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第三章 コミュ障陰キャぼっちでもライブはできますか? 第七十六節

起床転欠

かすかな光が瞼に当たってゆっくりと目を開けた

僅かに頭が重い気がして意識がを取り戻すに連れて頭痛が存在を主張を始めた

けど意識を失う前の耐えられないほどの痛みとはほど遠く身体の暑さも震えるほどの悪寒もほとんど亡くなっていた

視界がはっきりしてくるとそこには見知らぬ天井が映る

「……」

ふと横を見たらそこには小さなテレビとや引き出しの着いた台が置かれていて…

なんとなくここが病院だってことは理解できた


「まりん?」

「…ぁ」

聞きなれたそれでいてどこか懐かしいような声がしてかすかに頭を傾ける

視界の端、ギリギリその顔が見えるぐらいの位置に彼女は座っていた

「カタノ…ちゃん?」

さっきまで見ていた夢と意識が絡まってそんな言葉を呟いてしまう

「良かった… 目が覚めて…」

そんなことは気にもせず彼女はどこか安心したようなほっとしたような表情でそう呟いだ

「大丈夫? とりあえず誰か呼んで…」

立ち上がった彼女の服の裾を掴む

ほとんど手探りだったから気が付かなかったけどどうやらそれはスカートだったらしい

「わっ…」

「ごめん…」

躓きかけた彼女に謝る、彼女は驚きながらもううん、大丈夫と言って椅子に座り直した



 真凛が目を覚ましたことを誰かに知らせようとして立ち止まった

「あ、えと…」

「ごめん、迷惑かけて…」

「迷惑だなんてそんな…」

光を失ったみたいなそんな色を瞳に写して真凛は言う

ただでさえこういう時、なんて声をかけたらいいのか分からない私はただそう呟くしかでいなかった

「あれから、なにがあったの?」

「…真凛が倒れて、それから病院に運んでもらった」

どう話したら真凛が傷つかないか慎重に言葉を選びながら話しはじめた

「それで、近くで大きな事故があったせいで救急車だと遅くなりそうで…だからメイリンちゃんにお願いして…」

「アイツが?」

静かに呟いた真凛の声はどこか複雑そうな感情が籠っている

「…うん メイリンちゃんの車で彼女のお父さんの知り合いの病院まで…」


「そう…」

気力のない返事はまだ体調が悪いからなのかそれともメイリンちゃんに貸しを作ったことに対する後ろめたさからなのかは分からなかった

「あ、えと… 飲み物とかいる? 寒かったり熱かったりとか…」

「蓬は、優しいね…」

「あ、いや… そんなことは…」

ただ呟くように話す真凛はとても弱弱しく見えて、まるで別人みたいな本当に真凛なのか疑ってしまいそうになるぐらいだった


沈黙は重い

普段なら無視できるそれも今はただ拷問のように澱のように私のことを満たしていく

「真凛…」

言葉が出ない、でも何かを話さないといけない

このまま沈黙に身をまかせてはいけない

それなのに…今の私には力なく名前を呼ぶことしかできなくて

「…蓬」

真凛が私の名前を呼んだ

呼んだというよりも呟いたというほうが正しいかもしれない


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


沈黙











「私、バンド辞めようと思うんだ」




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