27話 みどりのギャギャ
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領主邸から街へ馬車で向かう一行。
時間にして10分程だ。
直ぐに着くだろうと談笑していた所で馬車が止まり声が掛かる。
「マナ様、ミナ様、丁度良い実習が出来そうです。」
扉が開き外に出る一行。
マール先生に促され林の方を見ると、角を持ったウサギが1羽いた。
「良いですか二人共。魔法が使える、戦闘の技術を磨く。確かに良い事だと思います。
ですが、いざという時に使えなければ意味がありません。
相手は魔物かも知れません。人かも知れません。
そんないざに備えて練習をしておきましょう。」
「「はい、先生!」」
「ふふっ。そんなに緊張しなくて大丈夫よ。
今回の獲物はウサギだからね。
頭の所にある角さえ気を付けてれば、村の子供でも狩る事は出来るわ。
今日はミナ様の武器は持ってきて無いから、マナ様の魔法でお願いしようかしら。」
回復師のスキルを持つミナ姉様は普段は武器での攻撃らしい。
今回は攻撃魔法を使えるマナ姉様の出番だ。
「マナ姉ちゃん、頑張れ~」
角ウサギに向き合うマナ姉様。
集中して魔法を放つ。
「ファイヤーボール」
浮かび上がった3つの火の玉は飛び出し、無事に角ウサギに命中した。
きゅぅ~パタン。
討伐完了である。
「へっへーん、どうよどうよ♪」
「マナ姉ちゃん凄い凄い!」
マナ姉様は単純な所があるので、とりあえず褒めておこう。
「先生、どうでしょうか?」
「う~ん、40点って所かしらね。」
だいぶ辛口の採点のようだ。
「えぇ~40点…」
「まず見て頂戴。お肉も毛皮もボロボロよ。
冒険者としては勿体ないの一言ね。
それと森や林で火の魔法は山火事に繋がる危険性もあるわ。
風や土、水、氷、雷、なんかの魔法が最適だったかしら。」
「は~い、先生。分かりました。」
冒険者視点の倒し方、勉強になるなぁ~。
角ウサギや採取について話をしている所に先生のストップの声が入る。
「ちょっと待って!何か来るわ。」
ガサガサガサッ
バッ
全体的に緑色の小鬼のような物が林から出てきた。
「ギャギャ!?ギャァ?ギャッ」
小鬼は炭化した角ウサギを一瞥し、焦点をこちらに合わせて来た。
と、ここでレイトンと目が合う小鬼。
このメンバーの中で一番小さい子供に狙いを定めたようだ。
獲物として見てくる小鬼に後退るレイトン。
ステータス的には圧倒しているだろうが、気持ちの持ちようは完全に負けていた。
そこへ横やりが入る。
「エアースラッシュ!」
ザッ!
小鬼の頭が空を舞う。
マール先生の風魔法で一撃だったようだ。
「大丈夫?レイトン様。」
「は、はい。大丈夫です、先生。」
気持ちの上では飲まれていたが、立て直すレイトン。
「この緑色の小鬼はゴブリンね。どうやらさっきの角ウサギはゴブリンに追われていたようね。
でも、どうしてこんな街の近くにゴブリンが…?」
ゴブリンが街の近くに出る事は不思議な事なのだろうか?
成り行きを見守るレイトンであった。
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