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逆襲は断頭台より愛をこめて  作者: てんてんどんどん@★虐待されていた商家の令嬢5巻発売中♪


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5話 攻略キャラ

 

「本当にリリーシャは刺繍が上手ね」


 私がプレゼントをした手作りのハンカチを嬉しそうに受け取って、セリナが微笑む。

 あれから2年。私は7歳になった。


「これはお父様の分」


 と、もう一つハンカチを渡すと、セリナが「あら、色違いのお揃いにしてくれたのね。天国のパパも喜ぶわ」と嬉しそうに目を細める。


 本当に難しかった。

 周りの子供を観察し、それよりは上手く、かといって大人レベルにならないように苦労したのだ。


 セリナはプレゼントをすると本当に嬉しそうに褒めてくれる。

 公爵であったリリーシャの父亡きあとはミラカルト公爵としての政務をこなしているため、娘との時間が少ない負い目なのか、そばにいるときは必ず相手をしてくれるのだ。


 そして――


「頑張ってくれた、お礼に何かリリーシャもしてほしいことがないかしら?」


 と、笑う。


 ほらね。子供に甘い。

 計画通りだわ。


「はい。お母さま、どうしても行ってみたいところがあります」


 と、微笑んだ。


「お嬢様、離れないでくださいね」


 そう言って、メイドのレナが私の手をしっかりと握った。

 ここは豊穣祭の祭り会場。

 本来貴族の令嬢が来るような祭りではないのだが、刺繍のお礼として特別に許してもらえた市民の祭り。


 ……もちろん過保護なので平民に扮した護衛がたくさんいるのだけれど。


(……過保護すぎるわ)


 平民の格好をしている衛兵たちを横目で見つつ、ため息をついた。

 本人たちは頑張っているつもりだけど、身のこなしからちょっと浮いている。


(こんなに護衛がいたら、課金アイテム屋に行きにくいんだけど)


 私がここに来たのは理由がある。

 回帰後、リリーシャの運命を大きく変えることになる「なんでも屋」。

 チュートリアルで回帰の理由を聞き、課金アイテムを買えるのだ。

 一度来てしまえば、アイテムショップに行くための鍵がもらえ、いつでも店に行けるようになる。


(課金アイテムには便利なものがたくさんある。セリナの死亡フラグ回避のために行けるなら行っておきたいもの)


 そう思い、メイドのレナを巧みに導きつつ、課金アイテム屋まで来るけれど……。


 Closed


 店のドアに掲げられた看板。


(……やっぱり、回帰前は開いていないのかしら?)


「どうかしましたか?お嬢様?」


 立ち止まった私にレナが話しかけた。


「ううん。なんでもないわ」


(課金アイテムを買うのはあきらめたほうがよさそうね――)


 思った瞬間。


「ショックー!!今攻略キャラいたじゃん!!」


 声が聞こえた。少女の声。


(――攻略キャラ!?)


 慌てて私が振り返る――が、そこは人だかりで、誰が発言したのかわからない。


「お嬢様?」


「今、女の子の声したけれど、どこかしら?」


 慌てて、追おうとするけれどレナにギュッと手を握られる。


「お嬢様はぐれたら大変です」


「でも……」


 私の視線の先には……すでにそれらしい女の子の姿はなかった。


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