最後の九人になること
2027年3月14日。
⸻
アーク陥落から。
⸻
四十七日後。
⸻
世界人口。
⸻
推定三千人。
⸻
そして。
⸻
さらに減り続けていた。
⸻
毎日。
⸻
毎時間。
⸻
毎分。
⸻
少しずつ。
⸻
一方。
⸻
神界。
⸻
年度末。
⸻
忙しい。
⸻
「主人公足りません」
⸻
「分かる」
⸻
「異世界足りません」
⸻
「分かる」
⸻
「新人神増えました」
⸻
「何人?」
⸻
「百二十万柱」
⸻
しん。
⸻
「増えすぎだろ」
⸻
「増えすぎですね」
⸻
神界。
⸻
相変わらずだった。
⸻
一方。
⸻
地球。
⸻
旧東北地方。
⸻
山中。
⸻
佐藤健一。
⸻
歩く。
⸻
隣。
⸻
元自衛官。
⸻
後ろ。
⸻
医者。
⸻
研究員。
⸻
高校生。
⸻
主婦。
⸻
元配信者。
⸻
漁師。
⸻
元教師。
⸻
計九人。
⸻
そう。
⸻
この時点で。
⸻
既に。
⸻
ほぼ最後の九人だった。
⸻
「寒ぃ」
⸻
元配信者。
⸻
言う。
⸻
「春だぞ」
⸻
漁師。
⸻
返す。
⸻
「終末に季節関係あるか?」
⸻
「無いな」
⸻
全員納得。
⸻
その時。
⸻
研究員。
⸻
携帯型受信機を見る。
⸻
「反応」
⸻
全員。
⸻
止まる。
⸻
「軽トラか」
⸻
「軽トラだ」
⸻
いつもの。
⸻
しかし。
⸻
研究員。
⸻
首を傾げる。
⸻
「少ない」
⸻
「何台だ」
⸻
「一台」
⸻
しん。
⸻
「一台?」
⸻
「一台」
⸻
珍しかった。
⸻
最近は。
⸻
万単位。
⸻
億単位。
⸻
だった。
⸻
一台。
⸻
逆に怖い。
⸻
一方。
⸻
神界。
⸻
居酒屋。
⸻
「残り何人?」
⸻
「十三」
⸻
「おお」
⸻
「もう少しだな」
⸻
神々。
⸻
呑気だった。
⸻
その時。
⸻
新人神。
⸻
「四人転生しました」
⸻
「おお」
⸻
「残り九人か」
⸻
しん。
⸻
全員。
⸻
資料を見る。
⸻
『地球残存人類』
⸻
『9名』
⸻
しばし沈黙。
⸻
「え?」
⸻
「九人?」
⸻
「もう?」
⸻
思ったより少なかった。
⸻
神々。
⸻
ざわつき始める。
⸻
「主人公候補じゃん」
⸻
「九人しかいないぞ」
⸻
「確保しろ」
⸻
「いや待て」
⸻
「どこにいる」
⸻
しん。
⸻
全員。
⸻
固まる。
⸻
「どこだ?」
⸻
「知らん」
⸻
「位置は?」
⸻
「不明」
⸻
「マジ?」
⸻
「マジ」
⸻
神界。
⸻
急に焦り始める。
⸻
一方。
⸻
地球。
⸻
九人。
⸻
廃スキー場跡地。
⸻
休憩中。
⸻
缶詰。
⸻
分ける。
⸻
最後の食料。
⸻
「これで終わりか」
⸻
元教師。
⸻
呟く。
⸻
「終わりだろうな」
⸻
自衛官。
⸻
答える。
⸻
不思議と。
⸻
暗くなかった。
⸻
皆。
⸻
ここまで生き残った。
⸻
もう十分だった。
⸻
その時。
⸻
佐藤。
⸻
空を見る。
⸻
夕焼け。
⸻
綺麗だった。
⸻
「なあ」
⸻
「何だ」
⸻
高校生。
⸻
振り向く。
⸻
「結局」
⸻
「うん」
⸻
「軽トラって何だったんだろうな」
⸻
しん。
⸻
全員。
⸻
少し考える。
⸻
そして。
⸻
「知らん」
⸻
全員一致。
⸻
研究員ですら。
⸻
知らなかった。
⸻
一方。
⸻
神界。
⸻
大騒ぎ。
⸻
「探せ!!」
⸻
「どこだ!!」
⸻
「あと九人だぞ!!」
⸻
「欲しい!!」
⸻
「うちの主人公候補!!」
⸻
「俺のだ!!」
⸻
完全に争奪戦だった。
⸻
だが。
⸻
まだ。
⸻
誰も。
⸻
最後の九人が。
⸻
どこにいるのか。
⸻
分かっていなかった。
⸻
そして。
⸻
2027年3月14日。
⸻
人類。
⸻
最後の九人となる。
⸻
だが。
⸻
それは終わりではない。
⸻
むしろ。
⸻
ここからが。
⸻
本当の終末の始まりだった。




