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ある日神の寄越し給ひし異形の獣に撥ねられて失せにければ異世界へ転生仕りき、されど能力の鉄の牛車召喚も黒き神境(?)とやらも使いよう皆無なり!  作者: イグアナ
軽トラ・アポカリプス編

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最後の砦が作られること

 2026年12月18日。



 軽トラ出現開始から。



 二百五十六日経過。



 世界人口。



 推定二千三百万。



 もはや。



 国家は存在しなかった。



 正確には。



 存在する国もあった。



 だが。



 機能していなかった。



 首相。



 転生。



 大統領。



 転生。



 議員。



 転生。



 官僚。



 転生。



 会社。



 転生。



 学校。



 転生。



 人類。



 だいぶ転生していた。



 一方。



 神界。



 年末。



 忘年会シーズン。



「お疲れ様でしたー」



「今年も色々あったな」



「地球案件大変だった」



「まだ終わってないぞ」



「それもそう」



 完全に会社員だった。



 一方。



 地球。



 佐藤健一。



 避難車両の荷台。



 座っていた。



 周囲。



 荒野。



 崩壊した都市。



 放棄された車。



 そして。



 軽トラ。



 遠くに。



 大量。



「東京だったんだよなここ」



 誰かが呟く。



 誰も否定できなかった。



 都市は残っている。



 人だけがいない。



 その時。



 前方。



 巨大な壁。



 見えてくる。



「着いたぞ」



 運転手。


 言う。



 そこにあったのは。



 最後の砦。



 人類統合生存圏。



 通称。



 アーク。



 世界中の生存者を集めて作られた。



 人類最後の巨大拠点。



 人口。



 二十万人。



 世界最大の生存者都市。



「デカいな」



 佐藤。



 素直に言う。



 壁高。



 三十メートル。



 監視塔。



 多数。



 対軽トラ砲。



 多数。



 地下施設。



 完備。



 発電所。



 完備。



 農場。



 完備。



 病院。



 完備。



「これなら」



 誰かが言う。



「生き残れるかもな」



 皆。



 少しだけ笑う。



 久しぶりだった。



 希望というものを見たのは。



 一方。



 神界。



 飲み会。



「まだ二十万人いるぞ」



「アークか」



「アークだな」



「頑張ってるな」



 モニター。



 映る。



 巨大要塞。



 人類最後の砦。



「どうする?」



 新人神。


 聞く。



 先輩神。



「様子見」



「珍しい」



「ちょっと面白い」



 観察モードだった。



 一方。



 アーク。



 夜。



 佐藤。



 食堂。



 缶詰ではない飯を食う。



 数ヶ月ぶり。



 温かい飯。



 味噌汁。



 焼き魚。



 白米。



「泣きそう」



 隣のおっさん。



 本当に泣いていた。



 皆。



 疲れていた。



 その時。



 大型スクリーン。



 映像。



 統合司令部。



 司令官。



 現れる。



「諸君」



 食堂。



 静かになる。



「現在の人類総人口は推定二千三百万」



 誰も驚かない。



 もう知っていた。



「だが」



 司令官。



 少し笑う。



「我々はまだ生きている」



 歓声。



 拍手。



 希望。



 久々だった。



 しかし。



 一方。



 研究所。



 研究員。



 顔面蒼白。



「おい」



「どうした」



「反応だ」



「軽トラか」



「違う」



 しん。



「違う?」



「違う」



 モニター。



 映る。



 宇宙。



「は?」



 研究員。



 震える指で画面を指す。



「何だあれ」



 モニター。



 拡大。



 さらに拡大。



 そして。



 全員。



 沈黙。



 そこには。



 軽トラ。



 いた。



 宇宙に。



「何で?」



 誰も答えられない。



 そして。



 その軽トラの数。



 推定。



 二百万台。



 しん。



「宇宙だぞ?」



「宇宙だな」



「軽トラだぞ?」



「軽トラだな」



 意味が分からなかった。



 一方。



 神界。



 新人神。



「宇宙軽トラ配備完了しました」



「おお」



「ついに来たか」



「予算使った?」



「かなり」



 楽しそうだった。



 そして。



 人類最後の砦アーク。



 完成したその日に。



 人類は知る。



 神様達が。



 まだ本気を出していないことを。

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