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第四章 コミュ障陰キャぼっちにも青春はありますか? 第十九節

いつもこたえに辿り着くには遅すぎて…

日本には自称進学校という言葉がある

意味合いとしては大学や専門学校への進学を目指すと謳っておきながら実際はそうでもない学校のことを指す

大抵の場合、この手の学校は進学に向けたサポートと言う名の課題や補習、講座なんかを(無駄に)多く行なって生徒を苦しめるもののなのだが…

私達の通う桜水高校も例に埋もれずその一つだった…


「あ、えと…大丈夫?」

途端に喋らなくなった真凛を見る

さっきまで次のライブへのやる気に満ちていた彼女の表情は暗く明らかに動揺していた

「え… ねえ、期末試験とか冗談だよね…」

「ええっと… すごく言いづらいけど本当だよ」

真凛の表情を見て苦笑いした綾乃が言った

「ちょっ ちょっとまって、うちの学校ってたしか中間と期末の両方で赤点取るとテスト終わった後の土日に補習だよね!?」

「まぁうん…」

自称進学校を名乗る桜水高校では年に数回の中間試験と期末試験がある

その両方で赤点を取ってしまうと進級や卒業に影響がでることから救済処置としてテスト期間後の週末に補習と追試が行なわれることになっていた

問題はその補習が丸二日、全ての自由を奪われて補習させられることだった


「てかもし補習になったらライブどころか夏祭りにもいけないじゃん!?」

「でも、流石に赤点は…」

カレンダーを指さして絶叫する真凛の声に私が被せた

進学校といっても桜水の偏差値は他の学校より少し上ぐらいだしそもそも赤点のボーダーラインも低い

だから授業をちゃんと受けていれば最低限赤点は回避できるはずで…

「……n」

「真凛?」

「ちゅ、中間で五教科赤点なの……」

すがり吐くように私に寄りかかりながら真凛は言った


蚊帳ノ蓬は目の前が真っ白になった……


意識を無理やり現実に戻す

「あ、えと…その…なんていうか…」

「よ、蓬もこっち側だよね…?」

何かに期待するような視線で見つめられる

その視線に一瞬嘘でも同じだよといってしまいそうになったけど流石に残酷なのでやめた

「すごく言いづらいけど… 赤点はない…かな」

「そ、そんな…」

仲間を見つけられず床にひれ伏す真凛…

その姿をかわいそうに思いながら綾乃の方を見る

「綾乃は…大丈夫だよね?」

「あ、うん 時々休んでるけどテストは問題ないかな」

せめて綾乃が大丈夫だと分かってほっとする

それを見ていたメイリンちゃんは私に近づくと言った

「蓬は不安な教科とかありませんカ?」

「あ、うん 全体的に平均よりギリ上ぐらいだから大丈夫かな…」

中間試験での学年順位も真ん中よりやや上…は言い過ぎな気もするけどテスト勉強もそこそこ順調だしこのままいけば平均点ぐらいはいけそうだった


「ふーんそうなんデスね… ちなみにメイリンは現代文が苦手です!」

「あ、うん… 頑張って…」

「現代文がニガテです!」

メイリンちゃんは謎のアピールをしてきた

なんて反応した良いか分からなくて綾乃を見ると地面に崩れ落ちたままの真凛を心配そうに慰めている

そこでふとさっきから何も話さない天城くんと大倉くんを見ると…

「廻兎、お前は大丈夫なのか?」

「え、大丈夫ってなにが? 試験とかその…ヨユーだけど? てかそういう龍弥は胴なんだよ」

「……まあ最悪サボれば」

どうやらあちらはあちらで絶望的な状況みたいだった

天城くんは普段より余裕がなさそうだし大倉くんにいたってはテストをサボろうとしている(論外)

このなんともカオスな状況をどうにかしないと夏祭りもライブへの参加もムリだった

「もう! ですからメイリンは蓬に勉強を教えてもらいたいんです!」

「あっ…」

メイリンちゃんの一言で思いついた

思いついたと言うには何とも単純な解決策で

それなのに気が付けなかったのきっと私がコミュ障陰キャぼっちだからなんだろうなと思いつつ…


「あ、あのっ…」


教室にいる全員に聞こえるように大きな声で話した


「みんなで勉強会を…しませんか?」


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