜く訳には行きませんからね」
マイルスターは、両腕を組みながら大きく頷きまくっていた。
マイルスターの言うとおり、隙を見せてはいけない相手である。
きちんと、戦いを終わらせに掛からないといけない。
エリオはマイルスターを見ない振りをしていたが、当然不機嫌になっていた。
あからさまに言われるとムカつきますからねぇ……。
一方、シャルスの方は、エリオの命令の徹底化を図っていた。
お笑いセンサーが反応していない所をみると、面白くはないぞうと言った所であった。
でも、まあ、エリオが不機嫌になっているのは、経費換算からすると、一方的に負けだからということに他ならないだろう。




