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クライセン艦隊とルディラン艦隊 第4巻  作者: 妄子《もうす》
40.第4次アラリオン海海戦

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34/48

その34

 - 艦隊配置 -


 W

  EC C

 SR  H


 EC:エリオ艦隊、W:西方艦隊、C:中央艦隊

 SR:サラサ艦隊、H:ハイネル艦隊




「このまま、ワタトラ艦隊の左舷を通過する。

 全艦で、砲撃!」

 エリオは、ここに来て全面攻勢の命令を出した。


 やる気なの?


 水兵達もそうは思っていたが、命令が来た以上、砲撃戦を展開した。


 ドッカーン!ドッカーン!


 エリオ艦隊から容赦ない砲撃が、サラサ艦隊に向けられた。


 ドッカーン!ドッカーン!


 サラサ艦隊の方も、容赦なく撃ち返してきた。


 シャンシャンシャンで終わる筈の戦いが、俄に激戦へと変貌を遂げていた。


「向こうもやる気ですね」

 マイルスターは目の前の激戦を見ても、いつも通り和やかだった。


「……」

 エリオは、マイルスターのその言葉には反応を示さなかった。


(大公の思惑通りになるのも癪だしな……)

 エリオは、エリオで別のことを考えていた。


 フレックスシス大公の狙いは、リーラン側を消耗させる事である。


 特に、エリオがどう言う原理で動いているかを徹底的に研究し尽くしていた。


 このまま戦いが終われば、フレックスシス大公の完勝である。


 3対1の割合で、物資を消耗させたのである。


 エリオが、嫌がる戦略を見事に仕掛けてきていた。


 だが、それはこちら側に被害がない、もしくは同等の場合のみ成り立つ勝利条件である。


 ならば、数的有利を活かし、攻勢に出てみようというのがエリオの戦術である。


 サラサ艦隊もしくは、ハイネル艦隊に損害を負わせれば、エリオの勝ちになる。


 なので、こう言った攻勢を仕掛けたのである?




「敵は、こちらを挟撃するのではなく、半包囲網に置く気ですね。

 そして、それはハイネル艦隊も含めてですね」

 バンデリックは、エリオの構想の大きさに呆れていた。


 随分と大きな風呂敷を広げたもんだと言う事である。


 サラサ艦隊をエリオ艦隊が引き付けている間に、西方艦隊が正面に移動、中央艦隊はハイネル艦隊を誘導し、中に押し込める。


 現在の艦隊配置からそう読み取れた。


「腹立つわね、あいつに1発食らわしてやりたいわね!」

 サラサは、バンデリックの指摘をどうでもいい感じでそう叫んでいた。


 それ程、エリオに頭に来ているのだろう。


 それもその筈である。


 先程までの探り合いから、いきなり決戦となる砲撃戦になったのだ。


 主導権を握られたサラサが、黙っている訳がないのである。


 あっ、忘れていたけど、勿論、バンデリックの指摘は、サラサには指摘される前に分かっていた事である。


 サラサの思いは、水兵達も同じである。


 その為、その気持ちが乗った砲弾がエリオの総旗艦目掛けて飛んで行ったのであった。


 ガッシャーン!バキバキ!


 だが、その前に、サラサ乗艦の旗艦が大きく揺さぶられていた。


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