海を渡る者
ショールとアゲートは旅を続けている。何処までも続旅だった。目的地は決めていないが、二人は前へ進む。
その途中、開けた場所に出た。そこは船着場になっている。
海を見るのは初めてだった。冥界には無かったからだ。その為、二人はそれが海だとは気が付かなかった。
二人は船に乗り、何処かへ向かった。二人の旅には決まった目的地は無い。ただ、無心に何処かへと向かっている。
船はしばらく走っていたが、ある所で泊まった。乗客達がそこで降りていく。
二人も降りていった。すると、人混みの中に自分達と同じ気配を感じた。それを辿ると、幼い子供を抱えた青年が二人を待っていた。
子供はシリカ、青年はペタライトと名乗った。どうやら、彼らも冥界から逃げて現世を旅しているらしい。
「それにしても、私達と同じように旅をしている者が居るとは思いもしませんでした。」
「実力がある者は向こうの世界で戦っているそうですね。その為に私達は逃げて来たのです。」
「二人は何処まで行くのですか?」
「分かりません。宛のない旅ですからね。」
四人は船着場の側にある小屋に向かった。小屋に辿り着くと、四人の中で一番小さいシリカがぐったりとしている。
「シリカさん、どうされましたか?」
「疲れた…」
シリカはしばらくペタライトの側で休んでいた。余程疲れていたのだろうか、眠っている。
「この世界も怪の襲撃はありますし、安心出来ませんね。」
ペタライトはシリカを抱えて立ち上がった。
「お二人も若いですし何かあった時大変でしょう。同行させていただきますよ。」
「ありがとうございます!」
そうして四人は共に旅する事になった。




