他領訪問~東方領~ 統制不良
14時37分
「…確認していいか?」
「なんだと?」
ジョンの演説が終わり、晴れて”交戦状態”へと突入した東方領と久慈屋達。しかし、その始りはあまりにも静かだった。それもそのはず、先程のジョンの最後のセリフが、久慈屋たちへの捕縛命令だったのだが、ここにいる守備兵はまず演説の内容からして理解に乏しかった。
一方で、リリーは静かに口を開き質問する。その雰囲気は禍々しささえ感じさせる。
彼女の後ろにいる久慈屋たちにはその表情をうかがい知ることは出来ないが、恐らく般若も泣いて逃げ出すようなものと化していることは想像に容易い。
ジョンは壊滅的に悪い察しのおかげでそれに気づかず、リリーに真意を問いただした。
愚鈍というのは、ある意味では最強と言える。
リリーの静かな問いかけに、ジョンは苛立ちを隠さずに皮肉いっぱいに返答する。
彼以外はその意図に気づいていた。これは質問ではなく、”確認”だ。
行動をする上での、正当性を確保するために。
「私の聞き間違いでなければ、貴様は今、東方領を王国から引き剥がし、我らの敬愛する国王と、協力を築こうとしている日本に対し、牙を向く。そう聞こえたのだが、違うか?」
「なんだ。王国一の学者先生がそんなことも理解できんのか?王国も」
「敵同士、でいいんだな?」
「…そうだ!…貴様ら、なにをしておる!?敵を捉えんか!?」
ジョンは苛立ちをさらに募らせ、後ろに控える守備兵に怒鳴りつける。しかし、彼らはまだ状況を飲み込めない。それに、彼らを捉えろということは、アミナやリリーとやりあえと?虎の尾を全力で踏みにいけという命令には、誰もが理解することをためらっていた。
一方で、リリーはジョンの返答を受けて言葉を紡ぐ。その始りが”謝意”だったのだから、人によっては恐怖しか抱かない。
「そうか…感謝しよう…」
リリーはゆっくりと顔をあげる。そして、ジョンに対して地獄でもそうそうお目にかかれないほど邪悪な笑顔を浮かべて言い放った。
「貴様を殺しても構わん口実が出来た…!」
発言と同時にリリーの周りに得体の知れない光が灯り、窓も扉も空いていない屋内にかかわらず弱い風が渦巻いた。アミナは少し苦笑いを浮かべる。彼女はこの雰囲気に覚えがあった。彼女の怒りが増大すると、強力な魔力を体中から垂れ流しにする。大きな魔力を一度に限られた部分にだけ放出すると暴発の危険がつきまとうため、魔力を調整してそれを防ぐ彼女の技だった。つまり、これを出したときは強大な魔法を繰り出す可能性があることを示唆している。
アミナの予想通り、リリーは詠唱も杖も無しで突然攻撃魔法を放った。
リリーとジョンの間に突然”水の壁”が出現する。大の大人よりも一回り大きいそれは、1秒足らずで水の塊へと変貌し、ジョンへと高速で押し寄せた。ジョンは為す術もなく、それを全身で受け止める。
「ぐべぇっ!?」
潰れたカエルのような声を出して、自身が身の程知らずにも”玉座”と呼ぶその椅子もろとも背面の壁に叩きつけられる。その様子に、傍らに居たキツネ顔の子息は物陰へと身を隠す。
これを狼煙として、東方領との戦いが本格的に始まった。領主が潰されたことにより、自分たちが戦争状態にあると認識した領軍の守備兵たちは、慌てて自分たちの武器を手にし始める。
しかし、リリーとアミナにはその行動も遅かった。
「アミナ!」
「了解、排除する!」
リリーの掛け声と同時に、今度はアミナが魔法を放つ。彼女が放つ魔法は、以前の水や風という原理がわかりやすいものを使役していたが、最近は全く解らない事が多い。今守備兵を飛ばしたのは、淡く光る球だった。こちらの学識に、南方領の秘技も加わっているらしい。
「退路の確保を優先して!!」
「わかってるって!」
次々と兵士を吹き飛ばすアミナ。ただ、ちらほらと対抗するものも増えてきた。しかし無謀なのか勇敢なのかは区別がつけられない。なにせ、アミナやリリーによって守備兵は誰も久慈屋たちに近づけないのだ。命令を下したジョンは呻くだけで役に立ちそうもない…あれで生きてるとは、存外に丈夫なのだろう。
しばらくして、室内で無事な兵士が少なくなってきた。そろそろ逃げ出す時だ。久慈屋はジルの肩を叩く。彼女は楽しそうに頷いた。そして、引きつった顔で固まる官僚たちにも声を掛ける。
男共はあれを片付けなければならない。
「…扉ぶち破るぞ!」
「え、僕もですか!?」
「…男は度胸!行くぞ!」
久慈屋の言葉に圃場は戸惑い通しで情けない声を上げる。一方で、和泉はそんな圃場に発破をかけた。ぱっと見は和泉のほうが弱そうなのに、人は見かけによらないものだ。
久慈屋たちが息を合わせて一気に駆け出す。そして、扉へその体を全力を持って叩きつけた。
大の大人の男3人が一斉にぶつかれば、大きいとは言え木製の扉は蝶番から壊れる。重要な部屋くらい丈夫に作ればいいとは思うが、あの領主じゃそこまで考えは回らないだろう。
久慈屋たちは衝撃でそのまま扉と共に廊下の外へと倒れ込む。
その後ろにジルとアミナが続く。アミナは身体をさすって痛がる久慈屋たちに思うところがあったようだ。しかし、久慈屋も反論せずにはいられない。ジルは本当に楽しいのか、明るい表情でそわそわとしている。これは多分脳内快楽物質が出ていると考えられる。
「こんくらいでみっともない!」
「うるせぇ!こちとら内勤の官僚と科学者だぞ!?腕っぷしなんかあるもんか!」
「威張って言うことじゃないねぇー」
久慈屋は、彼に気の抜けたツッコミを入れたジルに手を借りる。
圃場や和泉も大した影響もなく、自力で立ち上がった。
まずは領主官邸を出る。そして都市圏だけムダに広い東方領都に紛れて救出を待つというのが作戦だ。
…作戦と言えるほど、緻密なものではないが贅沢言っていられない。
久慈屋たちは走り出した。
14時59分 東方領主官邸1F 北側大廊
「おい、どっちだ!?」
「えーと…次を右!」
「…本当だろうなぁ!?」
久慈屋たちは領主官邸を駆けずり回り出口を探す。しかし、その道は入り組んでいてリリーの察知魔法による道案内がなければ、普通に進むのも大変だ。
リリーの指示通りに通路を曲がると、目の前に守備兵の一段が現れた。久慈屋たちを見て驚いたところを見ると、”命令”を受けて出てきたは良いものの、本当にやるのか疑問だったのだろう。久慈屋たちが必死に逃げているのを見て、それが事実だと認識してしまった。
久慈屋がリリーたちに状況を報告し、”排除”を要求する。
「兵士がいるぞ!」
「了解!」
アミナが再び魔法を放つ。光弾のような円球の物体が彼女の手から放たれ、兵士の一段をなぎ倒す。相応に衝撃があるようで、そのまま動けなくなった。
久慈屋たちはその兵士たちを飛び越えながら逃げ続ける。そして、念の為確認をとった。
それは、事前打ち合わせで出たある条件だ。
「なあ、さっきからばかすか魔法放ってるけど、”殺してない”よな!?」
「信用して!全部”無力化”に抑えてるから!」
「なら良し!」
「…骨の2,3本は折れてるだろうけど!」
リリーが問題ないことを答え、アミナは多少の”負傷”はやむを得ないことを伝える。
久慈屋たちもその点は認識していた。
圃場たちは、戦闘行為が発生した場合、”敵側に犠牲者を極力出さない”という条件を付けた。理由は簡単で、”全ての事態が収束した後の事後処理が大変になる”という一点だった。下手したら、正当防衛が立証できるまで、日本側の法律によりリリーたちを拘束する必要が出てしまう。王国との関係を考えると絶対に避けたい事態だ。
そのうち久慈屋たちの眼前に、ひときわ大きな扉が出てきた。先程も見た正面玄関だ。
出口まで後少し。久慈屋たちは必死に走り続ける。しかし、突然扉が勝手に開き始める。
そして出てきたのは、今までで一番多い守備兵の一団だった。
その後方には、小柄な醜男が大声で威嚇をしていた。
「こ、ここは通さんぞぉ!?」
「あれ誰!?」
「あー、バカ領主の長男坊よ!」
「ねー!流石にあの数は”殺さずに”排除するの無理ー!」
久慈屋たちは急停止して策を練る。守備兵の数は30名前後。小隊規模だ。
リリーやアミナたちの力があれば、蹴散らすことは容易い。しかし、先程の条件が重い足かせとなってしまっていた。アミナは、犠牲者を出さないことは難しいと進言する。
圃場たちはそれに難色を示す表情を浮かべる。リリーとて、面倒事をこれ以上増やしたくない。
それに、二人の姿を見た守備兵は縮み上がっていた。どれだけ有名人なんだろうか、この魔法女共は。
リリーは小さく舌打ちする。そして息を吐いてから久慈屋たちに向き直ると、別の指示を出した。
「解った、戻って!」
「えっ、大丈夫なのか!?」
「ええ、一個思いついたわ!あそこを右に曲がって!」
「はいはい!」
久慈屋たちはリリーの言うとおりに再び走り始め、指示された方向へと進む。
領主の長男である醜男は、慌てたように進軍命令を出した。命令を受けた小隊の足取りは、リリーたちを相手にするという事実に非常に、重いように見えるが。
「そこを左へ!」
「なんでこんな入り組んでるのかね!?」
「建築計画も立てられないんじゃなーい?」
先程から右に左にと入り乱れ続ける方向に、流石に久慈屋も愚痴をこぼす。城塞だからこそのこの迷路のような複雑さだとは思うが、流石に無駄な通路が多すぎだ。これは無計画な増改築の結果ではないかとジルが指摘する。先鋒を務めるアミナは少し振り向いておどけた表情を一瞬見せる。どうやらジルの予想が正しいようだ。呆れ返る他ない。
久慈屋は先程からの経路を頭の中で反芻する。どうやら、領主官邸の東端に向かっているようだ。
しかし、久慈屋たちは次第に不安に襲われる。あれだけあった曲がり角が途端に少なくなった。さらに、今までの普通の建造物という雰囲気から、徐々に薄暗くて湿気の多い劣悪な環境を思わせる。
久慈屋は流石にリリーに確認を取った。
「なあ!ここ一本道じゃないか!?雰囲気も変だぞ!?」
「ええ!それでいいの!」
「おい、どうする気なんだ!?」
「”籠城”よ!」
久慈屋たちは疑問を浮かべた。”籠城”とはどういうことか?それに、どこに?
その疑問はすぐに解消されそうだ。目的地と思われる扉が見えてきた。
木製の朽ち果てた扉。鉄枠は錆が酷く、木材はささくれだらけで手入れもされていない。そして特筆すべきは、まるで来るものを拒むかのような、漆黒とも取れるような異常な瘴気だった。
「あの扉へ!」
「リリー!ここで防衛!」
「はいよー!」
あの部屋かよ。久慈屋たちは嫌な予想が当たったことに少し落ち込む。ただ悠長なことを言ってられない。すでに背後には、3個小隊程度の守備兵が、小柄な醜男の怒号と共に迫っていたのだ。
「圃場、和泉!もう一度ぶち破るぞ!」
「またですか!?」
再びの”実力行使”宣言。思わず圃場が情けない声を上げてしまう。
久慈屋は圃場の肩を叩いて奮起を促す。彼はそれにぎこちない真面目な表情で答えた。
そして、久慈屋たちは叫び声を上げながら小さい扉へと再び体当りした。
この扉は見た目通りに劣化していたのだろう。久慈屋たちの体当たりにより、真っ二つに割れてその役目を終えた。
しかし、ここの扉がそれではまずい。領主の間のように逃げるために破るのではなく、入るために開ける必要があった。この部屋に籠城するのためだ。いつの間にか部屋に入っていたジルは、壊れた扉を突っつきながら呆れた溜息を出す。久慈屋は思わずリリーたちに声を上げた。
「おい、リリー!アミナ!」
「わかってる!」
「リリー、先に行って。」
「はいよ!」
二人は殿を務める形になっていた。リリーが目指したこの部屋までの通路はあまり幅のない一本通路。退路はない。
アミナがリリーへ先に部屋へ入るように促し、リリーはそれに従った。その様子を見た久慈屋たちは、流石に100人近い守備兵を、彼女が一人で相手にできるのかと心配になった。
しかしそれは杞憂だった。
アミナは先頭の20人程度に的確に魔法を放つ。彼らは死にはしないもののそれなりのダメージを受け行動不能になった。鳩尾に、足に、眉間。急所を的確に狙い、一人、また一人と彼らは蹲る。
結果、後方の守備兵は足止めされた形になった。進まなければ死ぬような戦場でなければ、友軍を踏み付けて歩を進めることは流石に躊躇する。これは、アミナの軍人としての経験が生きた珍しい例と言える。
足止めされた守備兵の間から、小柄の醜男が前に出てきてアミナに負け惜しみを言い放つ。
しかし、彼女があいつの言葉をまともに受けるわげない。
「この魔法狂が!狼人風情が小癪な真似を!」
「雑魚が喚くんじゃない!あとね!」
程度の低い挑発を流したアミナは、突然跪いた。その様子を後ろから見ていた久慈屋たちは何事かと息を呑む。しかし、リリーが彼らに静かに”距離を取れ”と合図したため、なにかでかいことをやらかすのだとすぐにわかった。
アミナは床に手をおいて顔を上げる。そして、先頭の醜男と守備兵を見ながら”獰猛に”笑って、言い放った。同時に、彼女の周りには淡い光が漂い始める。
「ここは今日から”通行止め”だ!」
その瞬間、アミナを包んでいた光が床や壁の石垣に吸われて消え、その隙間が怪しく光る。そして秒も経たないうちに大音響と共に崩壊しはじめた。壁は破裂するように倒れ、天井は布切れのように垂れ下がり、床は大波のように波打つ。どうやら、アミナが放った魔法は、石材の材質を”分子レベルで無茶苦茶にする”ことを目的にしていたようだ。
醜男は我先にと逃げ出し、守備兵もそれに狼狽えながら続く。
そして、衝撃と土埃が収まった後、その部屋へと続く通路は完全に閉ざされていた。
15時20分 東方領主官邸1F 領主の間
「い、痛い!痛いいいいい!」
「ち、父上!お気を確かに!」
「早く治癒せんか!」
「は、はい…おい!早く治癒師を呼べ!」
ジョンはやはり生きていた。無駄な頑丈さは、ある種の悪運の現れかもしれない。
しかし、その様子は醜悪以外の何物でもない。おそらくはただの打ち身であろうに、脇腹がえぐられたかのような騒ぎぶりだ。もちろん、周りの守備兵は表には出さず、嘲笑の念を持ってそれを見ていた。
三男のレゾルだけは、父親の痛々しい姿に心を痛めていた。彼は周りにすぐに治療を施すように声を荒げる。
結果、アミナに手酷くやられた守備兵の治療をしようとしていた治癒師が無理やり充てがわれた。守備兵の方は脂汗を流し、折れた腕を抱えているのに。
治癒師の治療はすぐに完了した。なにせ、大した傷ではないのだから。
痛みが消えるといつもの態度に戻り、強がりを言って体裁を取り繕う。もう遅いが、彼は気づかない。
「…ふ、ふん!これほど大したことではなかったわ!」
「流石、父上は逞しいのですね。」
レゾルの言葉に満足気に頷くジョン。周りの守備兵はただの茶番にため息しか出ない。
そこへ、領軍の指揮権を持たされたトイドが戻る。ジョンはその顔を見ると、すぐさま報告を促した。
「おお、トイド。あいつらは捕縛したか?」
「…申し訳ありあせん。彼奴らは、”孤独獄屋”へ逃げ込みました。通じる唯一の通路は狼人が完全に破壊。変人ウェストの次女が妨害魔法を大規模に展開したため、接近は困難です。」
「…」
吉報をもらえると思い込んでいたジョンは、トイドの失敗報告に表情を一変させた。赤黒く変色した表情は醜さを増す。ジョンはゆっくりとトイドに近づき、彼の鼻先へと自身の顔を近づける。そして、叫んだ。
「ふざけるなぁ!?貴様、あれだけの軍を動かしながら何をやっておるんだ!?」
「大変申し訳ありません!」
「この愚図が!私の息子とは思えん失態だ!恥を知れぇ!?」
感情的というのがこれほど似合う場面もない。嘲笑、侮蔑、人格否定。あらゆる罵詈雑言でトイドを叱りつけるジョン。トイドは恐縮しきりだった。大の大人が、うっすらと涙を目に浮かべるほどに。
ジョンの息が続かなくなったところで、醜悪な叱責も一時停止となった。
そこでふと、トイドに一つの案が浮かぶ。彼はすぐさまそれをジョンへと提案した。
「…父上、失策に関しては面目次第もございません。しかし、一つ妙案があるのです。」
「ほう、なんだ?言ってみろ!」
「…このまま、彼奴らを”捉えたこと”にしてはどうでしょうか?」
「…続けろ!」
元の計画では、リリーや久慈屋たちの身柄を拘束。そのうえで独立と宣戦布告を宣言し、日本へ進軍。
そこで交渉を求めてきた日本に、久慈屋たちの解放と引き換えに協力を要請、国王領へと軍を進め、王国を掌握するという手筈だった。
戦略としては、あながち間違いではない。交換条件を盾に要求を行うというのは、取引の常套手段だ。
ただ、リリーとアミナの戦力評価が一切なされていない時点で、計画としては破綻していた。
しかし、トイドが退路を絶ったおかげで、彼らは領主官邸内に留まらざるを得なくなった。
ラッキーパンチではあるが、利用しない手はないというのがトイドの提案だ。
それに逃げ込んだ先は”孤独獄屋”。1日以上正気でいられるとは思えないと彼は語る。
彼は、見た目も能力もほとんどジョンと瓜二つだが、ほんの少しだけ知恵が回るらしい。
ジョンは少し考えたあと。顔を上げてトイドへ言った。その表情からは、先程の憤怒は消えていた。
「…流石だ!それでこそ私の息子だ!」
「もったいなきお言葉。恐縮です!」
「彼奴らが投降したら、ウェストの次女は貴様が好きにしていいぞ!」
「はい、ありがとうございます!」
絶対にあり得ない褒美を提示され、無邪気に喜ぶトイド。
ジョンはそれを見て満足げだ。まだ自分の負けが決まったわけではない…と、思っている。
無知というのは平和への近道なのかもしれない。
ジョンは立ち上がり、丈の合わないローブを靡かせて呟いた。
「…さて、では発表するか。私の勇猛なる行動の第一歩を。」
彼はこれを善行だと思っている。だからこそ、”周知する”ことが使命だと考えていた。




