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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ・アポカリプス編

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アーク、人類最後の砦ではなくなること

 2027年1月24日。



 軽トラ出現開始から。



 二百九十三日経過。



 世界人口。



 推定百二十万人。



 アーク人口。



 二十万人。



 つまり。



 人類の六人に一人が。



 アークにいた。



 最後の希望だった。



 一方。



 アーク中央司令部。



 会議中。



「宇宙軽トラの続報です」



「うむ」



 研究員。



 顔色悪い。



 ここ最近。



 ずっと悪い。



「数が増えています」



「何台だ」



「前回二百万」



「うむ」



「現在九百万」



 しん。



「増えてるな」



「増えてますね」



 もはや誰も驚かない。



 驚く体力も無かった。



 一方。



 神界。



 新年会。



「今年もよろしくお願いしまーす」



「よろしくお願いしまーす」



 乾杯。



 その時。



 新人神。



「宇宙軽トラ好評です」



「やったぜ」



「レビュー高い?」



「高いです」



 レビューとは何だ。



 一方。



 アーク。



 佐藤健一。



 見張り塔。



 勤務中。



 寒い。



 とても寒い。



「帰りたい」



「どこに?」



 隣の元教師。



 聞く。



「2025年」



「無理だな」



「だな」



 二人。



 笑う。



 その時。



 警報。



 鳴る。



 ウゥゥゥゥゥゥン!!



「またか」



 アーク。



 慣れていた。



 慣れすぎていた。



『軽トラ接近』



『軽トラ接近』



『軽トラ接近』



 通常営業。



 しかし。



 今回は。



 違った。



 研究員。



 叫ぶ。



「待て!!」



「どうした!?」



「数がおかしい!!」



 モニター。



 映る。



 アーク周辺。



 軽トラ。



 数万台。



 いつもの。



 だが。



 その後ろ。



 さらに後ろ。



 さらにさらに後ろ。



 地平線全部。



 軽トラ。



 しん。



「何台だ」



「分かりません」



「何で」



「多すぎます」



 終わっていた。



 一方。



 神界。



 新人神。



「見つけました」



 しん。



 会場。



 静まる。



「何を」



「大規模生存拠点です」



「マジ?」



「マジです」



 神々。



 一斉にモニターを見る。



 そこには。



 アーク。



 映っていた。



「おお」



「まだいたのか」



「結構いるな」



 その数。



 二十万人。



 神々。



 少し盛り上がる。



「主人公候補いっぱいじゃん」



「やったぜ」



「補充できる」



 補充ではない。



 人類である。



 一方。



 アーク。



 戦闘開始。



 対軽トラ砲。



 発射。



 ドォン!!



 ドォン!!



 ドォン!!



 軽トラ爆散。



 人類歓声。



「やれるぞ!」



「勝てる!」



「いける!」



 しかし。



 次の瞬間。



 爆散した軽トラ。



 荷台開く。



「待て」



 軽トラ出現。



「待て」



 その軽トラ。



 荷台開く。



 軽トラ出現。



「待て待て待て」



 さらに。



 荷台開く。



 軽トラ出現。



「無限か!?」



 研究員。



 絶叫。



 一方。



 神界。



「無限軽トラ実装した人?」



 一柱の神。



 手を挙げる。



「俺」



「天才か」



「ありがとう」



 ありがとうじゃない。



 一時間後。



 アーク外壁。



 突破。



 二時間後。



 第二防衛線。



 突破。



 三時間後。



 市街地侵入。



 人類。



 逃走開始。



 佐藤も走る。



 元教師も走る。



 医者も走る。



 研究員も走る。



 全員走る。



 その時。



 司令部。



 最後の放送。



「全員聞け」



 司令官。



 静かに言う。



「アークは終わりだ」



 しん。



 誰も反論しない。



 出来ない。



「生き残れ」



「それだけだ」



 通信終了。



 アーク陥落。



 人類最後の砦。



 崩壊。



 そして。



 世界人口。



 百二十万人。




 三千人。



 一週間後。



 世界に残った人類は。



 たった三千人となる。



 そしてその中に。



 佐藤健一もいた。

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