貴方が目にした過去の向こう
空はどこまでも続いている。冥界の空は青空と夕焼けと夜空と、あらゆる空が混じり合った色をしている。
そこを二つの流星が飛んでいた。よく見ると、それは人と竜だった。一人と一匹は、空を飛びながら、地上の様子を眺めていた。
「皆様が頑張っているとはいえ、怪の暴走は収まりそうにありませんね」
そう言ったのは黒い竜、グルーチョだった。
「あいつらは不死なんだ。だからどれだけ倒しても死なないんだよ」
昴は、あらゆる世界の様子を眺めながら、未だ不確定な未来を見つめていた。そして、背を向けたはずの過去も、昴の目にははっきり映っている。
昴は過去と現在、そして未来とあらゆる時間と空間を観測し、その気になれば干渉できる。
「昴様、音羽様の元へ行かなくて、良いのですか?」
「俺の曾孫なら、それぐらいやってもらわないと困るからな」
二人はこの世界ではない何処かへ向かおうとしている。
「本丸を叩かないと意味がないだろ」
「ええ、そうですね」
「なぁグルーチョ、楽園って、あると思うか?」
「さぁ、少なくとも私は存じ上げませんが」
ゾフィー達は楽園を造る為に世界を襲っている。昴には彼らの過去が見えていたが、だからこそ止めなければならないと感じていた。
「ソニアとゾフィーは同じ肉体でありながら、別の魂が宿っている。だからこそゾフィーはソニアを狙っているのだろうな」
「どうされるのですか?」
「あいつらを倒すに決ってるだろ」
昴はゾフィーをずっと探している。少なくとも今のゾフィーは、この世界ではなく現世に居ると分かる。だが、本当にそうだろうか。
昴は、曾孫達の様子を見ながら、飛んでいた。




