2話 望まぬ転生
「なんであんなこと言ったの!?」
国内最大級のゲーム展示会――『ジャパンゲームエキスポ』。
その倉庫裏で私は会社の後輩に問い詰められた。
「何って……、ヒーローや、メインのストーリーライン以外は私がやったことを答えただけだけど、何か問題ある?」
「そこは私を立てるのが筋でしょ!!!
インタビューで私がほとんどやったって言っちゃったんだから」
(あきれたこの子そんなことしてたんだ)
私たちが開発したのはAIチャット恋愛ゲーム。
零細企業の出したゲームにしては、恋愛はもちろん復讐特化にしても物語が広がる自由度の高さと、どのような展開にしてもほぼ崩れない整合性のおかげか、そこそこヒットできた。
そのおかげか注目度が高い。
ほぼ彼女の発案ということでインタビューに答えていたことは知っていたが、細かい設定を組み、整合性を強固にしたのは私だ。それなのにそれまで自分の手柄にしていたらしい。
「知らないわよ。そんなこと聞いてなかったし。文句があるなら、社長に直接言ってちょうだい」
そう言って振り返った途端。
「あの、神崎さんですか?」
唐突に別の男性から声をかけられる。
スーツ姿の男性。私はその顔に見覚えがあった。
確か大企業のゲーム開発者だ。
「はい?そうですが何か?」
「実は、あのゲームの事なのですが、素晴らしい出来でした。できればお話を伺いたいのですが」
「はぁ」
私が名刺を受け取っていると
「ちょっと待ってくださ~い♡」
と、後輩が勝手に割り込んできて、がんっとぶつかり――よろける。
どんっ。
私がよろけて立てかけてあった木材に当たってしまった瞬間。
ごんっと木材が揺れた。
途端。
「危ない!!!」
声が聞こえ――空を見上げると――何かの機材が私と後輩の頭上にあった。
それが――現世で見た最後の光景だった。
***
そして、次に気づいたのは、豪華なベッドの上だった。
――生きてる?
私がベッドから起き上がると――なぜかゲームの主人公(5歳)に転生していた。




