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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ・アポカリプス編

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最後の九人、意外と暇なこと

 2027年3月18日。



 世界人口。



 9人。



 以上。



 終わり。



 人類は絶滅寸前だった。



 しかし。



 暇だった。



「暇だな」



 佐藤健一。



 言う。



「暇だな」



 元自衛官。



 言う。



「暇ね」



 医者。



 言う。



 本当に暇だった。



 何故なら。



 やることが無い。



 文明崩壊。



 国家消滅。



 会社消滅。



 学校消滅。



 税金消滅。



 宿題消滅。



「最後だけ嬉しい」



 高校生。



 呟く。



「確かに」



 佐藤。



 頷く。



 一方。



 場所。



 東北山中。



 旧スキー場施設。



 現在。



 人類最後の拠点。



 人口9。



 終わっていた。



 しかし。



 案外快適だった。



 沢。



 ある。



 薪。



 ある。



 食料。



 少しある。



 軽トラ。



 最近来ない。



 不気味だった。



「そういや」



 元教師。



 缶コーヒー開ける。



「軽トラ減ったな」



「減ったな」



 元研究員。



 頷く。



「最近見ない」



「怖ぇ」



 全員一致。



 その頃。



 神界。



 転生者管理局。



 大混乱。



「残存反応確認!」



「どこだ!?」



「不明!」



「またか!!」



 会議室。



 騒がしい。



 何故なら。



 最後の人類反応はある。



 だが。



 場所が分からない。



「レーダーは!?」



「途切れました!」



「探査神呼べ!」



「呼んでます!」



「見つかりません!」



 終わっていた。



 一方。



 地球。



 元研究員。



 ノートPC開く。



 奇跡的に生存。



 さらに。



 奇跡的に発電機も生存。



「まだ動くのか」



 佐藤。



 驚く。



「人類最後のパソコンかもしれん」



「嫌な称号だな」



 その時。



 画面。



 映る。



 人工衛星映像。



 地球。



 全景。



 しん。



 全員。



 無言になる。



 都市。



 無人。



 高速道路。



 無人。



 空港。



 無人。



 港。



 無人。



 そして。



 軽トラ。



 大量。



「終わってんな」



 元配信者。



 呟く。



「終わってるな」



 元漁師。



 頷く。



 その時。



 高校生。



 ふと思う。



「なあ」



「何だ」



「俺らって世界一レアな人類じゃね?」



 しん。



 全員。



 考える。



「確かに」



「世界人口9だしな」



「SSRだな」



「人間をレアリティで表現するな」



 少し笑いが起きる。



 久しぶりだった。



 こうして。



 世界最後の九人は。



 終末世界とは思えないほど。



 ゆっくりとした時間を過ごしていた。



 一方。



 神界。



「まだ見つからん!!」



「どこだァァ!!」



「反応はあるんだ!!」



「何で分からん!!」



 大騒ぎ。



 しかし。



 まだ。



 最後の九人の居場所は。



 神々にすら。



 分からなかった。



 そして。



 佐藤達は知らない。



 数千万柱の神々が。



 血眼になって自分達を探していることを。



 まだ知らない。

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