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堕ちる
星藍は、『光の樹』にもたれ、篤矢を待っていた。星藍の身体の輪郭は薄れ、大気に解けかけている。このままでは、消えてしまうのだろう。
そうなってしまった星藍を篤矢は見つけてくれるだろうか、星藍は不安になった。だが、星藍は篤矢を一時たりとも忘れた事はなかった。周りの全ての人々が自分を忘れたとしても、篤矢だけはいつか思い出すと信じていたからだ。
すると、『光の樹』の元に誰かがやって来た。その者はぼんやりと何かを探している。星藍が近寄ると、そこには篤矢が居た。篤矢は星藍の姿が見えていないようだったが、目の前で立ち止まった。
「誰か居るの…?」
「やっと会えたね」
星藍がそう言った時、篤矢の御守りが光った。すると、星藍の身体は元に戻った。膝から崩れた星藍を篤矢は受け止める。
「良かった…」
篤矢はようやく星藍を思い出したようだった。もうこれで二人が切り離される事はないだろう。
二人が安堵したその時、背後から何かが被さった。それは二人を呑み込んでいく。気が付くと二人は見知らぬ空に投げ出されていた。




