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第三章 幕間 救済と魔女

その時はただ夢中で


勝手に身体が動いていた

「真凛!? 大丈夫!?」

綾乃の声が音楽室に響く

驚いて振り返った私の目には床に倒れた真凛が映った

「どうしたの!?」

「真凛が急に倒れて… 意識もないみたい…」

駆け寄った私に綾乃は状況を説明してくれた

倒れた真凛を抱え上げて何度も声をかけている

「ちょっとごめん」

綾乃から真凛の身体を引き受けて呼吸の状態を確認する、息苦しそうだけどちゃんと呼吸はできてるみたいだった

それから手首から脈を取る、たぶんだけど正常範囲内だ

身体が熱くなってるから熱が出た可能性が高い

熱中症の可能性もあったけどちゃんと水分は摂っていたし部屋の温度も高くない


「とりあえず、救急車、呼んだほうがいいかな?」

「いや、さっきネットニュースで見たけどこの辺りであった事故で通行止めが起きてるみたい それに救急車も出払ってるらしいからあんまりあてにならないかも 救急車が到着しても受け入れ先の病院が見つかるまで時間がかかりそうだし…」

真凛の状態に注意しながらスマホで付近の交通状況を確認した

詳しい原因までは分からなかったけどかなり大きな事故のせいで付近の交通状況はかなり麻痺しているようだった

ここにまで聞こえるぐらいのサイレンの音が耳を劈く

「蓬ちゃん?」

「綾乃、真凛のこと見ててもらえる? できれば天城くんと大倉くんに連絡して真凛が運べるように準備しておいてもらえると助かる それと私のタオルを置いていくからそれを濡らして真凛の額に乗せてあげて」

「う、うん 分かった…」

真凛のことを綾乃に任せて私は音楽室を出た


勢いよく音楽室を出ると階段を走って降りた

途中で転びそうになりながらもなんとか耐えた

階段を降りた先で天城くんに会った

「蚊帳ノさん? どうかしたの?」

「はぁ…… はぁ… 真凛が… たお…れて…」

息も絶え絶えに天城くんに今の状況を伝える

それを聞いた天城くんは驚いた様子で言った

「はぁ? えっそれってどういう…」

「とにかく… 女G櫛津に戻って…」

「分かった!」

天城くんは急いで音楽室に向かっていった


それを横目に私は再び走り出す

右手でスマホを取り出すと今まで数回しか使ったことがない通話アプリを開く

連絡先からつい最近、登録したばかりの番号にかけた

「……」

わずかにコール音がしたあとで電話が繋がる

「もしもし?」

「はい、蓬のメイリンです 珍しいですね蓬から電話してくるなんて メイリンはいつでも大カンゲイですけド…」

「今…どこ?」

乱れたままの呼吸でなんとか用件を伝えた


するとそれを聞いたメイリンちゃんは不思議そな声で言った

「すぐ近くですヨ?」

「近く… ってうわっ!?」

振り返るとほんとにすぐ近くにメイリンちゃんは立っていた

「そんなに慌ててどうしたんですか?」

「あ、その… さっき、真凛が通れて… それで…」

言いたい言葉が纏まらない 自分でも上手く説明できてないのが分かった

私を見つめて不思議そうにしているメイリンちゃんに私は…


「メイリンちゃん… 助けて…」


本当に言わなければいけないその言葉をなんとか口にしたのだった


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