表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クライセン艦隊とルディラン艦隊 第4巻  作者: 妄子《もうす》
40.第4次アラリオン海海戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
25/48

その25

 そんな2人を、シャルスは冷静に見ていた。


 いや、もっと言うと、かなり引いた位置から眺めていた。


 まあ、彼の性格もあるのだが、エリオの副官なので、そうするのが正しいのである。


 ただ、こう言った人物はそうはいないかも知れない。


 何せ、自分の生死に関わる事なのだから……。


「殿下、ワタトラ艦隊が接近中。

 間もなく、視認出来る位置です」

 シャルスはその引いた位置から、生産性のない会話を止めよとばかりに報告した。


 ただ、会話を止められた2人は、特に感想らしきものがなかったのは言うまでもなかった。


 サラサ艦隊の事を忘れていた筈がないからだ。


 寧ろ、最大限の警戒をしており、いよいよかと言った感じになっていた。


「艦隊陣形を変更。

 4艦を前に出せ。

 左右に、5隻ずつ新造艦を付けろ」

 エリオは、ようやく艦隊司令官らしく命令を出した。


 シャルスがその命令を実行させるべく、伝令係に指示を出した。


 そして、そのすぐ後に、

「西方艦隊は、ワタトラ艦隊を追尾中。

 予定通り、挟撃できる位置にいます」

と報告を重ねていた。


「うん」

 エリオは、そう言っただけだった。


 机上にある各艦隊の位置は、常に自分で動かしており、どんな状況でも対応が可能である事を示していた。


 いつもなら、それで安心と言った所である。


(しかし、新造艦隊はどこまでやれるかだな……)

 エリオの傍らで、マイルスターがそう思っていた。


 先程の砲撃で、新造艦隊の力量はある程度掴んだとみていた。


 たった一撃でと疑問に思う所だが、その辺は、変態的な感覚の持ち主である。


(とは言え、新造艦の右翼に攻撃が集中してくるかな?

 その時、どこまで持ち堪えられるかだな……)

 エリオにも、一応不安がない訳ではないようだ。


 これまでの航海、砲撃は、まあいいとしよう。


 しかし、一番予測が不可能なのは、攻撃に晒された時である。


 こればっかりは、実戦で見極めなくてはならないのである。


「ハイネル艦隊も、タイミングを見極めて反転してくるでしょう」

 マイルスターは、一応総参謀長らしく注意喚起した。


 まあ、当然、その事はエリオも織り込み済みだろう。


 だが、まあ、職務上、それを指摘しない訳にはいかなかった。


 エリオの中では、対応策はあっても口に出していないからだ。


「ま、その辺は大丈夫だ。

 上手く対応してくれるだろう」

 エリオは、既に対応済みである事を口にしていた。


 この口振りだと、ハイネル艦隊の一時退却も想定の範囲内だと思われる。


 ならば、右に行った場合と左に行った場合も想定していたのだろう。


 更に言えば、ハイゼル侯のように突撃した場合も想定していた。


 やはり、この辺が『漆黒の闇』なのだろう。


 慌てる素振りが全くなく、全てを闇に引きずり込んでいくのである。


「了解しました」

 マイルスターは、納得したようにそう言った。


 ここに、伊達に3個艦隊を投入して、数的有利を作り出している訳ではなかったのだった。


 ただ一番やってはいけない事は、これ以上敵の戦略目標の達成度合いを上げてしまう事である。


 ま、言うまでもなく、戦術的敗北を期する事は避けなくてはならないのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ