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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第4巻  作者: 妄子《もうす》
40.第4次アラリオン海海戦

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35/50

その35

 あっちで、ドッカーン!


 こっちで、ドッカーン!


 向こうで、ドッカーン!


 ここでも、ドッカーン!


 エリオ艦隊とサラサ艦隊は既に、本気の殴り合いをしていた。


(う~ん、大丈夫なのでしょうか?)

 マイルスターは、他人事のように戦況を見詰めていた。


 まあ、最早彼の癖みないなもんで、これは直しようがないだろう。


 とは言え、マイルスターの名誉のために言っておくが、この癖は、後天的なものである。


 その原因は、まあ、置いといて、話を戻そう。


 現在のマイルスターの懸念は、強ち間違いではなかった。


 エリオ艦隊とサラサ艦隊は、接近している。


 正面衝突はしないが、すれ違う。


 物語的には、完璧な戦い方である。


 そして、距離が近付いてきている分、着弾地点が艦の間近や、船体そのものになってきていた。


 あっちで、バチャバチャ!


 こっちで、バキバキバキ!


 つまり、被弾している艦も出てきていた。


 ただ、やはり、そこは両艦隊。


 被弾した艦からの反撃は、容易べからずといった感じで、凄まじかった。


 なので、被弾したからと言って止めを刺せる状況にはなかった。


 バキバキ、グラグラ!


 サラサの旗艦も被弾していたが、エリオの総旗艦も同じく被弾し、船体が大きく揺さぶられていた。


 ただ、エリオは、そんな事お構いなしである。


 驚きも焦りもせず、只々ジッとしていた。


 総司令官らしく、剛毅な姿である。


 訳がなかった。


 いつも通り何も考えていない表情だったのだ。


 なので、水兵達は、対抗心から燃えに燃えたのは言うまでもなかった。


 そんなこんなで、砲撃戦は益々苛烈になっていくのであった。




 エリオ艦隊とサラサ艦隊の苛烈な砲撃戦は、両艦隊の陣形を乱れに乱した。


 ただ、両艦隊とも、自分達の陣地というか、海域を守るというか、迂闊に敵の中に飛び込む艦は、だたの1艦もなかった。


 その為、綺麗に陣形同士が分かれていた。


「全艦、砲撃中止!」

 サラサがそう命令を下したのは、両艦隊がすれ違った後だった。


「さて、何とか第1ラウンド終了って所ですかね……」

 バンデリックが、苦笑いした。


「双方、被弾艦多数、なれど、撃沈した艦はゼロです」

 フィルタが、第1ラウンドの結果報告をした。


「……」

 サラサは、その結果に歯軋りしていた。


 無論、不満だからだ。


 だからと言って、それ以上の事が出来たかと言われると、そうではない。


 それも分かって上での悔しさを押し殺していた。


 それを呆れ顔で見ながら、バンデリックは次の報告に移るようにフィルタに促した。


「敵西方艦隊を前方に視認。

 敵総旗艦艦隊の方は、我が艦隊の背後に回り込むようです」

 フィルタは、次の報告をした。




 - 艦隊配置 -


 EC WC

  SR H


 EC:エリオ艦隊、W:西方艦隊、C:中央艦隊

 SR:サラサ艦隊、H:ハイネル艦隊


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